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2007. 1.15(月),先日組み立てた真空管パワーアンプキット「イーケイジャパン:TU-879R」の周波数特性の測定を行いました。アンプの測定には,「三種の神器」と言われている「低周波発信器」,「電子電圧計」及び「オシロスコープ」が必須ですが,これらは大昔に入手したもので,使い方や測定法はすっかり忘れていたので,インターネット上で検索をかけて,測定法等を探してから,試験を行いました。
すなわち,まず,アンプの右チャンネルの出力端子に接続しているスピーカーの代わりに8オームの抵抗(10W以上の大きなもの)を付け,その両端子には電子電圧計を取り付けておきます。そして,右チャンネルの入力端子には,低周波発信器からの出力を入力できるように接続します。
まずは,電源スイッチを入れて30分位放置し,安定になるまで待ちます。そして,アンプのボリュームは音量最大の状態にしておいて,低周波発信器より,
1,000Hzの正弦波を入力し,8オーム抵抗の両端の所の電圧を電子電圧計で測定し,それが2.83Vになるように低周波発信器のボリュームを調節します。アンプの出力と言うのは,この電圧の二乗を8で割った数字ですので,「2.83×2.83÷8=1W」,すなわち,1Wの時の周波数特性を測定することになります。後は,低周波発信器の周波数を,10〜100,000Hzまで適当な間隔で変更し,その都度,電子電圧計の値を読めば終わりです。次に,左チャンネルに対しても同様に行います。
なお,今回は使用しませんでしたが,オシロスコープはアンプの最大出力等を測定する時に有用です。すなわち,入力を上げた時のクリッピングポイント,例えば,正弦波を入れて低周波発信器の出力を上げていくと,8オームの所の電圧もドンドン上がって行き,ついにはそれ以上は上がらなくなるのですが,オシロスコープを見ていると,上がっていく途中でも,次第に正弦波ではなく,それが崩れた形,すなわち,矩形波に近くなったりします。ですから,目でクリッピングポイントがわかると言う訳です(なお,他の方によるTU-879Rに関する出力測定結果によると,クリッピングポイントは「5W×2」程度のようで,カタログ上の「8.5W×2」よりはかなり劣る感じです)。
今回,私が使った測定機器です。左より低周波発信器「LEADER:LAG-120」,電子電圧計「TRIO:VT-106」,そして,オシロスコープ「LEADER:LBO-310A」です。 | |
まずは,両チャンネルの周波数特性の測定値です。 | |
それをグラフ化したものです。青が右チャンネル,赤が左チャンネルです。両チャンネル共,ほぼ同じ特性ですが,いずれも,出力トランスの小ささを反映した感じのかまぼこ型の周波数特性です。 | |
この機種は真空管として,付属の「6L6GC」の他,「KT88」,「KT66」,E「L34」等を差し込んで使うことができますが,真空管の形により,その見栄えも随分異なります。 まずは,「6L6GC」を付けた状態です。これは昔風のだるま型の真空管です。 | |
この「6L6GC」の特長の1つとして,明るく光ることが上げられます。このことは,暗くするとよくわかります。アンプを上から見た状態です。真空管が橙色に光っているのが,よくわかります。なお,左側の小さな真空管「12AX7A」は橙色のLEDにより,ライトアップ(笑)されています(これは,本来は電源が入っていることを表すインジケーターなのだそうですが,このようにあまり明るく光らない真空管に対してライトアップするのが,エレキットの真空管アンプの特長だそうです)。 | |
次に,「EL34」(electro-harmonix製,価格:2,400円/2本組)を付けた状態です。こちらは近代的なスッキリした感じのストレート管の上,細身のものですので,やや貧弱に見えます。しかしながら,「EL34」は私が最も好きな真空管のためか,安くても,「6L6GC」よりは良い音に聞こえます。なお,「TU- 879R」の後継機種の「TU-879S」は,「6L6GC」を使用していますが,従来のダルマ型(ブランド:無いが,Classic Componetsのものと同一,価格:3,400円?)からストレート型のもの(electro-harmonix製,価格:3,000円?)に変更されているそうですので,このデザインのアンプで,ストレート型の真空管でもいいと思っている人がいるのだと思います。 | |
「KT88」(ブランド:Sun Valley Prime Tubes,価格:7,000円/2本)を付けた状態です。「KT88」は「6L6GC」より一回り大きい真空管ですので,立派に見えますし,音も「6L6GC」より良い感じです。 結局,3種の真空管を変えた時の見栄えはこれが一番だと思います。また,音の感じは「KT88>EL34>6L6GC」で,付属の「6L6GC」が最も良くないです。 なお,「TU-879S」の出力トランスやコンデンサー等をグレートアップした「TU-883LE」と言う機種が最近発売されましたが,そちらは「6L6GC」ではなく,「KT88」が付いてくるそうですので,イーケージャパンでも「KT88」が最も良いと思っているのかもしれません。 |
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