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坂東33観音巡礼(2)

記載:1998. 2. 8
第6番 飯上山 長谷寺[神奈川県 小田急線・本厚木駅より宮の瀬行バス・飯上観音前バス停・徒歩]

1997年11月 2(日)
 前日にひき続いて,坂東33観音札所巡礼を行い,丹沢にある「第6番飯上山長谷寺」及び座間にある「第8番妙法山星谷寺」に行ってきました。本日は風がやや冷たかったですが,やはり快晴でした(昨日の夕焼けは綺麗でした)。

 8:31小田急線新宿駅発箱根湯本行急行にて,9:26本厚木駅に着く。駅前のバス停に行くとハイキング姿の人達による長蛇の列で,最初に来たバスは先頭の方を乗せて発車してしまう。こりゃあ,臨時バスを出すのかと思っていると,宮の瀬行バスが来たので,それに乗りこむ。待っていた人全部を乗せて9:40発車する。勿論,私は座れない。

  10:04飯山観音前バス停着。私を含めた5,6名が下りる。どうやら,他の人達はもっと行って仏果山か経ケ岳に登のかと推測する。橋を渡って坂を進む。10:14質素な山門を通って急な石段を登ると, 10:19ユーモラスな仁王が2体両脇に置いてあるはげた山門を通り,更に石段を登る。

  10:22観音堂着。青銅拭きの豪壮だが,優しさがある立派な建物である。前には白い石の灯籠が30基程並び,また,線香の煙で無病息災を願うための大きな金属の器もあり,参拝者が煙を自分の身に振りかけている。ともかく,この建物は石段を上がって正面から見ると,白い石燈籠との効果もあるが,京都にあったら,人気スポットになることは間違いないと思うほどの美しく立派な建物である。しかしながら,それでも自動車で来たらしい参拝客が次から次にやってくる。このため,中々無人の状態での建物の写真が撮れないので,ジッとどくのを我慢する。

 撮影代代わりにお賽銭を入れていると,おばさんの「始終ご縁があるように,お賽銭は45円でいいのよ」という声が聞こえる。なるほどうまいことをいうものだと感心する

 10:50ここを発ち,観音堂の後のハイキングコースを登る。ここは今までとは異なり,よく整備している(土を流さないようにするためか,丸太で土止めをした階段がいやに多いです)が,一応山道となっている。ほぼ直線上に登り, 11:01白山頂上着。ここは思った程は見晴らしがよくなく,木越しに見えるだけである。ここより,右に2分程行くと白山神社着。小さな祠である。そして,その前には水がない白池がある。来た道を白山頂上まで戻り, 11:08ここを発ち,左側へ行く。尾根伝いの道を進み, 11:12展望台着。これは金属の梯子が付いた展望台で,登って東側を見ると街が,西側を見ると,山々が見える。

 11:16ここを発ち,杉林,ブナ林と通って 11:28むじな坂峠着。更に進み, 11:33物見峠着。ともかく,主として下りであり,道がよく整備されており(先程述べたように丸太が非常に多いが),その上,荷物も非常に軽いので,ドンドン進める。 11:54巡礼峠着。今までの2つの峠はちょっと高い場所といった感じで見晴らしはよかったが,ここは広いが峠というより鞍部といった感じで,やや薄暗い。赤い帽子をかぶった座像の石仏が1体置いてある。ここより,道は幾つかに分かれ,また,道標もちょっとわかりにくいが,「七沢」方面の道を歩き, 12:06自動車道路へ出る。

そして道標通りに進み,バス通りまで出るが,その後は七沢温泉へ行く道標しかないので,そのまま進まず,バス通りを伊勢原駅方面(南)に進む。 12:12七沢病院入口バス停着。バスの到着時間までまだあるのでそのまま進む。 12:32馬場総合リハビリセンター入口バス停着。 12:39ここより厚木バスセンター行バスに乗り, 13:01本厚木駅に戻る。



第7番 金目山 光明寺[神奈川県 小田急線・秦野駅より平塚行バス・金目駅バス停・徒歩]

1997年11月24日(月)
 第5番勝福寺に行った後,小田急線・足柄駅に戻る。 11:53発の新松田行普通列車に乗り, 12:05新松田駅着。 12:10発急行新宿行に乗り替え, 12:21秦野駅着。駅前のどのバス停で待てばよいのかわからなかったので探していると,ちょうど「平塚駅」との表示が出ているバスが来たので,走ってそのバスが停まった停車場まで行き,乗る。

 バスは 12:29発車し, 12:50金目駅バス停着。最初は数名乗っていたが,みんな途中で下りてしまい,残ったのは私一人であったが,それもこのバス停で下りてしまったので,可哀想に後は無人で走ることになるが,平塚駅に近くなればまた乗客も乗ると思う。また,持参した地図で見ると,1本道を平塚駅まで走るような感じであったが,「団地経由」とのことで,ちょっと思いつかないような大回りをして,やっと,元の道に戻ったので,地図を見ながらヒヤヒヤしていたのが安心する。その上,私は「次ぎは金目駅」とのテープを聞いてからブザーを押したのだが,運転手は「降りるのですか,すいません,少し過ぎてしまいました」と言ってバスを停める。20m程戻るとバス停となる。

 このバス停がなぜ「金目駅」と「駅」が付いているのかわからないが,ここより,川の方に歩き, 12:51「民家の中のお寺」という感じの光明寺に着く。敷地の狭いのと,敷地内には本堂,他しかなく,まともな庭や木もないのには,ガッカリである。これでは秦野駅から 300円もかけたというのに(往復で 600円!)何のために来たのかわからない程である。ともかく,入口には赤い大きな門はあるが,ひどく軽い感じであるし,狭い敷地の中のお堂は一応青銅拭きのかなり大きなものではあるが,庭が土でむき出しで殺風景なためか,ともかく軽く感じてしまう。これが,まだ,先程の長勝寺のように大きな銀杏の木でもあればかなり変わって見えたかもしれないが,これでは有り難みも感じないし,ともかく,気落ちする。このせいでもあるまいが,参詣人も時々来るといった程度で,人を入れないで撮影するのは楽である。

 13:10ここを出て,先程のバス停と反対側のバス停でしばらく待った後, 13:18発秦野駅行バスに乗り, 13:53秦野駅着。先程は地図を見ながらヒヤヒヤしていたのでろくすっぽ風景を見なかったが,今度は落ち着いて見る。川沿いの道から見える弘法山・権現山山麓の黄葉が緑と紅色の中で綺麗である。また,川では数名が釣りをしている。また,乗客数も先程とは異なり,途中で満席となり,立つ人まで出る。

14:07発新宿行急行列車に乗り,新宿駅15:23着。帰るには少し早いので,レコード店等に寄ることにする。



第8番 妙法山 星谷寺[神奈川県 小田急線・座間駅より徒歩]

1997年11月 2日(日)
 第6番長谷寺に行った後,小田急線本厚木駅 13:11発準急新宿行に乗り, 13:20座間駅着。ここより,線路沿いに新宿方面に歩き, 13:26星谷寺着。山門はなく,敷地内に青銅の仁王が2体あり,それが山門の代わりとなっている。本堂は大きいが,屋根(瓦ではなく青銅拭き)は正面から見ると大きな三角形に見えるちょっと変わった建物である。そして,てっぺんには更に小さな屋根が付いており(赤で卍という文字が書かれている),鎌倉の光則寺の本堂と同じ建て方である。しかしながら,境内には太い銀杏の木が3本あるが非常に殺風景であり,また,本堂も古色蒼然としていて,荒れた感じである。先程の長谷寺とは大きな違いである。それでも,やはり,坂東33観音の1つというためか,参拝者はポツリポツリと来る。13:45ここを発ち,来る時とは違った道を歩いて,13:54座間駅に着く。

  13:56新宿行普通列車に乗り(途中より,長い茶色の髪の毛を巻き,顔もケイト・ウィンスレット風な女の子が乗りました), 15:21新宿駅に着く。家に帰るのにはまだ早いので,レコード店と中古カメラに寄ってから帰る。



第9番 都幾山 慈光寺[埼玉県 JR八高線・明覚駅より徒歩]

1997年10月11日(土)
 坂東33観音巡礼第5回目として,奥武蔵の「第9番 都幾山慈光寺」に行ってきましたので,その時の様子です。

 8:00東武池袋駅発「小川町行」特急列車に乗り,9:01小川町駅着。ここで,JR八高線の9:22発「高麗川行」普通列車に乗り替える。こちらは,先程の東武とは異なり3両編成だが,1車両につき乗客が4,5名しか乗っていないという超ガラガラの状態である。このような状況だったら,東北地方の東北線みたくに1両のワンマン列車としてしまえばと思うのだが,反対側から来た列車はほぼ満員だったので,列車により混み方はかなり異なるようだ。9:30隣の明覚駅着く。列車からは時々コスモスの花がみえたり,遠くの山々が見えて,中々雰囲気がよかったが,この駅からも山々が近くに非常に見えてよい。

 本日は,この巡礼を始めて,初めての朝からの快晴であったが(第1回目は大谷寺は時々雨が降る状態だったし,まあ,この巡礼の目的がデシタルカメラで画像を残すということと,これらの寺を目で見たいということなので,天候についてはいつもと異なりそれほど気にしていないのですが),大分,雲が出て来た。

 さて,本日のカメラはコニカ「ビックミニ」とコダックのデジタルカメラ「DC20」である。実は昨日,母達を横浜に連れて行って,「三渓園」,「中華街」と「山下公園」を案内したのだが,その時の記念写真用にビックミニを持参したのだが,約1年振りに触ったために,裏蓋を開けてフィルムを入れた後,閉じればフィルムが自動的に巻き上がるものと感違い誤解し,いくらそうやっても巻き上がらないために,壊れてしまったものだと判断して,1枚も撮らずに帰ってきてしまったのだ(カメラのスイッチを押しても同様だったし)。しかしながら,家に帰って同様な操作を行い,偶然にシャッターボタンを押すと巻き上がり,壊れていないことが判明したのだが,今更,フィルムを巻き戻してもそのフィルムを捨てることになるし,といって,また,1年位は使わないと思うので,いつも使っているスライド用フィルムではなく,プリント用フィルムであるが,本日使うことにしたのだ。勿論,昨日は本日と同様にDC20も持参していたので,そちらで自分のために撮ることはできたのだが。

 駅前にコスモスが美しく咲いている。よく見掛けるピンクや赤色のほかに,橙色のものもある。勿論,早速,撮影する。コンビニがあったので昼食のおにぎりを購入し, 10:45ここを発ち,線路とは直角,すなわち,西に向かって進む。

 歩きながら被写体を探す。茅拭き屋根の家が2軒,コスモスの花が美しく咲いている場所が何ヶ所もある。また,田んぼでは刈りとった稲が乾燥させている。しかしながら,朝あれだけ晴れていた空は次第に曇ってきて,光が弱くなってくる。また,ここら辺は結構石仏がある。しかしながら,古い物が多いらしく,頭が欠けているものも多い。それでも,よだれ掛け等を着せて飾っている。やはり,今でも信仰されているのだと思う。

 駅よりしばらくは歩道のない2車線道路であったが,中学校あたりより歩道が出現し,それが,ほぼ西平バス停近くまで続く。この道路はなぜか,競輪選手みたいなかっこうで自転車を走らせている人が多い。少なくとも,10名以上を見る。もしかして,選手達の学校でもあるのであろうか。

  11:07西平バス停着。ここより 100m程進んだ所を右に曲がり,急坂を登る。 11:32慈光寺開山宝塔着。銅拭き屋根の四角い古い建物である。また,その側には新しい鐘突堂がある。石段を上り,やっと,「第9番 都幾山慈光寺」の本堂入口に着く。本堂は横に長い建物だが,入口は左側にあり,残りは縁側のついたガラス戸となっている。納経者もかなりいるようで,住職らしい人が彼らに色々と話しているのが聞こえる。私が休んでいると,杖をついた50,60歳の女性が色々と話し掛けてくる。

  11:55ここを発ち,本堂に向かって左に行く階段を上り,幾つかの建物を過ぎた後, 12:02観音堂着。これは古く大きくて,立派な建物である。上の方の彫刻も素晴らしい。この寺の中では,この建物が一番である。十分に撮影した後,ここで昼食とする。そばに無人販売店があり,ミカンや柿が1袋 300円,梅干1袋 500円である。私はちょっと高いのではないかと思ったが,若い男が買っている。

  12:23ここを発つ,ものすごく急な階段を30mほど下る。そして,道路に出て左に進む。 12:32霊山禅院着。長い建物が2つある寺で,建物自体はそれほどではないが,道路に面した庭が素晴らしい。また,寺内の庭も中々のものである。また,コスモスの花が咲いている所もある。その上,「一休さん」の石像まである。ベンチがあったので休む。ここより,道を更に進んで山道に入って碑原峠まで行き,そこを右に曲がって,以下,「切通」を通って小川町駅まで行く予定だ。

 12:45霊山禅院を発ち,そのまま進むとすぐに鎖で通行止めされているが,そのまま進む。ここは本当はまだ林道の筈であるが,草ボウボウで,わずかに細い山道が通っているだけである。 12:57林道終わりの札があり,左から登って来た山道にぶつかる。とりあえず,地図を広げるが,西の方へ行けばよい筈だから右へ行けばよいと,右の上り道を進む(後から考えると,これが敗因でした。本当は左の道をとるべきだったのです!!)。杉林の中のわかりにくい道で,木に書かれた赤や白のペンキだけが頼りである。それがないと,下にはかなり草や木があり,道を失ってしまう程である。しかしながら,それでも登り, 13:11「都幾山」書かれた札がある場所に到着。周囲は木だらけで全く展望がない場所である。一応,周辺では一番高そうな場所であるので,山頂なのであろうか(後で,地図を見ると,ここら辺を「都幾山」と書いてはいますが,山頂の印はありませんでした)。

 ここより,下りとなるが,どうも道がハッキリとしない。先程まではどうにかペンキで道が判断できたが,ここからはそれすらない。仕方がなく,何となく道らしき所を下る。一応,上まで行った筈だから,後は下りだけで,強引に進めば何とかなると思う。通れそうもない場所が多いので,獣道みたいな感じの所を,低木の枝に引っ掛かりながら強引に進む。しばらくして上りとなり,汚らしい平屋の小屋に着く。ああ,ここまでくれば,正規の道がどこかにあるだろうと思って周囲を探すが見あたらない。仕方がなく,更に強引に進むと,下りがあり,上りがあって, 14:02頂上に大きな岩がある場所に出る。

 ここまでくると,さすがに何かおかしいと感じる。地図を撮り出して,見てみる。「都幾山」が私の目的地である碑原峠と反対側であることを発見する。ああ,目的地と反対側に来てしまったのだ!! その上,こんなわけのわからない場所へ来てしまって,ニッチもサッチもいかなくなってしまった。こんな里に近い山で「遭難」か。そもそもこんな場所まで助けに来るわけがないし,水筒に入っている水もほとんどないし,勿論,食料もない。その上,秋なので,日が暮れるのは早いので,もう2時間程たてばかなり暗くなってしまうだろう。そうすれば,道を探すのはなおさら困難になる。

 とりあえず,今来た道を忠実にたどり,まずは先程の小屋に,そして,都幾山に,ともかく,そこまで戻れれば,後はペンキが付いている筈なので,元に戻れる筈である。今度は必死に前歩いた道(?)を探しながら歩き,ともかく,一度下りて上がれば良い筈だからと必死に歩いて,先程の小屋に着く。これで一安心する。次に「都幾山」だ。先程は確か小屋に向かって左側から来た筈だからと思って道を探すと見つかり,それにそって進む。一端下り,次に獣道みたいな感じの所を登ると,ようやっと, 14:25頂上らしい場所に着く。残念ながら,先程の札は見つからなかったが,赤ペンキの線があり,ああ,これでやっと元の所まで戻れるとホッとする。ここより,先程の道を忠実にたどるつもりであったが,終わりの方で道を失い,強引に道路に向かっており, 14:45先程の霊山禅院のすぐ脇に下りる。

 ともかく,遭難せずにすんでホッとする。少し休んで,予定通りに碑原峠経由で行くか,明覚駅経由で行くか考えるが,また,道がわからなくなるのは嫌なので峠経由は止めにするが,歩くのならば,明覚駅に行くより,小川町駅に行く方が交通費もかからないので,小川町駅まで歩くことにする。とりあえず,西平バス停までの先程登ってきた道路をドンドン下る。

  15:22西平バス停着。ここより,更に明覚駅方面に進み, 15:35橋の直前を左に曲がり,川沿いの自動車道路を進む。最初は歩道付きの2車線の道であったが,進むにつれて,歩道は無くなり,二車線は一車線となる。40分間程は上りばかりであったが,その後は下りとなる。採石場を通り(こんなところをよくダンプカーが通るなあと不思議に思っていたのですが),更に進み,橋を渡ってすぐに 16:40小川町から寄居に行く国道に出る。

 山が近い上に,先程より空を雲が覆い,また,秋で日が短いということもあり,もう,かなり薄暗く感じる。それにしても,先程は危なかった。あのまま進んでいればニッチもサッチもいかなくなって,もしかして,あの小屋に泊まる羽目になったかもしれないと思う。折角地図を持ってきているのに,自分のいる場所をきちんと確認しないという基本的なことを行わなかったのが原因である。やはり,こんなに里に近い山でも,やはり山なのである。街の道を歩くのとは異なるのだと反省する。

 ここより,右に曲がり,造り酒屋のレンガの煙突の前を通ってしばらく行った所を左に曲がって, 17:00ようやっと小川町駅着。それにしても疲れた。何やかやで,おそらく,本日の歩行距離は20km位はあるのではないかと思う。 17:15発池袋行急行列車に乗り, 18:28池袋駅に着く。



第10番 岩殿山 正法寺[埼玉県 東武東上線・高坂駅より徒歩]

1997年 9月20日(土)
 第11番安楽寺に行った後,東松山駅に戻る。 12:45発池袋行急行列車に乗り,高坂駅 12:49に着く。これより西に向かって大通りを歩く。この通りはこの近くには大学が幾つもあるせいか,歩道にはレンガが敷いてあり,高田という私の知らない彫刻家の青銅による像がほぼ50mおきに台座にのって飾られているので,それらを見ながら歩く。女性のヌード像が大部分で,残りは有名な男の顔の像であるが,似た感じの像が多いし,女性の顔もほとんど同じもので,私の趣味の顔ではない。その上,全体からいえば,私には少し甘過ぎる感じがする。それにしても,いたずらされずによくこれだけきちんと管理されていることに感心する。レンガ歩道は1km程続いたので,像は片側20個,両側で40個あまりあるのであろうか。その上,駅前には別の彫刻家の像もあるし,ともかく,市に金があるのか,彫刻家が寄付したのかわからないが,芸術に力を入れているようである。

 高速道路に掛けられた橋を渡り,大通りより右の道を入って50m程歩くと大きな池があり,中年男性が2名釣りをしている。寺で殺生するなんて,何を考えているのかと思う。 13:05常安寺の本堂着。ここはお寺というより,民家であり,それも,美しく優しい感じの日本家屋である。今まで一眼レフカメラはザックに入れたままで,DC20で撮影していただけであるが,その美しさ,優しさをフィルムに残しておかなければということで取り出し,何枚も構図や露出を変えて何枚も撮る。

  13:30ここを発ち,大通りに戻って更に進み,大東文化大学の前を過ぎると,やっと,第10番札所の入口の道標がある。大通りを離れて,右下の地下にあるトンネルを潜ってしばらく山道みたいな感じの所を歩いて, 13:52やっと,第10番札所「岩殿山正法寺」に正面からではなく,横道から到着する。山を切りとった崖下に建てられたといった感じの本堂は,その場所が薄暗くジメジメした感じのせいもあるのだろうが,本堂は古びて荒れた感じがする。寺域は結構広く,本堂の他に,鐘楼等もあるが,苔が少し生えているような色合いのせいか,いずれも,荒れた感じがし,先程の安楽寺の立派さと比較して激しい落差である。本堂の廊下部分にはおびんづる様か,茶色の石で作った人と同じ大きさの座った像がある。

 14:00ここを出発し,先程の自動車道路に戻らずに,寺の正面より出ることとし,急な階段を下り,大きな山門(門自体は古いのですが,仁王像等は新しく,また,雨風を防ぐためでしょうが,それらの像は何とガラスで覆われていました)をくぐり,民家のある通りを進んで行くと, 14:12赤い橋がかかった弁天沼に着く。この橋を見て,そういえば,以前もここを通ったことを思い出す。この周辺の畑には白いソバの花が咲いている。これより更に進むと,ようやっと先程通った大通りに出たので,今度は先程とは反対側のレンガ歩道を高田氏作の青銅の像を見ながらの1km程歩いて 14:51に高坂駅に着く。そして, 15:03発の池袋行急行にて15:55池袋駅に着く。

 今回は,目的ではなかった常安寺のあまりの美しさに感動しました。ここに行っただけでも本日の価値がありました。また,安楽時の本堂も立派な建物でした。



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