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テグレット技術開発のCD-ROM

初回:2003. 4.20

 パソコン用ソフトウェアの会社として,「(有)テグレット技術開発」と言うのが昔からあり(2003年現在,社員6名の会社のようです),非常にユニークな名前のアプリケーションを販売していました。すなわち,MS-DOS時代には,

 (1)知子の情報(テキスト形式の不定形型データベースソフト)
 (2)直子の代筆(手紙文作成ソフト)
 (3)章子の書斎(テキストエデッタ)
 (4)光の辞典(国語・英和・和英辞典)

を販売のほか,以下をフリーソフトとして,パソコン通信等で配布していました。

 (5)弁慶の泣き所(ファイル管理)
 (6)貴方は秘書(スケジュール管理)
 (7)亜土の住所録(住所管理)
 (8)道子の会話(パソコン通信)

 これらのソフトは「雅美の献立」と言うソフト上で,現在のWindows上と同様に,同時に開いて使用することができました。また,MS-DOS時代には,各社のパソコン毎に専用のMS-DOSがあり,かつ,それに使用するアプリケーションも各社の専用のものを買わねばならなかったのですが(すなわち,例えば,東芝:DynaBook用,NEC:PC9800用,IBM:PC DOS/V用 等になっていました),同社のものは1つのパッケージにこれらのパソコン用のものが入っていました。すなわち,「雅美の献立」だけが各社用の専用ソフトで,この上に上記の(1)〜(8)のソフトを動かせるようになっており,(1)〜(8)は汎用のものになっていました。いわば,「雅美の献立」は一種のOSみたいなものでした。

 (1)〜(8)を見ればわかりますが,これらのソフトの名称は人の名前を使用していると言う極めてユニークなもので,これを観ただけでも普通の会社とは異なっているなあと思ってしまいます。なお,人の名前ですが,パッと見ると全部が女性名ではないかと思いますが,そうではなくて,「雅美」と「光」は男性名だそうです。

 また,同社は「テグネット」というパソコン通信も運用しており,同社のソフト購入者が希望すれば,IDが発行され,会議室に書き込みすることができました。勿論,同社のフリーソフトや個人が作成したフリーソフトもここから入手することができました。そして,Windows95時代あたりにパソコン通信はなくなり,その代わりにインターネット上のホームページが開設されました。

 その後,Windows95時代になり,同社のソフトもその一部が対応したものになりました。すなわち,以下の3つがWindows95及びその後のWindows98,Windows2000等に対応してゆきました。

 (11)知子の情報
 (12)直子の代筆
 (14)光の辞典

 一方,上記の従来のもののバージョンアップ品以外に,以下の新たなアプリケーションが開発・発売されました。

(21)EsabaTAD(バイナリー形式の不定形データベース)
(22)カタナからの手紙(E-Mailデータベースソフト)
(23)dbSheet(表計算データベース)
(24)dbWord XL(Word Excel お助けツール)
(25)かなり安全(バックアップユーティリティ)
(26)HJBase(画像データベース)
(27)新聞スキャナ取り(画像取り込みデータベース)

 しかしながら,その名称に関しては従来とは全く異なり,人の名前を付けなくなり,(21)がDatabaseの逆書き,(22)及び(25)の名称が面白い以外は以前ほどユニークではなくなりました。

 Windows95以降はアプリケーションのファイルサイズがドンドン大きくなりましたので,従来のようにフロッピーディスクでの配布は無理になったことから,CD-Rでの販売となりました。しかしながら,(有)テグレット技術開発のソフトはファイルサイズがそれほど大きくないので,CD-ROMの大部分が余ってしまい,残った部分をCDとして使う事が行われました。

 すなわち,最初は「直子の代筆 Ver.7」の「トラック2〜4」に音声を,すなわち,トラック2にはインスタント・ラーメンにお湯を入れる様子を,トラック3には眠る為に体をリラックスさせる指示を,そして,トラック4には「羊が1匹,・・」と1000匹まで数えるのが入っていました。

 そして,その後は,同社の社長が後援していた演奏家あるいは同社の関係者なのでしょうか,ともかく,以下のごとく,日本人演奏家によるクラシック音楽の録音が加えられました。なお,これらはCD-ROMのトラック2以降に入っており,ソフトはトラック1に入っており,CDプレヤーで再生する際は,まず,最初はトラック1から始まるので,この部分をスキップする必要があります,これに関しては不便で,「あれ,音が出ない」とつい思ってしまいます。

 しかしながら,1999年発売の「EsabaTAD 2」においては,アプリケーションだけとなりましたので,おそらく,この3枚だけで,クラシック音楽が入れられるのは終わったと思われます。なお,これらの録音に関する解説は一切無いために,演奏者に関しては全くわかりません(インターネットのホームページを検索してみたところ,バイオリニストとして「吉田美晴」がありました。おそらく,同一人物と思われますので,普段はバイオリニストとして活動しているが,このCD-ROMへの録音の際はビオラをひいたのではと思います。また,この他に「ストリング・オーケストラ 響」に関してもコンサート情報等があり,どうやら,常設ではなく,必要な時に編成すると言う臨時編成的な弦楽アンサンブルではないかと推測しました)。

 さて,録音状態ですが,3枚共,「甲高い音」です。すなわち,低域があまり入っておらず,腰が高い感じですし,高域がきつく,また,歪みっぽく聞こえます。これって,もしかして,テープ等への時はともかく,音楽専用の機械を使わずに,アマチュアがパソコン等で編集したものかもしれません。と言うか,おそらく,音楽をCD化する場合は,色々とノウハウがあり,単純にCD-ROMに付録として入れても,クラシック音楽が好きな人には気にいらない音でしか入らないと言う事なのではと思っています。また,演奏自体は録音状態のこともあるでしょうが,わざわざ聴く必要があるものとは思えませんでした。

 と言うことで,これらの録音はアプリケーションCD-ROMの余白を使うという極めて珍しいものと言う価値しかないものだと思いますが,それでも,クラシック音楽ファンの方で,これらの録音を持っている人はほとんどいないと推測されること,また,これらの録音は音楽用CD等で今後世の中に出ることは無いと推測できることから,極めて貴重なものだと思います。

 なお,「EsabaTAD」に関しては,バージョンアップによりこのCDが不要に後は,ダーツとして使用してくださいとのことで,このような模様になっていると解説書に書かれていました(ここらへんは,やはりユニークな会社ですね)。



<CD-ROM>

CD-ROM表面 内         容
Title:直子の代筆 Ver.7(手紙作成ソフト)
発売年:1997年

収録音声:
トラック2:インスタント・ラーメンにお湯を入れる様子
トラック3:眠る為に体をリラックスさせる指示
トラック4:「羊が1匹,・・」と1000匹まで数えるのもの
Title: EsabaTAD(バイナリー形式の不定形型データベース)
発売年:1997年

収録曲(トラック2〜4)
モーツアルト: バイオリンとビオラのための二重奏曲第2番
竹内潮生(vn),吉田美晴(va)
(1996.12.10 カザルスホール,拍手無し)
Title: 光の辞典 Ver.3(国語・英和・和英辞典)
発売年:1997年発売

収録曲:(トラック2〜5)
メンデルスゾーン: 弦楽八重奏曲 変ホ長調 作品20
竹内潮生・西野ゆか・中原恭子・田中園子(vn)
吉田美晴・阪本奈津子(va)
西谷牧人・弘田徹(vc)
Title: 知子の情報 Ver.8(テキスト形式の不定形型データベース)
発売年:1998年

収録曲:(トラック2〜5)
チャイコフスキー:弦楽のためのセレナード ハ短調 Op.48
ストリング・オーケストラ 響
(1998. 2.25 津田ホール,拍手入りの実況録音)
(注:紙飛行機のAVIビデオファイルも有り)


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