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富士写真フィルム:POCKET FUJICA シリーズ

初回:2004. 2. 1
 米国のコダック社は競争力を得て他社を蹴落とす為と,自分達のフィルムとカメラを売りることを目的として,種々の規格のフィルムを開発・販売して行きました。第二次世界大戦後においては,まず1964年に,カメラへのフィルム装填を簡単にすることを目的としたカートリッジ式の「126」フィルム(インスタマチック)を出しました。これの画面サイズは24mmの正方形だったと思いますが,カートリッジサイズが大きなことと正方形画面が嫌われたこと等から,米国ではともかく,日本国内では全く普及しませんでした。

 1975年,これもカートリッジ式ですが,現在最もよく使われている35mmフィルム(「135」フィルム)をほぼ4分割した大きさの画面サイズ(13×17mm)であるポケットフィルム「110」(ポケット・インスタマチック)を発売しました。これは日本でもかなり受け入れられ,普通のコンパクトカメラのほか,レンズ交換ができる一眼レフ「旭光学:Pentax auto 110」まで発売されました。

 そして,1982年,今度は今までのロール方式のものではなく,円盤状の「ディスク(DISC)」フィルムを発売しました。これは1枚の円盤の外周部分に計15枚回転しながら撮影すると言うもので,画面サイズは110フィルムよりも更に小さな「8.2×10.6mm」となりました。110フィルムでさえ,プリントにした時の画質が35mmフィルムより悪いことは普通の人が見てもわかる状態なのに,ディスクフィルムは更に画面が小さいのですから,画質は非常に劣ることにより,こちらは日本ではほとんど普及しなかったと思います。

 しかしながら,前述の各フィルムやカメラは日本ではともかく,米国ではそれなりに売れたようで,コダック社は最近では1996年に「APS」フィルムを発売しましたが,これは画面サイズが35mmフィルムよりやや小さいだけだったので,それなりの画質はあると言うことにより,一時期はコンパクトカメラに採用され,それなりに売れましたが,現在,それらを使う人達はデジタルカメラに流れてしまいました。このため,現時点においては,APSフィルムはいわゆる「使い切りカメラ」を中心に使われていると言っても過言ではない状態になっています。

 コダック社は資本主義に非常に忠実な会社で,使えるカメラはまだまだあると言うのに,フィルムの継続的販売と言うことは考えておらず,売れないフィルムはサッサと販売を中止し,別な規格のものを出すと言うことを行っています。このため,2004. 2. 1現在,「126」フィルム及び「ディスク」フィルムは当の昔に販売中止,「110」フィルムも大規模カメラ店でさえ,見かけないと言う状態です(なお,前述以外に,1964年にドイツのアグファ社が35mmフィルムと画面サイズが同じ「ラピットフィルム」と言うのを出しましたが,これも現在,販売されていません)。

 と言うことで,今や「110」フィルムはほとんど入手できない状態ですし,また,プリントしても画質的に35mmフィルムで写したものよりかなり劣る状態のものですが,それでもジャンク品は500円以下で入手できますので,コレクションとしては集めやすいものだと思います。

 さて,前述の如く,この「110」フィルムが発売された際,日本国内でも種々の「110」フィルム用カメラが発売されましたが,その形は一般的なカメラのものとは異なり,超小型カメラの代名詞と言うべき「ミノルックス」カメラを大きくしたような薄い直方体のもので,昔よりカメラを使っている者にとってはかなり違和感を覚えるものでした。しかしながら,1977年になり,富士写真フィルム株式会社より,普通のカメラを小さくしたような形のシリーズが発売され,翌年の1978年には,その最高級のものとして,プログラム式EE・オートストロボ付きの「POCKET FUJICA 550 AUTO」(ただし,距離計が付いたレンジファインダー式のものではなかったので,被写体までの距離は目測で合わせる必要がありました)が発売されました。

 私は,確か,発売された1978年にこのカメラをJR御徒町駅近くのディスカウント・ストア「多慶屋」にて購入しました。そして,2回程,使用しましたが,逆光気味だと,虹のような光が写り込んでしまうことと,画質がやはり35mmフィルムに比較して劣ること,また,小型とは言え,思ったよりは重たいこと,ボディが金属製ではなく,質感に欠けたプラスティック製で,持っている喜びが無いこと等によりその後は使用しなくなりました。このカメラ,現在で使用することができますが,ストロボ用コンデンサーの劣化のためか,ストロボは光らなくなっております。

 私の趣味の1つがコニカのレンズシャッター式金属製カメラのジャンク品を集めることですが,最近になって,このポケットフジカのシリージも集めたくなり,中古カメラ店等のジャンクカメラ・ワゴン等を見ております。そして,2003年になり,池袋の「ビックカメラ」にて「POCKET FUJICA 450 FLASH」を500円で入手,その後,2003.12. 6にJR上野駅近くの「アメ横カメラ」のジャンク市にて「POCKET FUJICA 250」を50円で入手しました。「POCKET FUJICA 350 FLASH」はJR上野駅近く不忍池の骨董市にて500円で見かけたのですが,その時は購入する気が起きず,未だに入手できていません。

 なお,インターネット上の情報によると,110フィ ルムは現在でも,ネガカラーフィルムの「富士写真フイルム:スーパーG100」(383円/12枚撮り,484円/24枚撮り) と「コダック:ゴールド400」(540 円/24枚撮り)が発売されているそうですので,丹念に探せば入手できるのではと思いますが,前述のごとく,35mmフィルムより画質的にかなり劣りますので,わざわざ,これを使って撮影する気にはなりません。


<POCKET FUJICA 550 AUTO>

レンズ : フジノンワイド20mmF4(3群4枚)
シャッター: プログラム式EE(1/125-1/250)
シンクロ: X接点
ストロボ: オート・ストロボ内蔵
ファインダー: アルバタ式ブライトフレーム
焦点調節: 目測(ゾーンフォーカス付距離目盛)
露光調節: Cds使用のプログラムEE
フィルム送り: 背面部のノブでの巻き上げ
電 池 : 単三型電池2本(EE,ストロボ共用)
寸 法 : 116×57×36mm
重 量 : 190g
発 売 : 1978. 4
価 格 : 23,000円
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写さない場合は,向かって右下のレバーをレンズ側に動かすと,レンズの前はアルミ板は覆われ,レンズの保護になる。また,この状態だと,シャッターは押せない。

撮影時は,被写体までの距離は目測で合わせる。3mにしておくと,固定焦点(パンフォーカス)として,使用可能。

また,プログラム式AE方式なので,昼間の外では,シャッターを押せば適正露出で撮影可能。
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フラッシュの下のレバーをレンズと反対側に押すと,ストロボが上に上がり,ストロボへの充電が始まる。なお,このストロボは自動調光のオート・ストロボ。


<POCKET FUJICA 450 FLASH>

レンズ : フジノンワイド20mmF4(3群4枚)
シャッター: メカニカル(1/160)
ストロボ: ストロボ内蔵
ファインダー: アルバタ式ブライトフレーム
焦点調節: 目測(4点式ゾーンフォーカス付距離メモリ)
露光調節: なし(曇り・晴れ・快晴の3種で絞りを調節)
フィルム送り: 背面部のノブでの巻き上げ
電 池 : 単三型電池2本
寸 法 : 110×57×37mm
重 量 : 180g
発 売 : 1977. 3
価 格 : 19,800円


<POCKET FUJICA 350 FLASH>

レンズ : フジノンワイド20mmF5.6(3群4枚)
シャッター: メカニカル(1/100,1/400)
シンクロ: ストロボ内蔵
ファインダー: アルバタ式ブライトフレーム
焦点調節: 固定(距離調節無し)
露光調節: なし(絞り無し)
フィルム送り: 背面部のノブでの巻き上げ
電 池 : 単三型電池2本
寸 法 : 110×57×38mm
重 量 : 180g
発 売 : 1978. 3
価 格 : 11,500円

注1)シャッター速度「1/100」はストロボ使用時。ストロボ未使用時は「1/400」
注2)ストロボしたのレバーは動かすと,ストロボが上に上がる。


<POCKET FUJICA 250>

レンズ: フジノン25.6mmF9.5(3群3枚)
シャッター: メカニカル(1/80,1/320)
シンクロ: X接点 ホットシューつき
ファインダー: 透視式
焦点調節: 固定(距離調節無し)
露光調節: なし(絞り無し)
フィルム送り: 背面部のノブでの巻き上げ
寸 法 : 103×51.5×40mm
重 量 : 120g
発 売 : 1977. 5
価 格 : 9,500円

注)シャッター速度はファインダー下にあるレバーで「晴れ(1/320)」と「曇り(1/80)」の2種類を切り替える。


<おまけ: POCKET FUJICA FLASH AW>

レンズ: フジノン20mm
シャッター: メカニカル
シンクロ: ストロボ内蔵
ファインダー: アルバタ式ブライトフレーム
焦点調節: 固定(距離調節無し)
露光調節: なし(絞り無し)
フィルム送り: 自動巻き上げ
電 池 : 単三型電池2本
寸 法 : 107×58×37mm

注)右下のレバーをレンズ側に動かすと,レンズの前はアルミ板は覆われ,レンズの保護になる。また,ストロボしたのレバーは動かすと,ストロボが上に上る。


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