シューベルト,Franz Schubert,matsumo,matsumo2,matsumoto,matumoto
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フランツ・シューベルト(2)

初回:2000. 3. 4
 「未完成交響曲」といえば,シューベルトの専売特許みたいなものですが,未完成とされていてもよく演奏される曲にはこの他に,ブルックナー:交響曲第9番やマーラー:交響曲第10番があります。しかしながら,このロ短調交響曲が「未完成交響曲」の名の下に有名になった原因は,やはり映画「未完成交響楽」[ウィリ・フォレスト監督](1933年)の影響が大きいのではないかと思います。この映画の中の話は以下です。すなわち,19世紀のウィーンで小学校の音楽教師をしていた貧乏作曲家シューベルトは,呼ばれたサロンにて自作の未完の交響曲をピアノで演奏するが,ハンガリーのエステルハージー伯爵家の令嬢カロリーネの笑い声により,その演奏は中断してしまう。彼女はそれを後悔し,夏の間,シューベルトを姉妹の音楽教師として雇うように父親に頼む。シューベルトは娘のカロリーネにピアノを教えるのですが,2人は恋に落ちてしまう。しかしながら,一計を案じた伯爵により,二人は引き裂かれてしまう。カロリーネの結婚式に駆けつけたシューベルトは完成した交響曲をピアノで弾くのですが,第3楽章の途中の以前彼女が笑い声を上げた場所で ,カロリーネが叫び声を上げて気絶してしまうために弾くことができなる。そして,彼はその後のページを破り捨て,「わが恋の終わざるが如く,この曲もまた終わざるべし」と残りのページに書くというものです。
 この映画はヒットしたことより,1959年にリメイクされ(日本題:未完成交響楽),更に,1971年にも製作されました(日本題:シューベルト物語)。また,これとは別に,テノール歌手のタウバーがシューベルトに扮した「Bossom Time」[Paul L. Stein監督](1934年),晩年のシューベルトを主人公にした「夜曲/シューベルト 愛の鼓動」[フリッツ・レーナー監督](1988年)もあります。
 シューベルトは非常に多作の上,色々な種類の曲を作曲しました。すなわち,三大歌曲集と呼ばれている「美しき水車小屋の娘」,「冬の旅」,「白鳥の歌」以外に,交響曲第8「未完成」・9番「グレート」は有名ですし,室内楽では「弦楽四重奏曲第14番「死と乙女」・15番,ピアノ三重奏曲第1・2番,ピアノ五重奏曲「鱒」,ピアノソナタ第21番等,ともかく名曲と呼ばれている曲が目白押しです。勿論,当時の音楽の中心は歌劇でしたから,歌劇も多数作曲しましたが,こちらは残念ながらヒットせずに,演奏されなかったか,あるいはされても失敗に終わったようです。また,協奏曲は作曲していないようです。
 右の肖像画はカロリーネ・エステルハージー伯爵令嬢[アントン・ヘーニッシュ画]です。



<シューベルト及び関連の絵画>

田園で
[オットー・ノヴァーク画]
クレプセンハウスでの四重奏(左がシューベルト)
[オットー・ノヴァーク画]
歌手フォーグルの伴奏をするシューベルト
[モーリツ・フォン・シュヴィント画]
シューベルトの肖像画
(ヴィルヘルム・アウグスト・リーダー画)
ジプシーの音楽を聴くシューベルト
[ハインリヒ・メルテ版画]
テレーゼ・グローブの伴奏をするシ
ューベルト
[オットー・ノヴァーク画]
ピアノに向かうシューベルト
[作者不詳]
アツェンブルグのシューベ
ルトを囲む仲間達
(部分)
[レオポルト・クーペルヴ
ィーザー画]
シューベルトの肖像画
(ヴィルヘルム・アウグスト・リーダー画)
ピアノを弾くシューベルト


<映画の中のシューベルト>

未完成交響楽(1933年)
未完成交響楽(1959年)
Bloossom Time 夜 曲
シューベルト物語 未完成交響楽(1933年)


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