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フジ:KLASSE(2)

初回:2003. 4.20
 「高級コンパクトカメラ」と言う言葉ができたのは,日本経済のバブルが終わりに近い頃の1990年に「京セラ」より「CONTAX T2」が発売された時だと思います。この時はバブルの最後で景気が良くみんながお金を持っていたので,メーカーが期待していたより遥かに売れ,納品2ケ月後なんて言うことになったのだそうです(私の場合は,前述のごとくに欲しくても買える状態でなかったので,実際のところは知りません)。

 それを見た他のカメラ会社も,その開発を始め,バブルが弾けて,徐々に景気が悪くなり始めた1992年には「コニカ」が「HEXAR」を,1993年には「日本光学」が「NIkon 35Ti」と新発売し,それぞれ,かなり売れたようです。その後,ミノルタ,リコーと続き,そして,バブルが弾けて10年以上経った2001年に富士写真フィルムまでが,「KLASSE」と言うブランドの高級カメラを発売しました(もっとも,同社は「高級カメラ」ではなく,「高品位カメラ」と言っていますが)。しかしながら,それはバブルが弾けて既に10年以上,経っていると言う事を考慮したのでしょうか,その希望小売価格は今までに最も低いものでした。

 さて,この「高級コンパクトカメラ」の定義ですが,まず,外側は一般のコンパクトカメラとは異なり,プラスチックではなく金属です。また,単なる金属ではなく,チタンメッキをしたものの方がより高級とみなされています。そして,レンズには,その会社の有名なレンズ名,例えば,京セラだったら「カールツアイスT*ゾナー」,コニカだったら「コニカヘキサー」,日本光学だったら「ニッコール」,フジフィルム写真工業でしたら「スーパーEBCフジノン」等の名称がつけられたております。勿論,これらのレンズは一般的なプラスチック製コンパクトカメラのものとは異なり,写りを良くした高性能のものです(プルスチック製コンパクトカメラのレンズは,一般的に名前を付けられておらず,また,無理してズームレンズを付けているので,その明るさも暗いものが多いです。そして,その明るさであるF値もレンズには記載されていないものがほとんどです)。レンズは単焦点のものが一般的で,唯一,京セラからズームレンズが付いたものが1種出ていたのみ(確か,「CONTAX T VS」,「同 VS2」,「同 VS3」だと思いました)でした。

 と言う事で,「高級コンパクトカメラ」とは,「見た目には高級感があり,写りもいい」というもので,以下の表のものがあります。


<高級コンパクトカメラ一覧(単焦点レンズのもののみ)>

年 月 会 社 名 名 称 レンズ 希望小売価格
1990.11 京セラ CONTAX T2 38mmF2.8(4群5枚) 120,000円
1992. 2 コニカ KONICA HEXAR 35mmF2.0(6群7枚) 88,000円
98,000円(date付)
1993.12 日本光学 Nikon 35Ti 28mmF2.8(5群7枚) 125,000円
1994. 9 日本光学 Nikon 28T 35mmF2.8(4群6枚) 135,000円
1996. 3 ミノルタ Minolta TC-1 28mmF3.5(5群5枚) 148,000円
1996.10 リコー RICOH GR1 28mmF2.8(4群7枚) 90,000円
1997. 3 コニカ KONICA HEXAR silver 35mmF2.0(6群7枚) 88,000円
98,000円(date付)
1998. 1 リコー RICOH GR1S 28mmF2.8(4群7枚) 95,000円
105,000円(date付)
2001. 3 京セラ CONTAX T3 35mmF2.8(4群6枚) 98,000円
108,000円(data bag付)
2001. 3 富士写真フィルム FUJI KLASSE 38mmF2.6(3群4枚) 77,000円(白ボデイ)
2001. 4 リコー RICOH GR21 21mmF3.5(6群9枚) 138,000円
2001. 9 リコー RICOH GR1V 28mmF2.8(4群7枚) 98,000円
108,000円(date付)
2001.11 富士写真フィルム FUJI KLASSE 38mmF2.6(3群4枚) 78,500円(黒ボデイ)


2003年 3月13日(木)
 2003. 3. 8(土),JR亀戸駅より歩いて行ける「亀戸天神」と「小村井香取神社」の梅の撮影に,また,その翌日の2003. 3. 9(日)には鎌倉へ梅の撮影に行きました。勿論,2日間共,「フジ:KLASSE」持参して,撮影を行いました(他には,デジカメとセミ判一眼レフ「マミヤ:Mamiya 1000S」です)。その使い勝手は,以下の(1)〜(6)でした。

 (1)まずは見掛けですが,やはり,「高級コンパクトカメラ」と言うより,デジカメっぽい感じですね。しかしながら,ホールディングに関しては問題無しです。今回は首から下げて胸のところに置き,時々,撮影しましたが,カメラ自体の軽さもあり,使い易かったです。

 (2)フィルムの巻き上げは「ジィーッ」と言う感じで,かなりかったるく感じました。巻き上げはプラスチック製コンパクトカメラの「コニカ:BIG mini 3」の方が速いのではないでしょうか。両方共,リチウム電池を使用していますが,フジの方が容量の小さな電池を使用しているためではないかと思います。

 (3)被写体の性質なのか,ピントが合わず,黄緑色ランプが点滅することが数回ありました。この場合,距離を合わせる場所を少しずらせば大丈夫でしたが,「コニカ:BIG mini 3」ではこういう経験はありませんでした。

 (4)背景をぼかすために,絞り優先モードにしてF2.6の絞り開放で撮ろうとしましたが,赤色ランプが点滅して撮影ができなかったため(シャッター速度が 1/290より速くないとダメと言うことだと思います),結局,絞ってF5.6でようやく撮影することができました。絞り開放で撮るために絞り優先モードがあると思っていますので,これでは全く「絞り優先」モードで撮影する意味がないと思います(もっとも,逆に絞ってF22あるいはF16でボケ無し状態で撮影することは大丈夫だと思いますが)。

 (5)普段は絞り値とシャッター速度がわかるカメラを使っていますので,「KLASSE」みたくシャッター速度が不明なものは,暗い場所でシャッター速度がどの位になるかわからないため,ブレないか非常に不安になります。この仕様もコスト削減のためだと思いますが,やはり,これでは使いにくいです。せめて,シャッター速度が1/15秒より長い場合はランプが点滅するとかが必要だと思います。

 (6)全部撮影すると,自動的にフィルムが巻き戻しされますが,その後,フィルムを取り出さないと,電源OFFにしても,普通の場合とは異なり,レンズ前のプロテクターが閉じた後,レンズがボデイに収納されることはなく,単に電源がきれるだけとなります。プロテクターが閉じ,レンズをボデイに収納されてから電源が切れるようにするには,フィルムを取り出す必要があることがわかりました。これって,非常に馬鹿な仕様だと思います。何で,巻き戻した後は,電源OFFすると,普通の状態のようにならないのでしょうか。これ,多分,初心者がフィルムを出す事を忘れないようにすると言うためなのだと思いますが,このカメラ,初心者用ではないと思うのですが。

 一方,写りの方ですが,亀戸天神・小村井香取神社の梅(3/8)も, 鎌倉での梅(3/9)も,また,吉野梅郷の梅(3/21)も問題ありませんでした。ただし,このカメラ,フィルムを左側ではなく右側に入れるために,スリーブ仕上げの場合,番号の文字が逆さまになってしまいます(まあ,リコー:R1S のように,巻き上げてから徐々に戻して行く方式だと,36番が最初になるので,それよりはマシですが)。また,1本での撮影枚数ですが,37枚撮れたので,一眼レフカメラの「リコー:XR-1S」では38枚撮れるのには劣りますが,「リコー:R1S」の36枚キッチリよりは1枚だけ多いので可とすべきだと思います。なお,使ったのはコニカのISO100のスライド用フィルムです。


<「フジ:KLASSE」の主な仕様>

形式 35mmレンズシャッター式カメラ
画面サイズ 36mm×24mm
使用フィルム 135ロールフィルム
レンズ 38mmスーパーEBCフジノンレンズF2.6(3群4枚)
距離合わせ パッシブAF方式,撮影距離:0.4m〜∞,フォーカスロック機能付
マニュアルフォーカスモード:10点切り替え
ファインダー 実像式,視野率:85%(∞時),倍率:0.48倍
シャッター AE電子式レンズシャッター(プログラムAE,絞り優先AE)
シャッタースピード B,1/2秒〜1/290秒(F2.6時の最短速度)〜1/1000秒(F16時の最短速度)
セルフタイマー 電子式,作動時間:10秒
露出制御 CdS外部測光方式,連動範囲:EV4〜16(ISO 100時)
撮影モード プログラムAE,絞り優先AE
露出補正 ±0.5EV,±1.0EV,+2.0EV
フィルム感度 DXオートセット,ISO 50〜3200
ストロボ GN 11
電源 リチウム電池CR2:1本
大きさ・重量 123.0mm×63.5mm×37.0mm(突起部除く),250g(電池別)


<撮影した写真>

2003. 3.21 青梅市・梅の公園 2003. 3. 9 鎌倉・海蔵寺


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