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真空管アンプキット「TU-879R」(2)

初回:2007. 2.25

 このTU-879Rは,出力8.5W×2と普通に使うには十分な音量が期待できる,また、真空管として付属の6L6GCのほか,改造無しでKT88,KT66 及びEL34(6CA7)に交換可能なことが特長です。標準価格は41,790円だったのですが,「ザ・キット屋」と言う真空管アンプ等の通信販売専門店で,銀行振込料・送料込みで31,920円で入手したところまでは良かったのですが,それで満足してしまい,2年以上放っておいたものを,今年(2007年)の正月に,ようやく作る気になりました。作業時間は,プリント基板への部品の半田付けが1/2(火)の昼間で約5時間,残りは1/6(土)の昼間で約4時間と言った所でしょうか。
 なお,作業の途中途中で,コンパクトデデジカメ「京セラ:Finecam M400R」でマクロ撮影しましたが,このカメラのレンズの性能が悪くて,長方形である筈の基板等が「タル型収差」により,長方形にはなっておらず,湾曲しています。


 まずは,送られてきた箱の外見です。箱の中にはびっしりと色々なものが詰め込まれていました。
 また,細かい部品等もわかりやすく,少量づつ小さなビニール袋に入っていました。
 中にあるプリント基板から作業を始めます。
 説明書を見ながら,左の端の部分を折って,小さな基板4つと大きな基板に分けます。
 大きな基板に抵抗,コンデンサー,ジャンパー線,真空管ソケット,スイッチ等を説明書の通りの順番で,半田付けしていくと言う訳です。しかしながら,よく説明書を読んだつもりでも,基板の裏側に付ける部品を表面に付けてしまい,それに気がついて,ハンダ鏝で熱して外したり,あるいは,ハンダの量が多すぎて,隣の部品までそのハンダがはみ出したりと,何回も失敗してしまいました。

 結局,11時から16時までかかって,その大きなプリント基板にほぼ部品を付け終わっただけでした。勿論,連続して行っていた訳ではなく,時々,休みながら,また,テレビの「箱根駅伝」を観ながらだったのですが。

 と言うことで,ほぼ,部品を付け終わった基板の表面です。
 その裏面です。アンプを作るのは何十年ぶり,ハンダごてを握るのも久しぶりだったのですが,慎重に行いすぎたためか,時間がかかりすぎたのには参りました。

 ここまでで,初日を終えました。
 ここからは,次の日です。大きなプリント基板へのハンダでの部品付けと言う細かい作業はほぼ終わっていたので,後は楽勝だと思っていたら,意外や,シールド線が非常に細く,それをプリント基板に付けるのに,その線を入れる穴が0.5mm位の感じで,その穴に線を入れるのが,最も大変でした。しかしながら,それでも,大きなプリント基板は,重い電源トランスからの線を付けて,ようやく終わりました(写真の右側にある黒い楕円形のものが電源トランスです)。
 小さなプリント基板2枚に,ボリュームとピンジャックをハンダ付けします。
 シャーシ(ケース)の中に大きなプリント基板と電源トランスを入れ,ネジで留めます(シャーシには傷がついて見栄えが悪くならないように,座布団の上で作業を行いました)。先程のボリュームが付いた小さな基板も取り付けます。
 シャーシの上に,出力トランスをネジで付けて,ケースの穴からプリント基板へ配線し,ハンダ付けします。また,後ろのパネルを組み立て,それには先程のピンジャックが付いた小さな基板も取り付けて,シャーシにネジ止めします。
 シャーシの裏蓋をネジ止めし,また,出力トランスを覆うケースをネジ止め,ボリューム用つまみを取り付け,真空管を差し込めば終了です。

 まずは,ACプラグをコンセントに入れ,スイッチを入れます。すると,真空管がほのかに橙色になりました。真空管が暖まる際に出る小さなピンピンと言う音はしましたが,変な臭い等が出ないので,どうやら,成功のようです。それにしても,トランスが3つもついているせいもあって,非常に重たいです。

 まずは,正面から見たところです。
 斜め上から見たところです。前左が電源用のスイッチで,前に倒すとスイッチが入ります。前右のスイッチは2系統の入力の切り替えです。

 前の小さな真空管の根元が橙色に光っているのは,電源インジケーターを兼ねた真空管のライトアップです。
 後ろ上から見たところです。スピーカー接続用の赤・黄・黒色の端子(6〜16Ω:黒・赤端子を使用,3.2〜4Ω:黒・黄端子を使用)のほか,入力用のピンプラグ端子があります。
 真空管がほのかに光っているところです。

 シングルコーンで直径8cmの「フォスター:FE83」2本を1つのエンクロージャーに入れた密閉式スピーカー(ステレオですから,当然,エンクロージャーは2台,すなわち,FE83は4本鳴ります)に接続し,ちょうどNHK-TVで再放送していた「ウィーンフィル・ニューイヤーコンサート」の映像はそのままで,音部分のみを,このTU-879R経由で再生しました。TVのスピーカーとの音の違いに驚きましたが,現時点での感想としては,ザラついた感じの音だと思います。ただし,まだ,エージングが始まったばかりなので,音の傾向は変わると思いますが。


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