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真空管アンプキット「TU-879R」(1)

初回:2007. 2.25

 私は真空管アンプに興味を持っていて,大昔は,既に廃刊になって久しい「初歩のラジオ」(「ラジオ」と名乗っていましたが,実際は真空管アンプの製作とゲーム機の製作がメインの雑誌でした)と言う雑誌を毎月とっていましたし,今でも,近所の図書館にて「無線と実験」や「ラジオ技術」と言う雑誌を毎月読んでいます。

 また,真空管アンプとしては「ラジオ技術」に出ていた上杉佳郎氏設計による,LP再生時のダイナミックレンジを広げるために広げるために12AX7A及び12AU7と言う小型の真空管を合わせて12本も使用するために,発熱が非常に激しい真空管式プリアンプ(LP再生用のイコライザー付)を製作して,数年間使用していましたし,それ以外に,今亡き飯島徹氏による6CA7(EL34)と言う真空管を使うパワーアンプを作ろうと思って,部品のほとんどを集めたことがあります(残念ながら,作るところまでは行かずに,現在も部品のまま押し入れに入っています。ただし,コンデンサー類は経年変化で使用できないだろうと言うことで既に廃棄しておりますが,抵抗や真空管,そしてトランスはまだ使用できると思って残しております)。

 と言う状況で,現在,「マランツ:PM78」と言うLP再生用イコライザー付で,かつ,信号の増幅方法がA級とAB級の切り替え付きと言うマニアックなプリメインアンプを使用しておりますが,ずうっと,真空管アンプには興味を持っていました。しかしながら,真空管アンプを個人で作る際の最も大きな欠点は,できあがりの見栄えが悪いことです。すなわち,メーカー製のものと比較して,どうしてもデザイン的に問題ありのものとなってしまうのです。これは,特に,真空管式プリアンプでは顕著で,市販のアンプのようなケースが入手できないこと,と言うか,入手できても,市販のアンプが十分購入できるほど値段が高いことが上げられます。勿論,値段が高くても,部品集めとか,組み立て時の高揚感とかがありますのでそれなりに意味はありますが,その後の使い勝手を考えると,市販品の方が有利なことは確かです(後は,中古の市販アンプを購入して,中味を捨てて,ケースだけを使用すると言う方法があります)。一方,パワーアンプでは,真空管やトランス取り付けのための穴が既に開いているステンレス製シャーシーを購入すればかなり解決するのですが,残念ながら,それが非常に高 くて,それだけ出せば,市販のアンプが買えてしまう程ほどです。

 と言うことで,市販品並みのデザインのものを作るには非常にお金がかかり,私にとってはあまりに自己満足の世界過ぎるので,真空管アンプを自作したいが,と言う状態がずうっと続いていました。そこで,ある程度見栄えがよくて,自作の楽しみを味わえるものとして,キットで販売されている真空管アンプに興味を持っていました。この手のもので有名だったのは,秋葉原のラジオ会館内にあった「三栄無線」のもので,ここには多数のキットが展示されていました。私は真空管の中では,「12AX7A」と「EL34(欧州名)/6CA7(日本名)」がその形や名称から好きで,EL34を使用したパワーアンプも4万円弱で販売されていましたが,三栄無線のキットの中では低価格のせいもあるでしょうが,残念ながらデザインが市販品のものと比較してかなり劣り,私の趣味ではありませんでした。

 そして,今から10年位前だったか,ともかく,現在のような「インターネット通信時代」ではなく,その前の「パソコン通信時代」に,「イーケイ・ジャパン」と言う会社より,「エレキット」と言う電子工作キットのブランドで真空管式アンプのキットが驚くほど低価格で販売されるようになりました。低価格の最初のものは,「6BM8」と言う複合真空管を使用した出力が2Wと言う価格が2万円程の超小型アンプ「TU-870」でした。その後,毎年9月頃に限定生産・販売されるものも企画され,「2A3」,「KT88」,「6BQ5」,「6L6GC」と言った有名どころの真空管を使ったものが毎年のように発売されました。

 私はその中で,「KT88」を使用した「TU-877」と言うパワーアンプにアンプに興味を持ちました。理由は,価格が47,040円と低価格の上,使用しているトランスもそれ以前の同社のキットに比較して大きくなって低音も期待できるようになり,かつ,見掛けも中々良かったからです。しかしながら,音質に対する雑誌での批評はあまり芳しくなかったことが大きく原因して,何回か買う直前までは行ったのですが,結局,購入しませんでした。

<「イーケイ・ジャパン(株)」より「エレキット」ブランドで販売された真空管アンプキット一覧>

TU-870:2.0W×2・シングル・ステレオパワーアンプ,[真空管]6BM8×2,[価格]20,790円
TU-871:FET及び真空管使用プリアンプ,[真空管]12AX7×2,12AU7×2。[価格]29,800円
TU-872:3.5W×2・シングル・ステレオパワーアンプ,[真空管]2A3×2・6SN7GT×2。[価格]48,800円
TU-872LE :5.0W×2・シングル・ステレオパワーアンプ,[真空管]2A3EH・GOLD×2,6SN7EH×2。[価格]73,290円
TU-873:7.0W×2・シングル・ステレオパワーアンプ,[真空管]300B×2・6SN7GT×2,[価格]69,800円
TU-873LE:8.0W×2・シングル・ステレオパワーアンプ,[真空管]300B×2・6SN7GT×2,[価格]83,790円
TU-8730:7.0W×2・シングル・ステレオパワーアンプ,[真空管]300B×2・6SN7GT×2,[価格]69,800円
TU-874:6.5W×2・シングル・ステレオパワーアンプ,[真空管]KT-88×2・12AX7×1,[価格]39,800円
TU-875:LP用イコライザー付プリアンプ,[真空管]12AU7×3,[FET]2SK170×4,[価格]31,290円
TU-876CD:CDプレーヤー,[真空管]6189W(12AU7)×1,[価格]24,800円
TU-877:8.3W×2・シングル・ステレオパワーアンプ,[真空管]KT88×2・12AX7×1,[価格]47,040円
TU-878CD:CDプレーヤー,[真空管]12AU7×1,[価格]30,240円
TU-879:8.5W×2・シングル・ステレオパワーアンプ,[真空管]6L6GC×2・12AX7×1,[価格]41,790円
TU-879R:8.5W×2・シングル・ステレオパワーアンプ,[真空管]6L6GC×2・12AX7×1,[価格]41,790円
TU-879S:8.5W×2・シングル・ステレオパワーアンプ,[真空管]6L6GC×2・12AX7×1,[価格]44,940円

TU-880:LP用イコライザー付・2.5W×2・シングル・ステレオパワーアンプ,[真空管]6BQ5×2・12AX7×1,[価格]31,290円
TU-881CD:真空管ステレオCDプレーヤー,[真空管]12AU×1,[価格]34,400円
TU-882:欠番
TU-883LE:8.0W×2・シングル・ステレオパワーアンプ,[真空管]KT88EH×2・12AX7EH×1,[価格]59,640円
TU-884:欠番
TU-885:欠番
TU-886:欠番
TU-887:欠番
TU-888:4.5W×2・シングル・ステレオパワーアンプ,[真空管]KT88×2・12AX7×1,[価格]41,790円
TU-889:欠番

TU-890:欠番
TU-891:シングル・ステレオ・パワーアンプ,[真空管]6L6GC×2,12AX7×1,[価格]不明
TU-892:PP・ステレオ・パワーアンプ,[真空管]EL34×4,[価格]83,790円
TU-893:シングル・ステレオ・パワーアンプ,[真空管]2A3×2,
TU-894:0.7W×2・シングル・ステレオ・パワーアンプ,[真空管]6BM8×1,[価格]20,790円
TU-895:2.7W×2・PP・パワーアンプ,[真空管]6BM8×4,[価格]不明
TU-895R:2.7W×2・PP・パワーアンプ,[真空管]6BM8×4,[価格]39,800円
TU-896:4球スーパーラジオ,[価格]不明
TU-897:シングル・ステレオ・パワーアンプ,[真空管]2A3×2・6FQ7×2・6AQ8×1,[価格]不明
TU-898:6.0W×1・シングル・モノラル・パワーアンプ,[真空管]300B×1・6SL7GT×1,[価格]63,000円
TU-899:欠番

TG-5882:200mW×2・真空管ヘッドフォンアンプ,[真空管]5670W×2,[価格]29,800円


 そして,2003年9月に「6L6GC」を使用した「TU-879」と言うパワーアンプが発売されました。これは,その前に発売された「KT88」を使用した「TU-877」の出力トランスよりも大きなものを使ったもので,出力トランスの大きさは再生音に大きく関係することから,音に関しても期待できそうです。また,真空管は「6L6GC」の他に,無調整で「EL34」,「KT88」,「KT66」等も差し替えるだけで使用できると言うことです。すなわち,私が購入したまま使っていない「EL34」も使用可能と言う訳で,付属している 「6L6GC」を使わず,最初から「EL34」を使えば,私の好きな「12AX7A+EL34」と言う組み合わせの真空管パワーアンプになるわけです。そして,秋葉原の「ラジオ会館」内の「キムラ無線」や「若松通商」で見た限りでは,デザイン的にも大きな問題はありません。また,販売価格も,4万円弱で,リーズナブルのものです。

 それで買う気になったのですが,まずは,雑誌での批評を待とうと言う訳で,発売時には購入しませんでした。しかしながら,12月まで待っても全く取り上げられる様子はありませんでした。それで,仕方無しに,インターネットで色々と検索をかけてみると,まずは,前述の「ザ・キット屋」と言う真空管アンプの販売店のページを見つけ,ここで,説明書の中の回路図に間違いがあることを知ったほか,真空管を付属の「6L6GC」を「7581A」と言う真空管に替えると,音が劇的に良くなることを知りました。一方,インターネットの個人のページにあった幾つかの製作記を読んでみると,そのほとんどが「真空管らしくない荒っぽい音」と言う評価で,どうやら,その原因が付属の真空管及び以前より大きくなったとは言え,やはり,小さめの出力トランスにあるようでした。

 と言うことで,以前と同様に秋葉原の「若松通商」で何回か,買う直前までに行ったのですが,そのたびに購入せず,それは2004年3月に売りきれて無くなるまで続きました。その後も,「ザ・キット屋」のホームページは毎週アクセスし,「店主日記」を時々読んでいました。そして, 2004. 8. 2(月)にアクセスしたら,”エレキットは昨年販売した「TU-879」を「TU-879R」 と言う型番で再生産し,10月頃に販売する。ザ・キット屋の予約販売価格は梱包料と送料込みで31,500円,9/15(水)がその価格での予約の終了”とのお知らせがありました。ううん,これは非常に安いです。再生産のために,型代とは全て0円でしょうが,前回の若松通商での販売価格よりも2割も安いのですから。

 これで,再び真空管アンプ熱は再現し,8/22に「ザ・キット屋」にそれをインターネット上で予約しました。すると,同日,”予約のお礼とTU-879Rは10月初旬に入荷予定,入金は連絡後でOK”との趣旨のメールがきました。その後,北海道に10日間程出かけたりしていましたが,10/19にザ・キット屋より「取り置きしているが,もし,キャンセルするのであれば,遠慮なく言って欲しい」旨の電子メールが来たので,翌日,「入荷したとのメールを受け取っていなかったので入金していなかったが,明日か明後日に入金する」旨の返事をメールし,その翌日の10/21に「31,500円+振込料420円」を銀行に入金し,領収書の写しを添付ファイルとして,入金した旨のメールをザ・キット屋に送付すると,何とその翌日の10/22の10:30に家に「TU-879R」が到着していました!! ううん,その早さには感心しました。

 しかしながら,入手したことで満足してしまい,中身をチェックしただけで,TU-879Rはそのまま長い眠りにつくことになってしまいました。



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