私が彼女のことを知ったのは，昔，正月元旦のNHK-TVにて「オペレッタ・フェスティバル」というドイツかオーストリアで作られた番組が放映された時で，この時も彼女はヴァランシェーヌのカンカン踊りを熱演し，何回ものアンコールに答えていました（それにしても，あれだけ激しい運動をしながら，よく歌えるものだと感心します）。
また，彼女の公演は１回だけですが，池袋の東京芸術劇場大ホールで行われたのに行ったことがあります。この時はその前年と同様に，この公演を主催か後援をしていたカメラータ社がカメラータ社の会員になっている者に無料招待を行ってくれたので行ったのですが，座席は舞台真横の上で，彼女の姿は間近に観ることはできるのですが（といっても，後斜めからだったのですが），音が最悪で，彼女の声と客席に反射して戻ってくる音が合成されて聞こえるという状態で，音の方はほとんど楽しむことはできませんでした。しかしながら，彼女が舞台脇から出てくる時は彼女を正面から見ることができました。そして，最後の方で何か厳しい顔をしているなあと思ったら，何と歌いながら宙返りを行ったので（勿論，大喝采を浴びました），ああ，このために緊張していたのだなあと思いました（なお，その前年は，横須賀のホールで行われたイザブラ・ラブーダの公演に無料招待されましたが，こちらも楽しいものでした。こちらの方は中央後方の席で，見やすくまた音も満足できるものでした）。
彼女は日本以外ではレコードを販売しても売れないと思われているのか，CDはアカンタ社ともう１社のものしか出ていないようで，後は全て日本の会社から発売されています。すなわち，日本コロンビア社が１種，残りの全てはカメラータ社からです。
昔，日本人で喜歌劇を歌っているソプラノ歌手のコンサートにて喜歌劇を歌う時の苦労話を聞いたことがありますが，踊りはワルツやポルカは勿論，慣れないジャス風のリズムのものも覚えなければならないそうですし，その上，歌いながら踊らねばならないので「汗びっしょになって踊るのですよ，汚い話なんですが」ということでした。ともかく，息切れ切れの状態でお客ににっこりしなければならないのだそうです。ということで，メラニー・ホリデーなんて，あの激しいカンカン踊りを踊っても歌っていられるのですから，大したものだと思います。
それにしても，彼女のCDは沢山出ていますが，映像は DVDが１枚だけです。上記のウィーン・フォルクスオーパーの日本公演等はNHK-TVで放映されたので録画が残っている筈ですし，また，オーストリアの放送局でも色々録画していたでしょうから，そういうものをDVD化あるいはVHS化して欲しいものです。歌劇や喜歌劇は音だけでなく，舞台を見ることにより，楽しむものなのですから。
＜2004. 2. 1追記＞
2003年末にメラニー・ホリデーに関する伝記的な感じの本が出ました。写真もかなりあるのですが，問題は文字が大きいために170ページもあるにもかかわらず内容が乏しいことです。もっと，文字を小さくしてまた行間を詰めて，本を薄くして安くして欲しかったと言うのが読んだ感想とは，ちょっと悲しい感じがします。と言っても，本屋さんで見て，あまりの内容の無さに一度は買うのをやめたのを，やはり資料として読んでおかねばと思って買ったのですから，仕方がないかもしれませんが。
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