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小西六写真工業:「Konica I」 から「Konica IIIM」

最終改訂:2006. 3.26(前回:2002. 1.27)

 私が最初に使ったカメラは小西六写真工業株式会社の「コニカオートS」というレンズ交換ができない35mmフィルム使用のレンズシャッター式のものでした。レンズの焦点距離は47mmでしたし,一眼レフカメラやライカカメラ等とは異なりレンズ交換が出来ないために,遠くの物を大きく写したり,あるいは大きな範囲を撮ることはできないカメラでしたが,露出はAE,「パララックス自動補正(ファインダー内の写る範囲を示す白い枠が,撮影距離によって変化する機構)+二重像合致式の距離計」付の明るいファインダー,そして,写した写真の色は綺麗でピントバッチシというわけで,この時からコニカのカメラには特別な思いを抱いていました。
 しかしながら,このカメラは二度に渡ってシャッターが押せなくなるという故障に見回れ,一度目は修理に出しましたが,二度目は修理を諦めました,そして,その後,随分たってからリコーの一眼レフを購入しましたが,その後はずうっと、この手のレンズシャッター式カメラからは離れていました。

 随分たってから,一時期,「ライカのカメラが欲しい病」にかかり,レンジファインダー式の「ライカ IIIf」がものすごく欲しくなったのですが,中古品なのにボディだけで7〜10万円もする上,レンズもライカのものを買うと更に5万円以上必要で,かつまた,中古品ではいつ壊れても不思議ではないですし,ボデイも新品同様なものはとてつもなく高いとのことで,結局,購入しませんでした。そして,その代わりに,近所の中古カメラ店にて,「コニカオートS」よりかなり前に発売された「Konica IIB」という沈胴式レンズの35mmカメラを購入しました。

 これは,ファインダー内には二重像合致式の距離計がついているのでピントはきちんと合わせることができますが,残念ながら,写る範囲が示される白枠がないために見えている範囲全てが写るように思えてしまいます。しかしながら,実際に写る範囲はその中央部のみで,一眼レフを使い慣れている者には一体どこまでの範囲が写るのか結構不安があります(Konica IIIAから,写る範囲が白枠で示され,その範囲も距離計と連動させて動くようになっています)。
 また,レンズは沈胴式で,写す際には専用レバーを回転させて,レンズを前に出す必要があり,これが結構,面倒です。シャッターは巻き上げ時にチャージされるセルフコッキング式ではなく,これまた,専用レバーを回転させてチャージさせる必要があります。その上,巻き上げや巻き戻しはノブ式で,これまた,結構面倒です。勿論,EEは付いておりません。
 そして,一番,ショックだったのが,できた写真を見た時で,実にフレアが多いのです。その上,色もあまりよくありませんでしたし。フレアはレンズが汚れているせいかもしれませんが,色がよくないのは,元々,レンズが白黒フィルム用に設計されたためかもしれません。
 なお,フィルムの入れ方は今のカメラと異なり,底面のクランクを回すと,カメラが前部分と後部分の2つに分かれるもので,やはり,裏蓋が単純に横に開く現在のカメラの形式に慣れてしまっているとかなり違和感があります。ということで,「Konica IIB」が発売されて大分たってから発売された「コニカオートS」は,これから随分進歩したカメラということがわかりました。

 ということで,コニカのカメラを含めて,現在はこの手のカメラのボディは金属製ではなくプラスチック製になってしまいましたが,ライカを含めて金属製のカメラは独特な味わいがあると思います。以下に,konica IIBを含めた「konicaシリーズ」のカメラを示します。

 なお,本件の参考資料としては,以下の(1)(2)の本が上げられます。これらは,国会図書館にあり,私もそれを読んでようやっと発売時期や性能等に関し,正しいと思われる情報を得ることができました。
(1)コニカグループ編「コニカ3型の使い方」(アミコ出版社,1957)
(2)コニカグループ編「コニカ3Mの使い方」(アミコ出版社,1959)


<2006. 3.25追加>

「Konica IIIM」に関しては,当初は写真が見つからなかったためイラストを載せていたのですが,「きょー」氏より写真をいただいたことから,差し替えました。きょーさん,どうも有り難うございました。



<「Konica Standard」 から「 Konica IIIM」>

Konica Standard(1947年 8月発売) Konica I(1948年 3月発売)
レンズ: Hexer 50mm F3.5(沈胴式)
シャッター: B,1〜1/500(コニラビッド)
絞 り: 3.5 〜 22
重 量: 580g
価 格:
備 考: 連動式距離計付。巻き上げノブにてフィルムを巻いた後,レンズ側面上部のレバーを押し下げてシャッターをチャージする必要がある。
レンズ: Hexer 50mm F3.5(沈胴式)
シャッター: B,1〜1/500(コニラビッドS)
絞 り: 3.5 〜 22
重 量: 580g
価 格: 19,700円
備 考: シャッターはシンクロ式になった。
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Konica Is(1950年 4月発売) -
-
レンズ: Hexanon 50mm F2.8,45mm F3.5(沈胴式)
シャッター: B,1〜1/500(コニラビッドS)
絞 り: 2.8 〜 22
重 量: 620g
価 格: 25,300円(50mmF2.8)
備 考: 連動式距離計のハーフミラーが黄色となった。
 「Konica I」は1947年,占領軍・米国輸出用に製造され(当然,製造国は「日本」では無く,「占領中の日本」です),1948年より,国内販売になりました。
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Konica II(1951年10月発売) Konica IIA(1955年 8月発売)
レンズ: Hexanon 50mm F2.8
シャッター: T,B,1〜1/500(コニラビッドS)
絞 り: 2.8 〜 22
重 量:
価 格:
備 考: レンズの構造的沈胴式を止め,ダブルヘリコイド式になり,撮影時に∞位置にセットを行うようになったが,操作的には沈胴式と同じ。また,二重露出防止装置が付いた。
レンズ: Hexar 48mm F2(沈胴式)
シャッター: T,B,1〜1/500(コニラピッドS)
絞 り: 2 〜 22
重 量:
価 格:
備 考: シンクロプラグがドイツ式になった。
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Konica IIB(1955年 5月発売) Konica IIBm(1956年 8月発売)
レンズ: Hexar 50mm F2.8,45mm F3.5(沈胴式)
シャッター: B,1〜1/500(コニラピッドS)
絞 り: 2.8 〜 22
重 量: 680g
価 格: 28,620円(50mmF2.8)
備 考: この型は全面にあったT,Iのダイヤルが無くなり、Bのマークが入った。
レンズ: Hexar 45mm F3.5(沈胴式)
シャッター: B,1〜1/500(コニラピッドS)
絞 り: 3.5 〜 22
重 量:
価 格:
備 考:
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Konica III(1956年 6月発売) Konica III L1(1957年 4月発売)
レンズ: Hexanon 48mm F2
シャッター: B,1〜1/500(コニラピッドMFX)
絞 り: 2〜 22
重 量: 740g
価 格: 33,600円
備 考: シャッターはセルフコッキング,二重露出防止付。ファインダーにアルバダ式ブライトフレームを採用。フィルム巻き上げはレンズ横のレバーで2回巻き上げ。フィルムカウンターは自動復元式。シャッター速度目盛り,絞り目盛り,距離目盛,被写界深度目盛が鏡胴上部に刻まれているので,カメラ上部から一目で見ることができる。
レンズ: Hexanon 48mm F2
シャッター: B,1〜1/500(セイコーシャMXL)
絞 り: 2〜 22
重 量:
価 格:
備 考: シャッターがライトバリュー式(EV値の一種)。絞り目盛,ライトバリュー目盛が鏡胴の前面下方に刻まれている。
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Konica III L2(1957年12月発売) Konica IIIA(1958年4月発売)
レンズ: Hexanon 48mm F2,48mmF2.4
シャッター: B,1〜1/500(セイコーシャMXL)
絞 り: 2〜 22 又は 2.4〜22
重 量:
価 格:
備 考: 48mmF2.4は1958.5発売。
 シャッター速度目盛り,絞り目盛り,ライトバリュー目盛,距離目盛,被写界深度目盛が鏡胴上部に刻まれているので,カメラ上部から一目で見ることができる。ファインダー内にパララックス補正マーク有。
 露出計は後に発売されたもの。
レンズ: Hexanon 48mm F2,50mm F1.8
シャッター: B,1〜1/500(セイコーシャMXL)
絞 り: 2 〜 22 又は 1.8〜22
重 量: 800g(F2)
価 格: 34,700円(48mmF2)
備 考: 50mmF1.8は1958. 5発売。
 ファインダーはパララックス自動補正式。プリズムブロック使用の等倍ファインダーで,視野はきわめてクリアーで、採光式のブライトフレームはパララックスと共に画角の修正をしたので,生きているファインダーと絶賛された。
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Konica IIIM(1959年3月発売) -
レンズ: Hexanon 50mm F1.8
シャッター: B,1〜1/500(セイコーシャSLV)
絞 り: 1.8 〜 22
重 量:
価 格:
備 考: 本体と蝶番でつながっているセレン光電池式の連動露出計が付いた。皮ケースに入れる時は,前に倒すとファインダー等の前に来るので,ファインファー等の保護にもなる。また,付属アダプターをフィルムとレンズの間に付けることにより,ハーフ判カメラとしても使えた(ファインダー内に,ハーフサイズ用フレーム有)。
 シャッター速度が現行カメラと同様の完全な倍数系列となり(これ以前は,1,2,5,10,25,50,100,250,500)等間隔目盛となった。フラッシュ接続プラグが鏡胴から,現行カメラと同様にボディ正面とアクセサリーシュー部に付いた。セルフタイマーはシャッターに内蔵された。
「Konica IIIM」のイラストです


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