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HP-100/200LX日記(1)

最終改訂:2000. 4. 9(初回:1999. 5.16)
 私がHP-100LXに興味を持ったのは,その少し前より購入し始めた雑誌「PC WAVE」1993.10号の特集「HP100LXを日本語化して”動く書斎”を実現する」[吉田邦彦著]を読んだ時で,それ以前にどこかの展覧会にてHP-95LXを見て欲しかったが,とても買えない価格のために入手できなかった私には,「ふうん,こんな小さなパソコンで日本語を扱えるのか。欲しいなあ」と思った時からでした。その後,1993.12号に特集「HP100LX日本語化計画」[石島則昭著]を読んで極めて簡単に米語パソコンを日本化できることを知り,更に,1994.3に発売された「HP100LX徹底活用ブック」[FMODEM携帯端末研究会]を購入して益々欲しくなりました。

 そして,ついに1994.4月にHP-100LX(2MB)とフラッシュメモリカード「フラッシュパッカー10MB」を購入しました。当時は両者とも現在よりもかなり高く,それこそ「清水の舞台から飛び降りる」気分でした(確か合わせて15万円位したと思います)。

 その後,「PC WAVE」は1994.9号に「クロックアップによる倍速化」の特集,1994.11号に「日本語化キット」の特集がなされました。一方,その後の私は,HP-100LXの後継機であるHP-200LX(2MB)を発売後随分たってから購入しましたが,それは予備機として長らく放ったままの状態でした。しかしながら,いつも持参していたHP-100LXの蝶番部に亀裂が生じたため,その後はHP-200LXを使うようになりました(なお,HP-100LXの亀裂は勿論、接着剤「プラリペア」で修理し,現在は百科事典をインストールして百科事典専用機となっています)。そして,HP-200LXの生産終了の噂が出た時,現在使用しているものが壊れたら非常に困ってしまうことから(いつも持ち歩いている状態で,各種のデータが入っています),予備機として,HP-200LX(4MB)を購入して現在に至っています。

 さて,私の現在の使い方ですが,「HP-200LX(2MB)+40MBフラッシュメモリカード」をいつも持ち歩き,スケジュール管理,英和・和英・国語辞典,電卓,パソコン通信のログ読み,私の会社はフレックス・タイム制なので勤務時間の管理,CD-ROM「Project Gutenberg」の中の小説読み,パソコン通信の文章書き,会社の会議等の議事録作成等に使用しております。

 また,予備の「HP-200LX(4MB)+24MBフラッシュメモリカード」は,デジタルカメラ「Allegretto PDR-2」を使用する際に持参し,Allegrettoの中のスマートメディアが撮影した画像で満杯になった際,AllegrerroからHP-200LXにその画像を移動し,再び,Allegrettoを使えるようにするためのデータバンクとなっています。

○HP-200LX使用の勧め

 HP-100/200LXは下記の写真のごとくのPDA(小型情報機器)でかつ小型パソコンというべきものです。1993年6月にHP-100LXが発売され,そして,1994年11月頃にHP-200LXが発売され,HP-100LXは発売中止となりました。HP-100LXとHP-200LXは基本的にはほとんど同じで,目立って異なるところは筐体の色の違いと,内蔵アプリケーションに「Pocket Quicken」というソフトが加わっている程度です(ただし,内部的には異なっていますので,両者を使う場合は要注意です)。というわけで,以下,基本的にHP-200LXにて説明します。
HP-100LX(2MB):色は黒です HP-200LX(2MB) & HP-200LX(4MB):色は濃紺です

 HP-200LXはMS-DOS5.0の英語環境、画面は CGA(640×200ドット)の白黒でバックライトはなく,キーボードはおもちゃみたく小さく,その上、CPUな80186互換、PCカードスロットは1つという,完全に時代遅れの代物ですが,それでも,今出ているPDAの中では一番使い易いのではないかと思います。

 その利点として上げられることは以下です。

1.英語環境のMS-DOS5.0だが,市販の日本語化キットを使ってほぼ不自由なく日本語が使えるようになること。ただし,購入したままだと,日本語化した場合はCPUが力不足で表示等に時間がかかりストレスの固まりとなってしまうので,倍速化ともっと変換速度が速いFEPが必要とされます。

(1)内部の水晶発振子を15.836775MHzのものから,31.673550MHz、32MHzあるいは36MHzのものに交換していわゆる「倍速化」あるいは2.27倍速化すること。
(2)FEPは日本語化キット付属のWX2ではなく,ATOK8あるいはKATANAを使用すること。

2.画面は白黒だが,明るい場所では極めて見やすいです。また,日本語化すれば,CGAの25行ではなく,美しいフォントで12行程度の表示ができ,これも非常に視認性がよいです。また、私はやっておりませんが,液晶の裏の反射シートを取り除き、電気で発光するELパネルを入れることにより,暗い場所でも使えるようになるそうです。ただし,これの工作困難度は極めて高いそうです。

3.キーボードは見た目は確かに使い辛そうですが,実際に使って見ると,結構,入力し易く,例えば,この文章はHP-200LXで,電車の中で売っています。なお,この場合は,HP-200LXを両手で持ち,両手の親指を使って打つのが楽で能率が上がる打ち方です。

4.PCカードスロットは1つしかありませんが,これでも十分に使うことができます。なお,ここに普通の人はフラッシュメモリカードを入れます。その理由は以下です。

 HP-200LXの内蔵RAMは2MBタイプと4MBタイプしか売っておらず,2MBのものでは約1MBが,4MBのものでは約3MBしか,データや新たに入れたり,アプリケーションをインストールするSRAMとして使えません。しかしながら,このSRAMには一般的には日本語化関連のファイルとEMSが入るので,2MBタイプではフラッシュメモリカードを使わないと,データを保存したり,あるいは他のプリケーションに使う事が困難となります。勿論,4MBタイプでしたら,日本語化関連のファイルとEMSを入れても,2MB分はSRAMとして使えます。

 なお,フラッシュメモリカードの代わりに,LANカードやモデムカードを使う場合は,2MBタイプでは上記の理由により,それなりの工夫をしないと使う事が困難となります。

 このため,一般の人は4MBタイプのものを買うのが吉と考えられます。これ以外に,現在は2MBタイプのものを32MBタイプに拡張してくれる業者がいますが,この場合,フラッシュメモリカードを使った場合と同様な電池の消費量となりますし,水晶発振子が36MHzでは不可のようです。勿論、32MB化することにより,フラッシュメモリカード無しで十分に使えるようですし,また,モデムカードやLANカードを工夫無しで使えるようになるようです(しかしながら,36MB程度のRAMが入っていると,ハードリセットした場合はメモリーカウントに約30分間かかるそうですし,元の状態に戻すためにバックアップしてあったファイルをコピーするとこれにまたかなりの時間がかかるそうです)。

5.使いやすい日本語アプリケーションがNiftyserve等に多数登録されています。勿論,内蔵アプリケーションで使いやすいものがある。沢山あります。私が主に使っているものとしては,以下です。

(1)VZ-Editor:いわずと知れた日本語エデッタですね(市販品)。
(2)LogExpress:HP-100/200LX専用のテキスト読み用ソフトです(カンパウェア)
(3)MemoExpress:HP-100/200LX専用の日本語エデッタです(シェアウェア)
(4)Postit:付箋紙の一種です(フリーウェア)
(5)FTM:会社のフレックスタイム管理に使っています(フリーウェア)
(6)Train:駅から駅までの路線及び必要時間を調べるのに使っています(フリーウェア)
(7)Hikaru:市販の「光の辞典」のデータを使う事により,英和,和英,国語辞典が使えます(フリーウェア)
(8)Eng2Jap:Niftyに登録されているサイエンス辞書,英和・和英辞書のデータを使って辞書として使えます(フリーウェア)
(9)Appointment:スケジュール管理です(内蔵ソフト)

6.インターネットもできます。といっても残念ながら私はやったことがないのですが。WWWLXというシェアソフトを使うと,WWWとメールのやりとりができるそうです。ただし,カードモデムはその電力消費量から14400Bps程度のものしか使えないためにかなり遅く(もっと速いものを使って使えた場合でもHP-100/200LX自体の処理能力不足から意味がないそうです),また、WWWも画面を2つ以上に分けているページはダメだそうです。

7.小型で軽いので,いつも持ち運んでも,それほど苦にならなりません。小型軽量なことは非常に魅力的なことだと思います。私はLibretto20はいくら小型といっても,いつも持ち運んで使おうなんて思いません。

8.NiCd電池でも1回の充電で5時間以上は使用できます。電池の持ちがよいために,電池の心配をせずに1日は使用できることは非常に魅力的です(Libretto20では2時間以下です)。

9.スイッチを入れたらすぐに使えます(Win95の場合は1分程度必要です)。スイッチを入れたら,すぐに使えることはPDAとして使う場合に非常に重要なことだと思います。スケジュールを出すのに,1分以上かかるなんていうのは,スケジューラーとして意味がないと思います。

10.MS-DOS・Win95マシンとファイルの交換ができ,一部のソフトでは共通のデータが使えます。

11.ハードディスクがないために電車の中で動かしても,HDが故障することはないため安心して使えます(これは結構重要なことだと思います)。

12.カードモデムを使用することにより,割と簡単に外でパソコン通信ができるます。ただし,カードモデムは14,400Bpsという二昔前のものでないと,事実上使えません。

 また,繰り返しになりますが,HP-200LXの欠点と思われることは以下です。

1.日本語環境で使う場合には, CPUが非常に遅いためにストレスを感じます。これは2倍速に改造して,やっと,どうにか我慢できる範囲となります。

2.画面が200×480ドットと非常に狭いです(ただし,これでも十分に使えます)。

3.画面がカラーではありません。これはLibretto20を使った後で見ると,特に感じます。また,バックライトがないために,暗い場所では使用が困難でです。

4.キーボードが小さく,また,文字が小さいです。しかしながら,いずれも慣れの問題です。

5.元々,米語用の機械のために,日本語化は完全ではなく,また,不安定なことがあります。

6.PCカードも14400Bpsモデムカード,フラッシュメモリカード程度しか使えない。後,一部のLANカードも使えます。

8.内蔵HDがないために,事実上,フラッシュメモリカードにしかプログラムを入れられないし,その最大容量も220MBと小さい。

9.価格がその機能に大しては高いし,また,日本語で使用する場合は,フラッシュメモリカードが事実上必要となるため,結局,本体価格の2倍以上の金を必要とします。すなわち,コスト・パフォーマンスは高くありません。その上,本体価格は発売後何年もたっているというのにいっこうに下がらず,かえって上がっております(円安のせいもありますが)。

10.使えるアプリケーションは専用のものか,米語の古いCGA用のソフトか,あるいは,日本語のHiText用のものであり,最新のWin95用のものは使用できません。

11.シンガポール製造のためか,造りが雑です。日本の会社だったら,欠陥品として市場には出さないのではないかと思うような作りです。

○HP-200LXの購入費用

 HP-200LXを購入するのに必要な費用と必要なものです。

(1)HP-200LX(4MB) は秋葉原では若松通商で,水晶発振子交換済のものを購入する[秋葉原でHP-200LXを販売しているところは,私の知っている範囲では,若松通商,T-ZONE,アイツーモバイル店等で,最低価格は65,000円程といったところです。また,交換用の水晶発振子は若松通商で金5800円で販売しておりますが,後,4,000円を足せば,若松通商で水晶発振子の交換をしてくれます。自分で行う場合のリスクを考えれば,金1万円は妥当な価格と思います]。なお,新宿紀ノ国屋アドホック店は,価格は高めですが,店員さんが非常に親切なようです。アフターサービスも良いようです。1万円程安い2MBタイプを購入してもよいですが,そのままだと,初めての人は結構面倒だと思います(業者に頼んで32MB化するという手もありますが)。後はACアダプター,ニッケルカドニウム電池,パソコンとの接続ケーブルも買っておいた方がいいと思います。

(2)日本語化のために,オカヤの日本語化キットを購入する。現在,13,000円位です。なお,フラッシュラムカードに既に日本語化キットがインストールされているものもありましたが,現在は発売されておりません。

(3)FEPは日本語化キットに含まれていますが,上記の理由によりもっと日本語変換を速くしたい場合は,DOS/V用ワープロである「オーロラエース」を購入し(現在でも,NiftyserveのSOFTEXでの通信販売で購入できると思います),この中に含まれているFEPのKatanaを使用する。ただし,一部のドライバーは@niftyのFHPPCに登録してあるものを使用します。同ワープロの価格は4000円ほどで,このワープロは勿論,HP-200LXで使用することができます[導入ガイドがFHPPCに登録されております]。また,これよりプリンターを使用することもできるようです。また,これとは別に,ATOK8購入してもよいと思います。これも上記の店で購入することができます(8,000円程度)。

(4)フラッシュメモリカードは最低でも40MBのものを購入するのが吉だと思います。現在,220MBのものも入手できますが,大きいとファイル管理ソフトを使う場合は,起動後そのソフトが使えるようになるまで非常に時間がかかり,ストレスがたまります(40MBのもので6秒間)。大体,3万円位です。なお,価格が安くても,使い勝手が悪い物がありますので,メーカーに関しては要注意です。絶対安全なのは,サンディスクのものですが,メーカーを考えねば,若松通商にて85MBのものが26800円で購入できます(1999.5.12現在)。

(5)エデッタはVZを使用します[やはり,VZが軽くて一番使いやすいようです。ワープロは重すぎます。基本的にHP-200LXは非力なパソコンなので,軽いソフトしか向いておりません]。

これより,基本的には,概算として,14万円程必要でしょうか。勿論,インストールするアプリケーションしだいでもっと必要となりますが。す。

 私は,HP-100/200LXの本体は高いとは思いませんが,実際的に使用しようとすると,電子手帳,ザウルス,オアシスポケット等と異なり,結構な金を必要とするパソコンだと思っております。ただし,これだけ投資すれば,結構使いやすくなりますし,私は毎日鞄に入れて持ち歩いて使用しております。まあ,私にとっては,電子手帳の高級版といった位置づけで使用しております。

<追記1>(2000. 4. 2)
 HP-200LXは2000.11.1に生産終了となり,現在入手できるのはいわゆる流通在庫のみだと思われますが,秋葉原では,若松通商とアイツー・モバイル店に置いてあります。値段としては,アイツーですが,2MBモデルで52,8000です。私は生産終了後に予備予備用に2台購入し,現在,HP-100/200LXを5台持っています。

 また,倍速用の水晶発振子はまだ若松通商で入手できるようですが,2.26倍速用の小型水晶発振子は千石通商では既に入手できません。

 一方,2MB→32MB化に関しては,インターネット上の業者が部品代込みで3,4万円でやってくれるようで,アクティブなユーザーの方では常識になっているようですが,私はやっておりません。これを行うと,フラッシュメモリカードがなくても通常の使い方ができるようになるので,インターネットとかパソコン通信を主体にやる方にとってはは必須だと思います。

 なお,新品でなくてもよいのならば,インターネット上のオークション(YAHOOオークション等)で,HP-200LX関係は結構見かけますので,そういう入手法もいいのではないかと思います。ただし,YAHOOの場合は売買が成立した後は,個人同士で取引を行うのだそうです。

<追記2>(2000. 4. 9)
 現在では,フラッシュメモリカードでは更に安くなっていますし,また,コンパクトフラッシュカードでしたら,更に安くなっているので,「コンパクトフラッシュカード+アダプター」という組み合わせが一番安いと思います。値段としては,通信販売ですが,128MBコンパクトフラッシュカードが29,800円というのがありますし,アダプターは950円が相場です。

<追記3>(2000. 4. 9)
 秋葉原でもHP-200LXを扱っている店は2店になってしまいましたが,アプリケーションとか,周辺機器は若松通商の方が揃っています。

○HP-100/200LXの倍速化

 前述のごとく,HP-100/200LXは購入時のままでは,動作が非常に遅く,何を行ってもストレスのかたまりとなってしまいますので(注:元々,異人達のために作られたPDAですので,アルファベットを使っている分には問題ないですが,日本語を使おうとするとそれだけで,かなりのパワーを必要とし,かなりストレスを感じるようになります),普通の人が使い場合は,いわゆる「倍速化」,すなわち,内部にある水晶発振子の交換が必要です。

 これには,

(1)自分で行う
(2)秋葉原の若松通商にで,倍速化されたものを購入する

の2つの方法があります。(1)の場合は事実上,水晶発振子のみの出費で大丈夫ですが,交換するためにHP-100/200LXを分解した時点でメーカー保証は無くなり,また,故障した際も有償にても修理してくれなくなる可能性があります。また,勿論,水晶発振子を交換して時に誤って他の部分を壊してしまう可能性もあります。ですから,もし,1台持っていて,予備として2台目のものを購入した場合でしたら,1年間の無料保証期間が過ぎてから行う方がいいと思います。

(2)の場合は,どうやら,1年間の若松通商の保証は付くようですので,水晶発振子の費用に人件費が4000円程必要ですが,自分で交換したくない人には向いていると思います。

 さて,「倍速化」には3つの方法があります。

(a)若松通商にて販売しているFMODEM純正の31.673550MHzのものを使用する。ただし,この値段は1個6000円程もします。なお,この水晶発振子には熱収縮チューブが被されており,絶縁されています。また,FMODEM公認の「○廃シール」がおまけに付きます。

(b)秋葉原の千石通商にて,36MHzの小型水晶発振子を購入する。価格は1個たった50円で,私が購入した時には「HP-200LX」と書かれてた棚に置いてありました。なお,これは裸のままですので,後で周りを熱収縮チューブで覆う必要があります。しかしながら,1999.4.29現在,千石通商ではもう取り扱っていないようです。私は3つ購入しましたので,2つ余っています。また,私は見たことはありませんが,大阪の日本橋の共立電子でも同様なものを販売しているそうです(こちらも,現在はダメみたいです)。

(c)大阪の日本橋の共立電子で32MHzの小型水晶を購入する。価格は1個200円程度です。こちらはまだ購入できるようです。

ということで,普通の人はやはり(a)が一番だと思いますが,お金はかからないし,また,速さも倍速化より速いとのことで,多少の問題には目をつぶるという人には(b)がいいと思います(もっとも,もう入手できなくなってしまいましたが)。

 なお,水晶発振子を交換した場合は,いずれも,専用のドライバーをCONFIG.SYSにて組みこむ必要があります。これを組みこまない場合は,画面表示が乱れて使いものにならないことがほとんどです。このドライバーはniftyserveのFHPPCのデータライブラリイにあります。

1.HP-100LX(2MB)の倍速化(FMODEM純正発振子)

 1994.10.29(土),「もし,失敗しても,もうすぐボーナスが出るから買い替え可能だ」と,失敗するのを覚悟で,HP-100LXの水晶発振子の交換(クロック数が2倍になる倍速化)を行いました。というのは,やはり,WX2+による漢字変換の遅さに我慢できなくなったためです。それに,確か,私のHP-100LXは今年4月に購入したもので,そろそろ,半年たち,大分使用したから,もし壊れてもいいやと思いはじめたからです。加えて,水晶も8月に金6000円で購入済で,これを机の肥やしにしていてもしょうがないと思い始めたという理由もありました。

 とりあえず, 10/28(金)に秋葉原で,HP-100LXのケースを開けるための「トルクス6番」を850円で購入しました[店で850円から1350円までの3種類出されたので,どうせ,今回しか使わないので,一番安いのを購入しました。なお,トルクスとは特殊ネジのドライバーの1種で,HP-100LXにはこの特殊ネジが使用されているために,普通のドライバーは使用できないのです]。

 それで,本日の昼食後に交換を始めたわけです。とりあえず,雑誌「PC WAVE」1994.9号の「HP-100LXのクロックアップ」の記事をよく読み直した後,Aドライブのフラッシュラムにクロックアップした後に使うドライバーをインストールし,CONFIG.SYSを書き換えた後, INTERLINKを使用してCドライブをDynaBookにバックアップしました。

 それから,フラッシュメモリカード,単3ニッカド電池,リチウム電池をとりはずし,そして,ゴム足を針を使って取り外し,見えてきた特殊ネジをトルクスではずしました。そして,記事通りにピンセットを利用してケースをこじあけようとしたのですが,それが何回やっても,ピンセットがすべってしまってうまくいかないのです! そこで,落ちつくために,とりあえず,部屋から出て,食堂にて蜜柑を数個食べてから,慎重に力を入れて行うと,やっと2つの部分にはずれました。

 いや,ともかく,パソコンの回路ってすごく細かいのですね!! 私は初めて見たので目が点になってしまいました。特に,すごいと思ったのが,CPUの足回りです。あんな細かいのをよくハンダ付けできると感心してしまいました。また,その他の部品も小さいし,プリント基盤の回路も繊細なので,私に水晶交換ができるのかと不安になってしまいました。

 また,水晶発振子のあたりの回路も結構細かいのですね。私はハンダごては2本持っているので,水晶をはずすのは大きな方を使用しようと思っていましたが,コテ先が太すぎるので結局電気容量の小さな方にしました。しかしながら,水晶は思ったより簡単に取れましたが,大変だったのは,残ったハンダを取り除いて,新しい水晶がすぐに入るように元の穴があくようにすることでした。ハンダ除去器やハンダ吸い取り線は持っていないので,錫メッキ線や寄り線を用いて結構長い時間をかけてやっと取り除きました[あまり,加熱しすぎると,プリントパターンが剥離したりするので慎重にやりました]。そして,今度は,ここに31.673550MHzという従来の倍の水晶発振子をハンダで取り付けました。

 この後,ハンダくず等ががないか,ハンダが変な所にまでついていないか虫眼鏡を使用しながら十分に確認して,後は,前と反対に組立てて終わりました。そして,電池等を入れてスイッチを入れると,あれ,全然,液晶に表示がでない!! 一瞬,顔が青くなりました。ああ,8万円がゴミと化してしまった!!

 そこで,一息いれてから,また,分解し,組立直してスイッチを入れると,今度は液晶に表示がでました!! ああ,よかった,壊れてはいなかったのだ!! さっきはどこかが接触不良だったのだ!!

 それから,DynaBookからHP-100LXへさっきバックアップしたファイルを移動し,やっと,2倍速化が完成しました。終わったのが4時頃でしたので,結局,正味約3時間かかったことになります。ともかくも,回路が細かかったので疲れました!! もう2度とやりたくはありません[これに比べれば,真空管アンプ等では,回路があまり細かくないので楽ですね。今までは幾つかアンプを作ったことがありますが,今日は最も緊張しました]。

 2倍速になった感想はというと,思ったほど速くはないということです。すなわち,随分速くなったが[2倍になっていますが],まだ,遅いということです。勿論,前のノロノロに比べればサクサクという感じですが,やはり,WX2+での漢字変換にはストレスを感じます。もう,2倍,すなわち,従来の4倍速にしたいというのが本当の所です。でも,やはり,前の遅さにはもどれません。HP-100LXを持っている方は絶対に2倍速化をお勧めします。でも,自分で行うとリスクが大きいので,確か,秋葉原の若松通商では部品代込みで1万円で2倍速化してくれるということですので,結局,自分で行うより4000円upですから,絶対に若松通商等でやってもらった方が精神衛生上よいと思います。

 それにしても,今日は本当に疲れました!!

2.HP-200LX(2MB)の倍速化(FMODEM純正水晶発振子)

 1996.4.13(日),HP-200LXをやっとクロックアップしました。そろそろ,購入して1年になるから保証期間は終わりだろうと思って,しまってある外箱を探して中にある領収書を見ると,購入は昨年の4/10でした(価格は,今より結構高い64,800円!!)。

 というわけで,早速,随分昔に購入した,FMODEMの倍速水晶と,クロックアップが載っていた昔の雑誌「PC WAVE」 を探しだして読み直し,実施しました。さすがに,前にHP-100LXの倍速化を行った経験がありましたので,ほとんど迷うことなく,まずはゴム足,次にトルクスネジ,そして,ピンセットの背中を使ってPCカードスロットの押し出し口より,2つに分解して(この部分は前は何か壊れそうでこわごわやったので大変でしたが,今回は極めて簡単にできました),基板を取り出し,ハンダゴテで水晶発振子をはずし,ハンダがつまっている小さな穴を今度は安全ピンを差し込みながらうまくハンダを取って穴をあかせました(この部分,安全ピンを使用するのがミソで,これで,極めて簡単に穴につまったハンダを取り除けます)。そして,倍速化用水晶発振子をハンダづけして,その後は前と順番を逆にして組み立てれば終わりました。

 後は,倍速用ドライバーを組み込んだ状態でリセットしたら,問題なく起動しました。動きも1年数カ月前に倍速化したHP-100LXと同様にキビキビしていますし,すべてのキーも問題なく使えるようで,成功でした。勿論,分解する前にCドライブのS-RAMの内容をDynaBookにコピーしていましたので,それを戻しました。

 ということで,若松通商に水晶交換を依頼しないで4000円を節約してしまいました。そして,水晶についてきた F-MODEM作成の○癈シールを張って完成しました(おかげで結構,派手なHP-200LXになってしまいました)。

3.HP-200LX(4MB)の倍速化(千石通商水晶発振子)

 1999.4.17,2年程前に購入した「HP-200LX(4MB)」をようやく 2.27倍速化しました。購入後1年間の保証期間が過ぎたのに今まで放っておいたのは,これには40MBフラッシュメモリカードを入れており,そこには百科事典「マイペディア」をインストールしてあり,たまに使う程度だったことから遅くても我慢できたい程ではなかったことと,水晶発振子を交換するの面倒くさかったためなのですが,先日,購入したデジタルカメラ「Allegretto PDR-2」(本体にPCカードが付属している形のデジカメです)の内蔵の「スマートメディア」が撮影した画像ファイルで満杯になったら,そのファイルをHP-200LXに移動して,また,使えるようにすればいいと思ったからです。

 私は,今まではデジタルカメラとして「DC20」を使い,これは8枚撮影すれば内蔵フラッシュメモリが満杯となってしまうために,LXDC.EXMというソフトを使い, RS232C経由で,その画像データを「HP-100LX(2MB)・倍速」に移動していたました。しかしながら,「HP-100LX」では「Allegretto」のPCカードは認識しないこと(注:本当は「PalmTop Adaptor」付属の「ATA.SYS」を「CONFIG.SYS」で組みこむと,Fドライブとして認識はされますが,こうした場合,私の「HP-100LX」の使用方法ではCドライブの空きはほとんどないので,Allegrettoからファイルを移動できませんので)から,この「HP-100LX」での使用を諦め,現在,百科事典として使っている 「HP-200LX(4MB)」と使用方法を交換することとしました。

 すなわち, 「HP-200LX(4MB)」でしたら,私の使用方法ではCドライブにフォント,日本語FEP,EMS,その他を置いても約2MBの空きができますので,まず,Filmtnを起動し,スイッチを切ってフラッシュメモリカードを抜いてその代わりにAllegrettoを差しこみ,スイッチを入れてそこのファイルを20個ほどCドライブに移動し,そして,スイッチを切ってから,Allegrettoを抜いてフラッシュメモリカードを入れた後,スイッチを入れて,Cドライブの20個ほどのファイルをフラッシュメモリカードに移動し,これを4回行えば,全部のファイル(8MBスマートメディア分)を移動でき,再び,Allegrettoが使えるようになるというわけです。しかしながら,標準速のままではかったるいので,2.27倍速化することにしたというわけです。

 ということで,久しぶりに,HP-100/200LXの水晶発振子の交換を行いました。この交換自体はこれで3回目なので,慣れていて簡単です。ただし,水晶発振子は秋葉原の若松通商にて入手できるFMODEM純正品(倍速用)ではなく,秋葉原の千石通商で販売していた小型の36MHzのもので,これをつけると倍速ではなく2.27倍速と半端なものになり,倍速よりは多少速くなります。しかしながら,これによる弊害もあり,例えば,RS232C端子の最大速度は38400Bpsとなってしまうそうです。また。音の関係もおかしくなるようですが,それは修正用のパッチをあてることにより,ソフトを一部変更するだけでいいようです。しかしながら,FMODEM純正品の価格の1個5000円程度と非常に高いのですが,千石のものはその1/100の50円と非常に安いのも魅力です。

 その水晶発振子ですが,裸かのままですので,とりあえず,熱収縮チューブを被せてドライヤーで暖めて,他の部品のそばにいってもショートしないようにしました。

 そして,常法に従い,まず,HP-200LXの底のゴム足4本をピンを使って取り除いた後,見えてきたネジをトルクス6番ドライバーを使って外し,そして,PCMCIAカード除去レバーのあたりのすきまに不要なクレジットカードを差しこみ少しづつ動かしながら,底カバーを外しました。すると,プリント基板がありますので,そこについているフラットケーブルを外すと,ようやっと,基板を手にとることができました。そして,今度は基板を裏返し,そこに付いているメモリーボードを外しました。

 大きなICのそばに付いている細い円筒形の水晶発振子は2本の足と本体頭の部分は基板にハンダ付けされていますので,小型のハンダごてを使って,まず,頭部分のハンダを外し,そして,2本の足を外しました。しかしながら,基板上の2本の足の部分の穴はハンダで塞がったままですので,ここをハンダごてで熱しながらピンを入れてハンダを取り除きました。

 次に,先程の 36MHz水晶発振子の足をその穴に入れ,をの本体部分を外した水晶発振子と逆側になるように足を曲げて,そばの小さなICとの間にうまく収めるようにしてから,2本の足をハンダ付けしました。後は,分解した時の逆に行えば大丈夫ですが,電池室の接点用のバネは電池室に付けてから組み立てる必要があります。

 ということで,後は,購入時と同様な操作をすれば,HP-200LX(4MB)・2.27倍速が使えるようになりました。ただし,勿論,2.27倍速用のドライバーはCONFIG.SYSにて組みこむ必要がありますが。

 さて,使い心地ですが,倍速化より格段に速くなった感じがします。特に,それは日本語変換の速さ,快適さに感じます。ただし,やはり副作用はあり,LXDC.EXMを使ってデジタルカメラ「DC20」からのRS232C端子経由のファイル移動は,38400Bpsでもそれ以下でも,「DC20」を認識できたりできなかったりするので,これでは使えないと判断しその関係のファイルは削除してしまいました。すなわち,できれば,これ1台で,「DC20」も「Allegretto」も使おうという私のもくろみは外れてしまいました。

 ということで,今後は,外に行く時は「DC20」を使う場合は普段使用している「HP-200LX(2MB)・倍速・40MBフラッシュメモリカード」を,沢山,写真を撮ろうという場合は「Allegretto+HP-200LX(4MB)・2.27倍速・24MBフラッシュメモリカード」という形になりそうです。本当は,倍速用の水晶を購入して,水晶発振子を交換してもよいのですが,6000円程もかかるので,ちょっとやる気がしませんし,その上,この速さには満足していますので,余計に交換する気にはなりません。これから,考えると,音はあまり関係ない,RS232C端子は使用しないという人には,この50円水晶発振子による2.27倍速化をお薦めします。

 ということで,百科事典は「HP-100LX(2MB)・倍速・40MBフラッシュメモリカード」に入れて,ようやっと,3台のHP-100/200LXがまともに使える状態になりました。

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