カメラ,修理,matsumo,matsumo2,matsumoto,matumoto
Japanese Only
Home(gozaru) カメラ目次 Home(coocan) 

カメラの修理

最終改訂:2000. 7. 2(初回:1999. 5.16)

 私は最近のフルオートカメラではなく,1960年代〜1970年代のTTL露出計付カメラやAEカメラが好きです。これは勿論,露出は自分で色々でき,また、フィルムの巻き上げや巻き戻しは手で行うというものですので,AF付きのフルオートカメラしか販売されていない状況では,購入するのも当然,中古カメラとなってしまいます。そして,私が中古品を購入する場合,最高でも1台1万円ということにしておりますので,当初は問題ないが,そのうち,故障してくるとか,あるいは購入時には気がつかなかったが,使ってみるとおかしな箇所があるとかいうものに当たったりします。しかしながら,値段が安いために保証が付いておらず,こういう場合は自分で直すか,飾っておくオブジェとなってしまいます。ところが,最近,NiftyserveのFPHOTOHにアクセスするようになり,「カメラの修理と製作」会議室の過去ログを各々2500程読んで,もしかして自分でも修理ができるのではないかと思いこんで,色々とやってみるようになりました。


リコー:一眼レフカメラ「XR-1000S」の巻き戻しクランクの修理と交換,モルト貼り

 私は昭和50年初〜中頃のリコーの一眼レフボディが好きで,中古店で安いもの時々購入しております。

 随分前に中古にて購入した「リコーXR-1000S」を初めて使ってみたら,購入時は気がつかなかったのですが,巻き戻しノブの金属クランクの下のプラスチック部分が破損していることを発見しました。すなわち,フィルムを巻き戻す際,引き出したクランクは普通,水平より少し上向きの状態で止まって廻しやすいのですが,クランクが水平より下でグラグラした状態で廻さなければならないのです。

 それで,これでは使いにくいので,壊れている(シャッターを押さない状態でも何回も巻き上げレバーを巻き上げることができてしまう「リコーXR-500」の巻き戻しノブと交換しようと思ったのですが(この時代のXRシリーズは部品のかなりが共通のようです),適当の廻しても壊しそうでうまくとれそうもなかったので,結局,クランクの下の部分に,HP-100/200LXの筐体にひびが入った際に使うことで有名な「プラリペア」というアクリル系の接着剤(渋谷東急ハンズで入手)を充填し,クランクが水平よりやや上でとまるようにしていました。

 これでとりあえず,まともに巻き戻しできるようになったのですが,@niftyのFPHOTOHの「カメラの修理と製作」の会議室の過去ログを読んで,巻き戻しノブはパトーネ側の軸の二股部にドライバー差し込んで,ノブを巻き戻しと反対側に廻せば取れるということを知り,早速,XR-500でやってみるとあれだけとれなかった簡単にとれ,そして,同様にXR-1000Sでも簡単にとれましたので,両者を交換しました。おかげさまで,これで見栄えもよくなって万々歳です。

 以前,同様な症状で XR-2Sをリコーのサービスステーションの持って行った時は2時間程で直ったのですが,確か2000円程とられました。

 また,秋葉原の「カメラのニッシン」にて2mm厚のモルトプレーンを購入し(裏面に接着シート付。1枚 250円),ここ1年程の間に購入したXR-1000S,XR-500はいずれもミラーボックス上部のミラーが当たる部分のモルトが無くなっていましたので,鋏で細く切って張りました。2mm厚だとちょっと貧弱に見えるので, 2.5mm厚の方が良かったような気もしますが,とりあえずうまくいったので,よしとすべきだと思っています。また,裏面・蝶番部のモルトも一部残っていたのをガムテープを使って剥がし,1mm厚(接着剤無し)のものを細く切って両面テープを使って張り付けました。
左側:XR-1000S



右側:XR-500
左側:オリンパスペン EED
 (これもシャッターが壊れていますが,今のところシャッター近くまで分解できないので,お手上げ状態です)


右側:オリンパスペン D2


オリンパス:ハーフサイズカメラ「オリンパスペン D2」のシャッター修理

 この「オリンパスペン D2」は,以前,秋葉原の青空市(フリーマーケット,真夏の炎天下で行われました)にて3000円ほどで購入したのですが,その秋に1回使った後,冬になったら,シャッターの油が固化してしまったのか,シャッターが開かなくなったり,開いてもシャッター速度がえらく遅くなってしまって使えなくなってしまいました。このため,そのままほおっておいたのですが,オリンパスペンの分解法が@niftyのFPHOTOHの過去ログに結構詳しく書いていたので,割と簡単に分解することできました。

 まずはシャッターに触れる所まで分解しなければなりません。このため,以下のように行いました。

(1)レンズ表面を見ると,その周囲付近の2ケ所に小さな穴が空いているので,そこに先が細いハサミの先を入れ,半時計回りに力を入れると回転するので,以後,ゆっくりと回して,リング状の板を取ります。

(2)しんちゅう製の小さなネジが3本出て来るので,それを半時計回りで外します(もう,1本しんちゅうの板を留めてあるのがありますが,それは取り外す必要はありません)。すると,外側のシャッター速度リング及び絞りリングが2つ外すことができます。

(3)レンズ部が見えるようになりますので,こんどはプライヤを使って,それを半時計回りに回すとレンズ部が外れます。

(4)すると,シャッター羽部が見えてきますので,無水エタノールと綿棒で丹念に拭きます(シャッター部に腐った油等が付着しているために,シャッター羽の動きが悪くなったと考えられます)。そして,十分に乾かします。なお,この際,外したレンズやシャッター羽・絞部にあるレンズも無水エタノールと綿棒にて綺麗にしておいた方がよいです(この場合,勿論,シャッター速度はBに,絞りは開放にしておく必要があります)。

(5)ブロワーにてゴミや綿棒の繊維の残りを十分にとり除いた後,先程とは逆に組み立てます。なお,絞りリングは内側の欠けている部分で,シャッター速度リングは3つのネジの位置で前と同じ位置に合わせることができます。

 次に,ファインダー内が汚いので,それの掃除を行いました。このためには,カメラの上部の金属部を外す必要があります。これは以下のように行いました。

(6)巻き戻しノブのクランクを上に上げると真ん中にネジがありますので,これを外します。そして,裏ブタを取り外し,巻き戻しノブの下側,すなわちフィルムパトローネに刺さる部分の2又になっている部分にドライバーを差しこみ,巻き戻しノブを巻き戻しと反対方向,すなわち,半時計回りに回し,巻き戻しノブを取り外します。

(7)すると,巻き戻しノブの下にネジが2本出て来ますので,半時計回りに回して取り外します。

(8)また,レンズに向かって左の側にネジが1本ありますので,これも,半時計回りに回して取り外します。

(9)フィルムカウンターの真ん中に穴が2つ空いているネジがあるので,この穴にピンセットを差しこんで,時計回りに回して取り外します(これと,その周りの輪とその下のワッシャーが外れます)。

(10)レンズと反対側にEEスイッチのノブがありますので,その回りの輪の2ケ所の欠けた部分にピンセットを入れて半時計回りに回して取り外します(この輪とスイッチノブが外れます)。

(11)これで,上部の金属部が外れる状態になりましたので,ゆっくりと徐々に取り外します(この時,シャッターとその下のバネが外れます)。

(12)すると,ファインダー部が見えてきますので,その両側下に付いているネジを半時計回りに回して外すと,線が付いた状態のファインダー部が外れますので,それを逆さまにし,底部の薄い板を外します(接着剤で付いているだけのようです)。これでファインダー内が掃除できる状態になりましたので,以後,先程と同様な掃除を行います。なお,接眼部付近のレンズの内側には黒いマスクがありますので,これも外して掃除した方がよいようです。

(13)十分に乾かしてから,ブロワーでゴミを吹き飛ばした後,接着剤を軽く付けて,先程外した薄い板をとり付けた後,以後,先程と反対に行い,組み上げます。なお,フィルムカウンター部は切りこみ部をきちんと合わせます。

 ということで,思った以上に簡単に分解,清掃することができました。おかげで,シャッターは速度があっているかどうかはともかく,ちゃんとシャッターが切れるようになりましたし,また,ファインダー内も綺麗になりました。なお,私がハサミやピンセットを使って回しているネジやリングは本当は「カニ目」というもので回さねばならないのですが,持っていないのでそれらを使いました。ただ,これは失敗するとカメラをひどく傷付けてしまいますので,かなり慎重に行いました。おかげで,滑って傷を付けるという状態は回避することができました。

 それから1月程たってから,フィルムを入れて撮影しました。勿論,ネガフィルムで行い,EEは使えないので,同時に持っていたリコーXR-1000Sの露出と同じで撮影しました。結果は,ややフレアーは多いような気がしますし,ハーフサイズ特有の色の薄さはありましたが,とりあえず,修理はうまくいったことがわかりました。


リコー:一眼レフ「XR-500」の巻き上げ不良の修理,モルト貼り

 先日の自分で行った修理にて,「オリンパスペン D2」はうまく直ったのですが,カニ目ネジを外すのに先が尖ったハサミやピンセットでは力を入れにくいですし,また,滑ってカメラを傷つけかねないので,会社の用で渋谷近辺に行った帰りに渋谷の東急ハンズの「カメラ修理工具」コーナーで,カニ目ネジを回すのに使う「マイクロオープナーJHT-60M丸型」(2700円) を購入してきました。とりあえず,先日,分解清掃した「オリンパスペン D2」のカニ目ネジを廻してみると,やはり,ピンセットより遥かに使い易いです。

 そして,とりあえず,4,5年前に中古で購入したリコー:一眼レフボディ「XR-500」の修理をすることにしました。これはその後,ずうっと使っておらず,先日触っていて気がついたこととして,巻き上げレバーにより巻き上げるとシャッターがチャージされ,シャッターボタンを押すとシャッターがきれるのですが,シャッターボタンを押さない状態でも巻き上げを何回も行えてしまうのです。すなわち,普通は巻き上げると,シャッターを押すまで再度巻き上げができないのですが,このカメラは何回でも巻き上げることができるのです。

 どこが悪いのかわからなかったので,とりあえず,様子を見るために軍艦部のカバーを外そうとのことで,

(1)巻き戻しクランク部の取り外し[フィルム室部分の軸にドライバーを入れて巻き戻しクランクをその矢印と反対方向に回して取り外し,次にその下の丸金属板をカニメ回しで外すと,ASA板とともに外れる]

(2)巻き上げレバー部の取り外し[巻き上げレバーを中途まで動かし,裏返すとネジが見えるのでそれを外す。プラスチックレバーを外し,下の金属板をカニ目回しで外し(逆ネジ),更に小さなネジ3本を外す]

(3)シャッターボタン周りの取り外し[シャッターの後ろにあるネジを外して,取り外す]

(4)シャッター速度ノブの取り外し[カニ目回しで外す]

(5)軍艦部周りの3本のネジの取り外し[前2本,横1本]

とここまでは順調に行ったのですが, ASAダイヤルのストッパーの金属ボタンの周りのカネ目が,私の持っているカニ目回しでは太すぎて使えず,外れないのです。

 これでは軍艦部カバーは外れず,中を見る事はできないので,元に戻し,今度は下面カバーを外すこととし,下面のネジ5本を外しました。すると,歯車等が複雑に組み合わさっているのが見え,巻き上げレバーを廻すとそれらが動き,また,シャッターボタンを押すと,動くものがあり,どう見ても正常な状態なのですが,とりあえず,ネジを2本外して平らな部品を外すと,小さなバネと共にその部品を外すことができました。しかしながら,これ以上,やっても元に戻せなくなりそうなので,元に戻すことにしました。そして,苦労してバネを元の位置らしい場所に付けて,元の状態に戻しました。

 すると,何と,今までの故障はなおり,巻き上げレバーはシャッターボタンを押すまで,巻き上げレバーで巻き上げることはできなくなり,正常になりました。

 そして,その後,ミラー部上のモルトの張り替え(2mm厚のもの使用),裏ぶたの蝶番部のモルト張り替え(1mm厚のもの使用)を行い,修理は終わりました。ということで,全くついていた修理でした(リコーの一眼レフカメラのモルト張り替えはリコーに依頼すると7000円〜8000円かかります)。


Home(gozaru) カメラ目次 Home(coocan)