,matsumo,matsumo2,matsumoto,matumoto
Japanese Only
日本最初の弦楽四重奏曲の演奏会は,1896年に東京音楽学校・奏楽堂で行われたのだそうです。その時は,「幸田延(vc),山田源一郎(vc),納所弁次郎(va)
,比留間賢八(vc)」により,ハイドンの弦楽四重奏曲が演奏されたのだそうです。その後,アウグスト・ユンケル等の外国人が主体となった弦楽四重奏団も活動しましたが,第二次世界大戦終了までに日本人による弦楽四重奏団として活動したものとしては,幸田姉妹による弦楽四重奏団,ハイドン弦楽四重奏団,ジュピター弦楽四重奏団,鈴木クワルテット,クリスタル・クヮルテット,松本弦楽四重奏団,フィルハーモニー・クヮルテット等があげられます。
そして,第二次世界大戦終了後に1960年代前半までに活動した日本人主体の弦楽四重奏団としては以下が上げられます。
結 成 | 名 称 | 団 員 | 市販された録音 |
1942年 | 東京弦楽四重奏団 | 黒柳守綱(vn) ,寺田豊次(vn),田中秀雄(va),橘常定(vc) | SP |
1945年 | ラモー弦楽四重奏団 | 桑澤雪子(vn),島田猛(vn),松浦君代(va),吉田貴寿(vc) | − |
1952年 | プロムジカ弦楽四重奏団 | 岩淵龍太郎(vn),武内智子(vn),小橋行雄(va),松下修也(vc) | ソノシート |
1957年 | アール弦楽四重奏団 | ブローダス・アール(vn),鈴木純子(vn),河野俊達(va),黒沼俊夫(vc) | − |
1957年 | アカデミー弦楽四重奏団 | 海野良夫(vn)(後の海野義雄),川上久雄(vn),白柳昇二(va),斉藤鶴吉(vc) | EP |
1961年 | NHK弦楽四重奏団 | 海野義雄(vn),坂本玉明(vn),奥邦夫(va),堀江泰(vc) | LP,ソノシート |
1963年 | ニュー・ディレクション弦楽四重奏団 | 阿部富士夫(vn) ,室屋高広(vn)(後に植木三郎に交代),武田文子(va),黒沼俊夫(vc) | LP |
1963年 | ハイドン弦楽四重奏団 | 多忠昭(vn),増門祥二(vn) ,林昌幸(va) ,田中進(vc) | LP,ソノシート |
1964年 | アマティ弦楽四重奏団 | 富山滋(vn),角道徹(vn),中塚良昭(va),矢島富雄(vc) | LP |
1960年代 | アルス弦楽四重奏団 | 川上久雄(vn),前沢均(vn) ,内田智雄(va) ,斉藤鶴吉(vc) | EP |
また,上表以外に,1961年頃に活動した弦楽四重奏団として,日本フィルハーモニー交響楽団の各パートのトップ奏者4名によって結成された「阿部富士雄,植木三郎,小橋行雄,黒沼俊夫による弦楽四重奏団」があります。この弦楽四重奏団には,例えば,「日本フィリハーモニー弦楽四重奏団」等の正式な名前が無いこと,残っている録音は,以下に示したごとく,「朝日ソノラマ別冊 家庭名曲集」(発行所:朝日ソノプレス社)の3冊(第1・2・4集)に入っている直径17cm片面ソノシート3枚のみの(なぜか,第3集には収録されていません)ようであることから,もしかして,録音の際に臨時に編成された弦楽四重奏団ではないかと思っていますが,正確なことは不明です。
ソノシート本 | 発行日・発行所 | 表 紙 | 中のソノシート | 収 録 曲 |
朝日ソノラマ別冊 家庭名曲集1 |
発行日:1961. 2.10 発行所:朝日ソノプレス社 |
チャイコフスキー:「12の小曲」より「悲しき歌」(sound672) | ||
朝日ソノラマ別冊 家庭名曲集1 |
発行日:1961. 2.10 発行所:朝日ソノプレス社 |
- | - | チャイコフスキー:弦楽四重奏曲第1番・第2楽章(sound672) |
朝日ソノラマ別冊 家庭名曲集2 |
発行日:1961. 4. 5 発行所:朝日ソノプレス社 |
モーツアルト:セレナード第13番・第1楽章(sound673) | ||
朝日ソノラマ別冊 家庭名曲集2 |
発行日:1961. 4. 5 発行所:朝日ソノプレス社 |
- | - | ベートーベン:弦楽四重奏曲第16番・第3楽章後半(sound673) |
朝日ソノラマ別冊 家庭名曲集4 |
発行日:1961. 7.20 発行所:朝日ソノプレス社 |
ボロディン:弦楽四重奏曲第2番・第3楽章(sound674) |
上記の5曲に関して,曲名にマウスを置いてダブルクリックすると,上記のソノシートをLPプレーヤーで再生し録音・編集して作成したmp3ファイルをダウンロードできるページに進みますので,そこよりダウンロードすることができます。このダウンロードしたファイルをまた,ダブルクリックすると,音楽を再生することができます。なお,これらの音楽ファイルを作成する際に使った再生・録音・編集装置は以下です。
再生 | LPプレーヤー: ケンウッド KP-1100 カートリッジ: オーディオテクニカ AT-3M(モノラル用) プリメインアンプ: マランツ PM78(A級) |
録音 | WAVE Recorder: ローランド EDIROL R-09(24bit・48KHz) |
編集 | パソコン: 東芝 dynabook Satelite K21(Windows XP) ソフト : (株)インターネット Sound it! 3.0 LE |
また,ベートーベン:弦楽四重奏曲第16番・第3楽章はその後半のみしか収録されていないことから,前半にパスカル弦楽四重奏団の録音を付けて、第3楽章全曲としたものも作成しました[[ベートーベン:弦楽四重奏曲第16番・第3楽章(sound673)]。
なお,ソノシートの形ですが,第1集と第2集のものは円形ではなく,半円+長方形となっています。これは,初期のソノシート本はソノシートを含めて綴じており,また,ソノシート本の中央にはプレーヤーのスピンドル用の丸い穴が空いています。すなわち,ソノシート本をそのまま,LPプレーヤーに置いて,再生できるようになっています。
しかしながら,これでは使いにくく,また,このやり方だとソノシートが平らにならず,LPプレーヤーのカートリッジが上下に揺れることから音も揺れるようになってしまったことから,その後,ソノシート本のソノシートは円形となり,その代わりにソノシート本はソノシートが入ったビニール袋を綴じるようになりました。すなわち,ソノシートは直径17cmLPレコードと同様な使い勝手になりました。
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