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「レンジファインダー式カメラ」又は「レンジファインダーカメラ」とは,「レンズ交換が可能で,かつ距離計が付いているカメラ」と定義できると思っています。そして,これと見た目がよく似ているものに「レンズシャッター式カメラ」がありますが,こちらは「レンズ交換はできないが,距離計が付いているカメラ」と定義できると思っています(より正確な定義だと,「距離計が付いていてかつレンズ交換ができるカメラ」と「距離計が付いているがレンズ交換ができないカメラ」と言うことだと思います)。両者の内,どちらが値段が高いと言えば,勿論,前者で,前者は「金持ち・プロ用カメラ」,後者は,「一般大衆用カメラ」とも言えると思います。勿論,この分類は今では全くと言っていいほど意味は無くなっており,前者でも,一般大衆が十分に購入出来る価格に下がっています。また,後者は現在は絶滅状態であり,その代わりにAF式コンパクトカメラやコンパクト・デジタルカメラが販売されています。
さて,このレンジファインダー式カメラで最も有名なのが,「ライカM3」を頂点とする「M型ライカ」や「バルナック型ライカ」のシリーズで,これらに関しては,現在でも宗教的・オタク的人気が持続しています。また,Lマウントレンズが使用できるレンジファインダー式カメラは,国内では1970年頃まで多数のカメラ会社から種々のカメラが発売されましたが,「キヤノン:Canon
7S」を最後に新発売は無くなりました。しかしながら,先祖帰り的に,1990年以降にLマウントやMマウントレンズを使えるレンジファインダー式カメラ,すなわち,「コニカ:Hexar
RF」,「コシナ:Bessa-L」・「Bessa R」・「Bessa T」・「Bessa R2」,「安原製作所:安原一式」,「富士写真フィルム:TX-1」が発売されました。なお,Lマウントレンズ・Mマウントレンズ用以外のレンジファインダー式カメラも,コシナやキョウセラから発売されました。これらのレンジファインダー式カメラが急に発売された理由としては,以下が考えられます。
(1)1980年代後半からバブル経済が始まり,一般大衆の懐が以前より格段に豊かになったこと。
(2)ライカのステータスが上昇すると共に,その人気が高まって来たこと。
(3)カメラのAF化等の自動化が進み,また,プラスチックボディ化により,カメラを持つ喜びが希薄になると共に,撮影していても面白く感じなくなったこと。
これらを解消するのが,金属製ボディで,かつ,ステータスがあるライカのカメラであったわけですが,同時に,高価なので外で使えないとか,使い勝手が悪いとかの弊害も出て来た訳です。これを解決したのが,1990年以降のレンジファインダー式カメラです。例えば,コニカのは金属製ボディ・AE・自動巻き上げで,コシナのは驚異的な安さで,安原製作所のは金属ボディと安さで,キョウセラのは金属製ボディ・AE・AF・自動巻き上げでライカのカメラにない長所を打ち出した上に,ライカの新品カメラよりかなりの低価格でした。これらはいずれも好評だったようで,特に,コシナは現在,前述の4種類を併売しております。
一方,レンズ交換できないレンズシャッター式カメラは1990年以降に高価格路線に走り,1990年に「京セラ」が「CONTAX
T2」を,1992年に「コニカ」が「HEXAR」を,1993年に「日本光学」が「NIkon 35Ti」と新発売し,その後,ミノルタ,リコーと続き,2001年に「富士写真フィルム」が「KLASSE」を「高級コンパクトカメラ」と称して発売されました。
なお,私が持っている「コシナ:Bessa-L」はLマウントレンズを取り付けることはできますが,距離計は付いていないので,正確に言えば「レンジファインダー式カメラ」とは言えないものですが,ライカのシリーズでも距離計が付いていないものがあることから,一応,レンジファインダー式カメラに分類する人が多いと思います。ただし,「コシナ:Bessa-L」の外装は金属ではなくプラスティックですので,「レンジファインダー式カメラの外装は金属」との定義から外れています。
<コシナ:COLOR SKOPAR 35mm F2.5P>
左: ファインダー:「エピオンRVX」(マサイマラ) の外付ファインダー カメラ : Bessa L レンズ : Voigtlander COLOR-SKOPAR 35mmF2.5P 左下・下 Voightlander COLOR SKOPAR 35mmF2.5 | |
2001年 8月 4日(土) コシナ:COLOR SKOPAR 35mm F2.5P 2001. 8. 4(土),渋谷のドイカメラにて,コシナのLマウントレンズ「COLOR SKOPAR 35mm F2.5 Pancake Type」 を購入しました。価格は消費税込で23,625円です。勿論,コシナの「Bessa L」で使用するためです。 私が「Bessa L」用に持っているレンズは,ロシア製の「Industar50-2 50mmF3.5」とケンコーの針穴レンズだけなので,以前より35mmレンズが欲しくて探していました。しかしながら,ロシア製の35mmレンズは2万円弱もしますし,キャノン等の古いレンズは3万円位もするというわけで,コシナの35mmレンズの中古品が2万円弱であったら買おうと思って探していたのですが,2万円台のものは1回だけ観たことがあったのですが,その時は買わなかったので,その後は新品しか観たことはありませんでした。このため,M42マウントレンズをLマウントカメラに付けるマウントアアプターを購入し(標準価格:7,500円),ロシアかペンタックス製の M42マウントの35mmレンズを購入することも考えたのですが,マウントアダプター代はともかく,ペンタックスの中古タクマーレンズでも1万円位するのですね。また,ロシア製レンズでは「MC MIR-1B 37mmF2.8」というのが渋谷のキング2にて4800円で販売しているのですが,この絞りはプリセット式で,絞りリングを動かした後に,更に別のリングを動かさねばならないというもので,同じプリセット式の「Jupiter 85mmF2.8」で懲りているので買う気になりませんでした。 ということで,ヨドバシカメラのポイントカード割引が通常の10%ではなく13%になった時に購入しようと思っていたのですが(ヨドバシカメラでの価格は26,800円程),本日,ドイカメラに行ったら,新品で22,500円とのことから買ってしまったというわけです。購入時,絞った時の絞りの形はチェックし,以前に購入した「コシナ:55mmF1.2」とは異なり問題無いことを確認しました(55mmレンズでは,絞った時に開口部が歪んだ楕円形となってしまいました。なお,物はケースからではなく,奥の棚から出してきたので,まだまだ,あると思います)。しかしながら,新品というのに中に入っている筈の保証書にハンコを押さずに,なぜか,店独自の物に6ケ月と書かれたものを渡され,アレと不思議に感じましたが,その時はあまり気にはしませんでした。 家に帰って,早速,「Bessa L」に取り付けましたが,勿論,問題無し。しかしながら,説明書を見るとアルファベットばかり,すなわち,これは日本向けではなく,いわゆる逆輸入品だったというわけです。ですから,保証書もコシナのものではなく,ドイカメラの独自なものだったという訳です。 PS.翌日,中野のフジヤカメラに行ったら,上記の中古品(程度はAB)が何と18,000円で置いてありました。ううん,新品とは言え,4500円の違いは結構大きいです。まあ,こういうことはよくあることと自分を慰めています。そ れにしても,「Bessa L」は秋葉原のマップカメラで中古品として確か16,000円 で買ったものですので,本体よりレンズの方が高いということになりますね。 |
<Yasuhara 50mmF2.8>
左: ファインダー:「エピオンRVX」(マサイマラ) の外付ファインダー カメラ : Bessa L レンズ : Yasuhara 50mmF2.8 左下・下 Yasuhara 50mmF2.8 | |
2003年 8月1日(金) Yasuhara 50mmF2.8 2003. 8. 1(金),有楽町の「日比谷スカラ座2」にてジュリン・ムーアの出演作「エデンより彼方へ」,次に,銀座の「銀座シネ・パトス」にてアンジェリーナ・ジョリーの出演作「ブロンドライフ」を観た後,銀座の「レモン社」にて, 「コシナ:Bessa L」で使用するためのLマウントレンズ「安原製作所:50mmF2.8」を購入しました。価格は消費税込みで22,176円でした。実は,これの販売価格は22,000円だったのですが,レモン社のポイントカードに入会すれば,即4%引,すなわち, 880円引きとのことで,勿論,それに入会しました。 これ,7/19(土)に有楽町の「シャント・シネ」で映画「永遠のマリア・カラス」を観た後,レモン社で売っているのを見つけ(と言っても,実はこれ,以前に同社のショウウィンドウにあるのを見たことがあったのですが),その時は,金属製の鏡胴の上,値段的には私でも十分に購入できるものでした。しかしながら,これは「ライカ:エルマー50mm」のようなピカピカの金属メッキではなく,つや消しメッキであることが気にいらなかったこと,また,確か,雑誌「写真工業」で,高い評価ではなかったことを思い出して,その時は買いませんでした。 また,私はLマウントの50mmレンズとしては,確か3500円程で購入したロシア製レンズ「Induster-50 50mmF3.5」を持っているのですが,その写りはともかくとして,アルミムクの外見がみすぼらしく,カメラに付けていると気分が貧しくなってしまう代物です。 このため,ロシアレンズよりは遥かに見掛けはいい安原レンズの購入について検討するため,それから1週間以上をかけて,インターネット上の情報を調べてみました。 その製造場所は,Lマウントカメラ「安原一式」と同様に中国製であることは知っていましたが,「安原一式」と同様に安原氏の完全なオリジナルとは言えず,おそらく,「安原一式」を製造した中国の「江西光学」(現,鳳凰光学)が製造しているレンズシャッター式カメラ「鳳凰205B」(これが「安原一式」の元になったものと思います)に付いているレンズを取り外し,その鏡胴部分をプラスチック製から金属製とし,Lマウントを付けた形のものと推測されました(いずれのレンズも以下の通りのデータ。焦点距離:50mm,明るさ:F2.8,レンズ構成:3群4枚,コーテイング処理:有り,最短撮影距離:80cm)。すなわち,「安原一式」にこのレンズを付ければ,内容的には「鳳凰205B」に相当するものになるわけですね。 また,写り等の批評としては「写真工業」2001.9号に4ページ程載っているそうで,その内容は「ロシア製より安心できるお手軽価格レンズ」と言うことのようです。また,インターネット上で見つけた個人による唯一の批評は「写りは価格を考えれば十分」と言うことのようです。そして,安原製作所のホームページには「Lマウント標準レンズです。50mmF2.8と言う標準的な仕様で,多くのLマウントカメラで使用できます。鏡胴の材質は全て金属で,かなり重量感があるレンズです。レンズはマルチコートが施されています。レンズ構成は典型的なテッサータイプで,ある意味”昔風”の写りを示すレンズです。絞り羽根は6枚構成です」と記載されていました。以上より,このレンズは「突鋭な写り」と言うことはできなそうですが,それでも私の撮影では十分と判断しました。 と言うことで,映画サービスデーに,映画を観終わった後,レモン社に行くことにしたと言う訳です。店内に入り,まだ,ショーウィンドウにあることを確認してから,奥に行って,店員さんに 「安原のL50を」と声を掛けました。すると,店員さんは「新品のですね」と言って,奥からそれを取り出してきました。そして,中を確認しながら,「メンバーズカードをお持ちですか」と聞くので,「いいえ」と答えると,「会員になられますと,今回の分も4%引になりますが」と言うので,勿論,「願いします」と答えました。そして,差し出された申込書に住所・氏名等を記載しました。 それから,レンズに傷がないか確認したのですが,ガラスレンズ部があまりに小さいのには驚きました。これだけ見ると,ひどく貧弱で,オモチャカメラ用のレンズではないかと言う気分になります。おそらく,いつも見慣れている一眼レフ用のガラスレンズ部の直径の半分位ではないでしょうか。それにしても,これだけ小さくてもF3.5等ではなくて,F2.8なのですね。 なお,このレンズには安原製作所の保証書はついていないため,問題があったら1週間以内に持参して欲しい旨の話がありましたが,全体的には店員さんの丁寧な言葉使いには感心しました。 その後,上野まで歩いて,「ヨドバシカメラ」でマルミ製の35.5mmの「1Bフィルター」を消費税込みで1470円も出して購入し(1000円位と思っていたので,高すぎて涙が出ました。多分,数が出ない大きさなので,高いのでしょうね。こうなると,小さなレンズも考えものですね。せめて,42mm程度のフィルターを付けられれば,もっと安くて済むのですが),家に帰りました。 早速,再度,中を確認しましたが,さすがに安原製と思ったことは,フロントキャップもリアキャップも金属製であったことです。また,勿論,このレンズは私が持っている 「Bessa L」には問題なく付けることができました。 なお,このレンズの規格は以下の通りです。 焦点距離:50mm 開放F値:F2.8(F22まで半段毎にクリックあり) 最短撮影距離:80cm(距離計連動保証は1m) フィルター径:35.5mm 重量:240g 新発売:2001. 7 私の買ったものの製造番号は 700番台でした。また,インターネット上の安原製作所のホームページには,2001年受注分は22,000円だが,それ以降は24,000円になる旨の記載がありましたが,販売開始して2年はたっているのにまだ製造番号が 700番台と言うことは,生産ロットサイズが1000本で,まだ,その1000本が売れていないと言うことだと思います。やはり,価格は安いが,「中国製」の「安原」ブランドと言うステータスの無さにひっかかっている人が多いのでしょうね。 |
<Industar-50 50mmF3.5>
左: ファインダー:ケンコーのデジカメ用外付ファインダー カメラ : Bessa L レンズ : Industar 50mmF3.5 左下・下 Induster-50 50mmF3.5 | |
2000年10月14日(土) Industar-50 50mmF3.5 先日,秋葉原のマップカメラにて中古品で18,000円で購入した 「Bessa L」ですが,レンズで持っているのはケンコーのピンホール・レンズ(もっとも,これは単に直径 0.2mmの穴が空いているだけですので,レンズと言えないかもしれませんが)だけであり,このレンズの明るさはF250のために,これを使う場合はシャッター速度が1秒以上となるために三脚は必須です。このため,このレンズだけでは普通に撮影することはできないので,気軽に写すことができるレンズということで,安いロシア製レンズを購入することとしました。 ロシアレンズと言えば,新宿の「ダックビル」,渋谷の「King-2」,そして,秋葉原の「アブコ・ラボ」が有名ですが,2000.10.14(土)に川越七福神の撮影に行った後,西武新宿線にて新宿に出て,ダックビルに行ったら,ロシアに買い付けとかで休業でした。それで,仕方無しに今度は「カメラのキムラ」に行ったら,「Industar-50 50mmF3.5」(エルマーのコピーの言われている沈胴式の「Industar-22」の鏡胴を,沈胴式から普通のアルミ製の筒型にしたものです)が委託品ですが,3000円と4500円で置いてあったので,早速,そのショーケースにあったライカLマウント用レンズでもっとも安かった3000円のものを見せてもらいました。外装は綺麗ではありませんが,とりあえず,光学系は内部に多少ゴミは入っていますが,外側レンズには傷はありませんし,レンズ内部にもカビ無しで,見た目は問題無いようです。ただし,色がアルミニウムのままですので,私のBessa L の黒とバランスが悪いような感じがしましたが,まあ,3000円という値段が値段ですので,我慢することにしました(後に知りましたが,3000円と非常に安い理由は,ダックビルの経営者がキングに対抗するために,自分の店で売りたくないものを委託品として安く出していたものだそうです。ただし,このダックビルは現在は閉店してしまったようです)。 店員さんに「購入します」と言うと,3000円と非常に安いものなのにシリコンクロスを付けてくれた上,「使って写してみてください。何か,問題がありましたら,1週間以内ならば,返品できますから。」と言われました(これとは別な話ですが,中古カメラのバイヤーでしょうか,異人さんが,20台以上のカメラを購入したので,店員さん達が緩衝シートに1台づつ包んでドンドンとダンボール箱に入れていました)。なお,このレンズの製造番号はN59*****でしたので,1959年製造とソ連が軍拡と宇宙拡に米国と張りあっていた頃のものですね。 |
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