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English Japanese
東京オリンピックが開催された1964年頃は,お金がある人は一眼レフカメラ,あまり無い人はレンズシャッター式カメラという形で分類されていました。すなわち,一眼レフカメラは庶民にとって高嶺の花でありました。勿論,その頃でも,安価な一眼レフは存在し,「ペトリ」の一眼レフがそれに相当していました。 さて,このカメラは東京オリンピックの直前の1963年に発売されました。当時は,キャノンから「キャノネット(Canonet)」というレンズシャッター式カメラが発売され,それが一大ベストセラーになっていました。おそらく,その名前にあやかってというか,その一眼レフ版という形でこの「キャノネックス(Canonex)」は販売されましたが,全くの失敗だったようで,約半年で販売は終了してしまいました。ということで,おそらく,国内に出まわった数はものすごく少ないと思われます。しかしながら,本品は中古市場では全く人気が無いものの1つのようで,中古カメラ店でもほとんど見掛けません。なお,本品が企画された本当の理由は当時の西ドイツを含めた欧州においては,この手のレンズシャッター式一眼レフカメラが流行っていたために,それに対応して欧州と米国に輸出するためだったようです。 | ||
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<性能・仕様>
項 目 | 内 容 |
名称 | キャノネックス(Canonex) |
分類 | レンズシャッター式シャッタースピード優先式EE一眼レフカメラ |
発売年月 | 1963年10月 |
価格 | 本体:20,800円,ハードケース:2,200円,ソフトケース:2,000円 |
レンズ | CANON LENS S 48mm F2.8 (3群3枚構成) |
シャッター | COPAL-X (コパル000番) 1/500〜1/15秒,B シンクロ接点はX(カメラ前面部にドイツ型ソケット) |
ピント方式 | マニュアルフォーカス |
露出制御 | セレン光電池式,クシ歯制御式シャッタースピード優先式EE(AUTO解除によるマニュアル露出可能) 測光連動範囲:EV7〜17 (ISO100) フィルム感度使用域:ISO10〜400 |
ファインダー | ペンタ固定アイレベル式,倍率0.9倍,視野率90% スプリットイメージ式距離計付 レフレックスミラーは自動絞り作動に連動するクイックリターン式 視野内表示:視野右側下に絞り目盛りとメーター指針,赤い測光連動範囲外ゾーン |
フィルム送り | フィルム:35mmフィルム(36×24mmサイズ) フィルム装填:裏蓋開閉スプール差し込み式 フィルム送り:上部右のレバー196度回転(予備角24度)による1作動式(小刻み巻上げは不可) フィルム巻戻し:上部回転クランク式 フィルムカウンター:裏蓋開放に連動して自動復帰する順算式 |
大きさ・重量 | 大きさ: 130×75×70mm,重量:690g |
<開発・販売の背景>
1960年代初頭の欧州市場では、コンタフレックス、ベッサマチックといったドイツのカメラメーカーのレンズシャッター式35mm一眼レフカメラが好評で,現地法人の要望により開発されたのが「Canonex」で,キヤノン唯一のレンズシャッター式一眼レフである。本品は日本国内のほか,米国及び欧州で販売されたが,日本国内ではほとんど売れなかったためか,半年で販売終了となった。マミヤ光機においてもほぼ同じものを販売していたことから,本品はマミヤのOEMの可能性が高い。 一般的には、レンズシャッター式の一眼レフレックス構造では、シャッターを開けている時は光の流入をミラー後方の遮光用シャッターで防ぐようになっているが、本品はキヤノネックスではミラー自体が遮光シャッターを兼ねるようになっている。これはコストダウンの一方法と思われる。また、クイックリターン式ミラーなのでコンタフレックス等とは違いファインダーが真っ暗になることはありません。シャッタースピード、絞り等の操作はレンズ面にあり、セレン光電池式の露出計はシャッタースピードに連動する追針式で、シャッター速度優先のオート絞り機能となっています。ただし、レンズは3群3枚のトリプレット型で,3群4枚のテッサー型ではないことから,48o f2.8とはいえ、当時の普及型レンズと言えると思います。 |
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