坂東33観音巡礼,matsumo,matsumo2,matsumoto,matumoto,水沢寺,満願寺,中禅寺,大谷寺,西明寺
English Japanese
前ページ Home(gozaru) 坂東・秩父・西国33観音巡礼目次 Home(coocan) 次ページ

坂東33観音巡礼(4)

最終改訂:1999. 7.11(初回:1998. 6. 7)

第16番 五徳山 水沢寺 [群馬県 JR高崎線・高崎駅より伊香保温泉行バス・水沢バス停下車・徒歩]

1998年10月3日(土)
 10/3(土),坂東33観音巡礼第16回目として,第16番五徳山水沢寺及び第15番白岩山長谷寺(チョウコクジ)へ行ってきました。その時の様子です。

 朝6:15に目がさめる。窓を開けて外を見ると,予報通りに天気は良さそうである。予定通りに出かけることにする。6:55家を出ると空は完全な青空である。一昨日までは秋雨前線のために雨の日ばかりであったが,昨日から回復し,本日は朝から湿度が低くさわやかな感じの快晴である。私の出かけにしては久しぶりの良い天気である。これなら,本日の写真も期待できると思う。

 駅にて高崎駅までのキップを買おうとするが,自動販売機では1620円までしか購入できないので,それを買う。確か,高崎までは1890円なので,270円の不足である。7:03発の山手線に乗り(立っている状態),7:11上野駅に着く。

 8番線ホームに移動し,入線している高崎行普通列車に乗る。例によってロングシート車である。乗客数は私を含めて25名程であるので,座席はかなり空いている。しかしながら,浦和駅にて高校生達が乗って来たのでほぼ座席が埋まり,大宮駅ではかなりの人が立っている状態となる。桶川駅にて,隣の女性が「吹上駅まで後どの位ですか」と聞いてくるので,HP-100LXに入っているTrainというアプリケーションを検索して,「後15分位ですよ」と教える。

 車掌が通りかかったので,「高崎まで」と言ってキップを渡す。「 270円です」とのことでお金を渡すと「どうも有り難うございます」といいながらポータブル発券機で作成したキップを代わりに渡される。先程は自動販売機にて購入しキップをしたので人による「有り難うございます」がないのは仕方がないが,たった270円払っただけで挨拶されるのは奇妙な感じであると思う。さて,私は久しぶりにこのような車掌より発行されたキップを見たのであるが,従来のものとは異なり,おそらく自動改札に対応させるためであろうが,普通のキップの大きさである。そして,表面には「区間変更券 領収額270円 山手線内→高崎 2日間有効 山手線内途中下車できません」と書かれている。そうか,高崎駅までは100kmを越えるので有効期間は2日間となるのかと納得する。

 籠原駅にて4分間停車し,ここ止まりの前4両を切り離す。先程より,遠くの山々がよく見える。9:06ようやっと高崎駅に着く。いつもの通りに昼食になるものを探すが,構内にはJRのコンビニは無いようなので諦めてパン屋があったのでそこで購入する。新幹線改札が西口方面にあったので,東口が古い入口で,バス停はそちらにあるだろうとのことで,東口改札より出る。バス停に行くと,そのすぐ前にコンビニがあったので,こりゃあ失敗したなと思うが,まあ,仕方が無いと諦める。水沢寺へ行くバスは伊香保温泉行バスに乗れば良いことはわかっているが,長谷寺へ行くバスについてはわかっていないので,バス区間の案内図を見て,どのバスに乗ればよいか探す。結局,本日乗る伊香保温泉行バスの途中のバス停の四ッ谷で下り,そこから歩けばよいとわかったので,まず,水沢寺へ行き,そして,戻って四ッ谷バス停から1時間程歩いて長谷寺に行き,更に歩いて,トドメキバス停より,榛名湖から来たバスで高崎駅まで戻ることにする。

 それにしても,まだ,店がまだ開いていないせいか,高崎駅前は裏寂れた感じである。伊香保温泉行バスは9:50に着き,定刻の9:55に発車する。乗客はたった6名である。これではどう考えても赤字で,本数が1日5本しかないのも十分に納得できると思う。乗客は時々,乗ったり下りたりするが,7名を越えることない。わけがわからなくなるほど多くの道を曲がるが,それでも次第に山が近くなってくる。道端には時々コスモスが咲いている。しかしながら,なぜか,ピンク色のものより橙色に輝いているものが多い。最近は在来種は駆逐されつつあるのだろうかと残念に思う。

 バスは坂道に入り上り続ける。耳に次第に高度が上がった時の症状が出て来る。しかしながら,周りの景色は今までの田園風景や森林風景から異なった怪しげなものに,すなわち,多数のホテル,博物館,そして食物店が表れてくる。思わず,ここは高崎あたりの人達の湯島かと思ってしまう。しかしながら,これらもようやっと終わり,10:54水沢バス停着。こちらは「水沢うどん」なるものの多数の飲食店があり,今度は一大食堂街になってしまっている。

 ここで下りたのは私を入れて3名で,乗客1人だけがバスに残る。ここより道路を更に100m程歩くと石段があり,そこが第16番五徳山水沢寺である(10:56)。ここをちょっと上ると,赤い朱塗りの大きな門があり,その中には像が4体安置してある。その後の急な石段を上ると,すぐに本堂である。しかしながら,駐車場が向かって右側にあるらしく,そこよりドンドンから人が来るので(この人達は勿論,山門は通らず,直接本堂に行きます),これではどう工夫してもいつものように人を抜かして撮影するのはとても無理だと諦め,人が入ったままで撮る。

 本堂は赤い瓦屋根の朱塗りの建物で,欄間には極彩色の彫刻が施してある立派なものであるが,何故か,重みがなく私の好みではない。右側のすぐそばの六角塔は残念ながら工事中でシートに覆われている。更にその右には9体の石仏があり,各々の前で線香が盛大に焚かれている。境内は「水沢」の名前の通りに湧き水が多く,柄杓を置いて飲めるようになっている。

 11:22とりあえず,先程購入したパンを食べる場所を探そうとのことで,裏山の水沢山への道を登る。あわよくば,頂上まで行き,ケーブルカー経由で伊香保温泉に出て,そこよりバスで渋川駅に行こうとも考えたが(当然,長谷寺は行けなくなりますが),10分程登ってみて,完全な山道で,それもかなり荒れた感じであることから,「こりゃあ,山に登るという気合が入っていなくてはダメだ」(特に靴は軽登山靴ではなく,普通の靴でしたので)と思い,さっさと諦める。とりあえず,食事ができそうな場所を探して,そこで次のバスまでの休みと昼食を兼ねて座る(さすがに専門店のもののためか,ふわふわした感じのおいしいパンでした)。

 12:10ここを発ち,元の道を戻り,本堂前に来ると,正午なのでやはり食事している人が多いのか,先程よりは人が少なくなっており,これならば,本堂前の木や灯篭等でうまく人を隠せそうなので,早速,人の動きに注意しながら,ファインダー上で人が見えない瞬間を狙って撮影する。残念ながら,正面からではないが,とりあえずは使えそうな写真が撮影できたので満足する。後はちゃんと写っていることを祈るばかりである。

 12:20ここを発ち,先程の石段を下って,道路に出,途中のうどん屋の前においてある大きな大黒様の写真を撮影して水沢バス停に戻る。ここより,高崎行バスに乗り,四谷バス停にて下り,そこより徒歩にて第15番白岩山長谷寺に行くことにする。



第17番 出流山 満願寺[栃木県 東武日光線・栃木駅より出流行バス・出流バス停下車・徒歩]

1998年5月16日(土)
 5/16(土),天気予報だと午前晴れ,午後曇りということで,まあ,我慢できる天気だということと,連休は1日しか旅行しなかったし,先週は天気が良くなかったので行きそこねたし,そろそろ,頑張って行かないと今年中には坂東33観音巡礼が終わらない可能性もあり,この調子だと,私のホームページもいつまでたってもとりあえずの完成に至らないとのことで,坂東33観音巡礼第13回目として,栃木県の第17番出流山(イズルサン)満願寺に行ってきました。

 昨日の天気予報だと,「晴れ,後曇り」ということで,また,天気は南の方より北の方が良さそうな感じだったので,栃木県の満願寺に行くことにし,カメラ等を小型ザックに入れてから寝る。

 朝,6:01に起き,朝食後,家を6:35に出る。太陽は出ているが空は真っ白な状態である。山手線に乗り,日暮里駅6:48着。常磐線ホームに行き,6:49発勝田行普通列車にて,北千住駅6:55着。勿論,列車はガラガラの状態である。東武線ホームに行き,ここで約20分間待ち,7:20発東武日光・会津田島行快速列車に乗る。ホームに並んでいる人はほんの僅かである。この調子だと座れるだろうと思っていたら,やはり,座れる。しかしながら,それでも席は僅かに空いている程度である。この列車は6両編成で,前2両は東武日光行,後4両は会津田島行とのことは,日光はやはり人気が無くなっているということであろうか。それとも,日光は普通の人は車で行くので,あまり車で行かない会津田島方面に力を入れているということであろうか。春日部駅にてドッと乗ってきてかなり立っている人がいる状態となる。春日部からの車窓は田園風景となっている。もう,ほとんどの田んぼは田植えを終わっており,苗が綺麗に並んでいる。車掌が車内精算のために回ってくる。8:25ようやっと栃木駅着。ここで私を含めた沢山の人が下りる。

 駅前のバス停に行って,時刻表を見ると,何と「出流」行のバスは3本しかなく,始発は10:15,次が13:00,そして最後が16:00である。約2時間の暇時間となってしまい,また,栃木市は蔵の街として知られているので,その観光巡りをすることとし,キップ売場の側にあった観光マップを見ながらとりあえず,線路と直角の広い道を歩き始める。

 しばらく行って右に曲がると,8:45定願寺着。青銅の瓦屋根風の豪壮な建物であるが,向かって左側に幼稚園があり園児の声が騒さい。数枚の写真を撮影後,更に進むと,木造の2階建てのかなり大きな洋館があり,何かと思って見ると,医院である。8:55満願寺着。何と鉄筋コンクリート造りの本堂である。ガッカリするが,前の花が綺麗である。更に進むと,噴水があり,緑が濃い公園をあり,その先の神明宮に9:01着。こちらはさすがに木造の建物であるが,撮影意欲はわかない。更に進み,9:05雲竜寺着。こちらは瓦屋根の豪壮な建物である。

 ここより大通りを渡り,例幣使街道に行く。岡田記念館,代官屋敷等があり,パンフレットの説明文を読むと「宿場町としての面影を残す。江戸時代の白壁や土蔵等,古めかしい建物がある」と書かれており,どうやらここが栃木市のハイライトらしいのだが汚らしく,また,田舎っぽすぎる感じで,全く冴えない場所である。私にとってはわざわざ来るような場所ではないと思う。もし,この一帯を観光で生かそうとするのならば,もっと,小綺麗にし,また,他の建物も同じような形態,あるいは蔵,江戸時代風の商店にする必要があると思う。倉敷の保存地区並みにしろとは言わないが,もう少しどうにかしないとここは観光で生きることは難しいと思う。

 ここより戻ることとし,今度は川沿いの遊歩道を歩くことにする。こちらはよく整備されていて歩きやすい道である(なお,この町は結構,小さな川があり,また,橋が多数かかっているのには驚きました)。緑が綺麗な柳の並木の遊歩道を歩いて行くと,まるで江戸時代の芝居小屋みたく見える建物があり,それを過ぎて,ようやっと写真にもなる石造りの蔵が見つかる。しかしながら,ここは民家ではなく,横山郷土館である。それでも,川を前景に,この石造りの蔵の写真を撮る。遊歩道から外れて川とは直角の道を進むと。9:35県庁掘着。どうやら,ここは昔の県庁だった建物で,中々形の良い2階建ての木造の洋館で,その前には掘があり鯉が泳いでいる。また,掘の脇には紫色の菖蒲の花まで咲いている。遊歩道まで戻り,更に進むと,公園に入ったので商店街の通りに進み,10:00駅前のバス停に戻る。

 バス停には,ものすごい数の若い女性が並んでいる。でも,観光客ではなさそうなので,こりゃあ,出水観音に行くのではないなと思っていたら,やはり,10:10発の国学院行のバスに乗ってしまったので(3分遅れでもう1台も発車しました),どうやら,ここには女子大か女子短期大学があり,彼女らは学生だったのだと納得する。バス停の前にコンビニエンスストアがあるので,昼食を購入する。

 出流行バスは10:15定刻通りに発車する。乗客は6名である。これでは,土曜,日曜日でも1日に3本しかないのは十分に理解できる。先程の国学院行バスが2台とも満員でかなりの人が立っていたのと比較すれば段違いで,これでは大赤字であると思う。

 バスは大通りを走る。車窓から見ると,かなりの商店が新たに江戸時代の商店風に造り直したり,蔵風に造り直したりしているが,それでも,鉄筋コンクリートの建物や今風の建物がほとんどで,無いよりはましという程度である。もう少し,規制すれば,一体が,昔風になり面白い風景ができたにと思う。バスは何回か道路を左折,右折するが,その内,2車線の道路をむやみやたらにダンプカーが通る道を進む。ともかく,行き交う車のほとんどがダンプカーで,ダンプカーが連なっているという状態である。道はそれほど広くはないので,時々,バスとダンプカーが道を譲り合っているほどである。更に進むと,山肌が大きく削られた採石場となる。そして,看板には「石灰」の文字が。そうか,ここは,一大石灰岩採取地帯であったのだ。そして,先程からのダンプカーはそれらの石を運ぶ車であったのだ。この採石場は延々と続き,ダンプカーとも頻繁にすれ違う。そして,やっと,採石場の殺風景な風景が終わり,しばらく行くと10:58出流バス停着。結局,乗客は途中で1人乗ったのみであった。

 ここより,左側ヘ行く道を進むと, 11:01第17番出流山満願寺の大きな総門に着く。両側には仁王像が入った立派な門である。更に信徒会館の建物を左に見て,上り気味の道を進み登って行くと,11:05本堂に着く。ここは屋根は青銅拭きで,何と柱にまで彫刻がある建物である。しかしながら,建物も前が狭いので,全体の写真を撮ろうとすると非常に困難であるし,また,防火用水のドラム缶なんかが置いてあるので,これらを隠して撮るのが難しい。しかしながら,それでも,どうにか撮影する。勿論,デジカメ(コダックDC20)でも撮るし,一眼レフ(ヤシカFX-3Super2000+トキナー28-70mm)でも撮る(デジカメはホームページ用の写真のためです)。

 11:20ここより上は入山料300円が必要とのことで右手の受付に払い,向かって右側の道を進む。石仏が多数ある脇を通り,大きな堰の下を渡って,沢沿いの道を登る。ここはもう杉林の中の山道である。しばらく進むと,左に向かって急な石段がある。こちらに行くと,聖天堂に行く旨の道標があるが,後で登ることとし,そのまま進む。沢の石には苔が生えていて,非常に綺麗である。勿論,撮影する。

  11:30やっと,休憩所に着く。ここより左上を見ると,崖の遥か高い所にまるで崖に引っ付いているように見える建物(奥の院)がある。石段も狭く,結構,急な感じである。崖につけられた石段を登り,11:32奥の院着く。ここは,比較的新しい建物で,一応木造だが,近くで見るとがっかりするような代物である。床は単なる木の床で,建物の周りは単に赤く塗ってあるだけである。その上,ここから見た景色も大したことはない。そして,建物の土台は長い柱が組み合わさっているのであるが,私は木だと思っていたのに,何とコンクリート製である。しかしながら,建物内の奥の崖には鐘乳洞があり,そこに非常に大きな鐘乳石がある。どうやら,この建物は本来はこの石を祭ったものであるらしい。中々形が良い石であり,今でも天井から水滴が落ちているので,現在でもこの石は成長している筈である。この石だけを見るだけでもここに来た甲斐はあると思う。

 下に戻ると,そばに滝があるのを発見する。何と,その滝の上には不動明王が祭られている。道は更に続いているのであるが,「この先の通行を禁ず。太子洞へは案内人がいる場合のみ可。」との立札があるので,先には行けないし,また,杉林の中を歩くだけみたいなので,勿論,行かない。

 11:50 奥の院の下の休憩所発。先程来た沢沿いの道を戻る。途中,夫婦連れが「まだ,遠いですか」と聞いてきたので,「後,100m行けば小屋がありますので,そこから,左に石段を登ればすぐです」と答える。石仏が多数群れになっている場所のすぐ行ったところの急な石段をハアハアいいながら登り,12:00聖天堂着。ここは崖にくっついて立っている赤い粗末な建物で,見てガッカリしたてしまったが,中に入ると,何と,奥の壁から水が出ていて,柄杓で飲めるようになっている。ここらへんはどうやら石灰岩地帯のようなので,ここもその関係で,岩盤から水が湧き出ているのかと思う。

 ここより,細い上り道を進むと,先程の奥の院の前の休憩所に戻る。途中,太子洞への道案内もあったが,かなり急そうな道だし,本日は山登りをするつもりではないので行くのを止める。勿論,先程「太子洞へは案内人が付いている場合以外は不可」との看板のこともある(多分,どこかで,道がいっしょになるのだと思いますが)。休憩所にて,また,先程の夫婦に会い,今度は「そちらに道はどうですか」と聞かれたので,「ええ,清水が出ているお堂に通じていて,それから,先程の道で左に行く急な石段を下ることになります。別に,どおってことはない道ですよ」と答える。

 再び,沢沿いの道を戻り, 12:20観音堂に戻る。時間が十分にあるので,先程よりは良いアングルで撮ろうとするが,参詣人が三々五々やってくるので,中々ファインダーから人が消えない。それでも,人の切れ目,人が柱や奥に行った時を狙って,シャッターを押す。

 観音堂を後にし,土産屋の前を通って,12:58総門を出,13:02バス停に着く。今度の栃木駅行バスは14:10発なので,ここで1時間以上待つことになるので,このあたりを少し散歩して被写体を探すが,花の写真が少し撮れただけである。栃木駅よりのバスは13:45に到着したので,乗客達が下りてから乗る。

 定刻の 14:10に栃木駅行きのバスは発車する。乗客は朝と同じ10名だが,半分程の顔振れは朝とは異なる。途中の停留所にて,この地域に住んでいる人が合わせて5名程が乗って来ってきたので,このバスは一応,観光客以外にも使われているのだなあと安心する。14:54栃木駅着く。急いで駅の時刻表を見ると,14:50発の快速浅草行は既に発車しており,次は何と15:22発の浅草行である。そして,快速は15:49となっている。折角,バスを走らせているのであれば,快速に間に合うような時刻設定にして欲しいと恨めしく思う。ともかく,本日は待ち時間が多すぎる。

 栃木駅 15:22発の浅草行準急列車は定刻に来たので待っていた高校生らと共に乗りこむ。勿論,ロングシートの電車で,私の前に女子高生が座ったのだが,彼女らが着ている制服は膝上15cmはあろうかと思うような短さの上,彼女は足を組んで座っているので,太股まで見えてしまい目のやり場に困る。このためもあり,持参しているHP-100LXにて,途中途中メモ書きしたものを懸命に文章化する。16:47北千住に付き,常磐線で日暮里に行き,山手線にて17:19家に帰る。

 本日は青空こそなかったですが,太陽は出ていましたし,また,山の中では背景は杉の木で空ではないことが大部分でしたので,天気を含めて大満足の日でした。これで,参詣人がもっと少なく,また,交通機関の待ち時間も短ければなおさら良かったのですが,それは望み過ぎだということでしょう。



第18番 補陀洛山 中禅寺(栃木県 東武日光線・日光駅より湯元温泉行バス・中禅寺温泉バス停下車・徒歩)

1999年5月22日(土)
 5/22(土)、坂東33観音巡礼第21回目として、「第18番 補陀洛山 中禅寺」に行ってきました。5月初めて連休が終わった月の後半が天気が一番安定しているとのことで、先週の土曜日に行きたかったのですが、天気が悪かったので、本日に延ばしたというわけで、この2日前あたりから天気が回復し、昨日の予報でも5/22は「晴れ」とのことでしたので、行くことに決めたというわけです。これで、坂東33観音巡礼も残り1つ、すなわち、満願(別に「願」をかけていたわけではありませんが)まで後1寺となりました(第33番補陀洛山那古寺です。なお、番外に銚子の捕陀洛山満願寺がありますが、この2つは夏に「青春18キップ」にて行く予定です)。

 夢を見ていて、ハッと目が覚めたので、時計を見ると、4:30である。昨日はいつもより1時間早く寝たので、予定通りというか、予定よりかなり早く、これでは予定の列車より1本早いのに乗れそうだと思う。朝5:18発、この時間帯は約10分間に1本であるが、かなりの人が立っている状態で、勿論、私も座れない。次の駅で座れ、上野駅5:27着。ここで地下鉄銀座線に乗り替えるのだが(地下道は寝ている浮浪者が多かったです。これでは、女性はちょっと通りにくいですね。こういうのを中国に宣伝すれば、少しは日本に来て悪いことばかりしているように見える中国人が来なくなるのではと思うのですが)、浅草行列車は発車したばかりで、10分ほど待たされて、5:39ようやっと乗れる。こちらは勿論、座れる。5:45浅草駅に着く。

 本日はバスに何回か乗る予定なので、普通のキップではなく、下今市駅から湯本バス停までフリー区間となる「日光ミニフリーパス」を購入する(4940円)。ホームに行くと、待っている人は意外に少ない。しかしながら、この列車は前2両が日光行、後が新藤原行とのことで、前の方はかなり列を作っている。6:10ようやっと、入線する。しかしながら、やはり日光行は満杯のようで、下今市駅にて乗り替えればよいので、3両目(新藤原行は4両編成)に乗る。こちらはガラガラで、半分以上の座席は空いている。

 6:20定刻に発車する。しかしながら、発車直前に後の方に乗ったのであろうか、かなりの人達が来て、折角ワンボックス占領していたのに、座られてしまう。天気は思ったよりよくない。太陽は出ているが、空は薄い雲で覆われている。日光まで行くと、良くなるであろうか。北千住駅にて大量に乗ってきたので、空席はほとんど埋まる。2両目の日光行は立っている人がいるのが見える。春日部駅にて、更に乗ってきたので、ついにかなりの人が立つようになる。新大平駅近くになると、左側の車窓より以前登ったことがある大平山が見えてくる。確か、あそこは紫陽花の名所でもある筈なので、もう少しすれば非常に混むようになるのだと思う。それにしても、隣のボックス席にいるオバサンの声が非常に騒さい。浅草より甲高い声でしゃべりっぱなしで、外国へ行った時の自慢話ばかりしている。服装は大したことはないが、お金が余っているらしく、年柄年中、旅行をしているようである。本日は鹿沼駅まで行き、ゴルフをするらしい。新鹿沼駅にてかなり下りたが、まだ、立っている人はいる状態である。しかしながら、それでも、あの騒さいオバサンが出て行ったので急に静かになる。8:14下今市 駅に着いたので、前の日光行に乗り替える。空は相変わらず白っぽいが、太陽の光はかなり強くなっている。日光行は8:16に発車する。満員である。その上、そのほとんどはザックを持っている。下今市駅付近より、杉並木の日光街道が線路の左側に続いている。日光駅に8:24に着く。

 どうせ座れないと思って、トイレに寄ってからバス停に並ぶ。すぐに臨時バスが来たが満員になった上、すぐに湯元温泉行の定期バスが来たので、そちらに乗る(臨時バスの運転手もこちらを勧めていました)。補助席を出すまで客が乗って8:37に発車する。天気もかなり白ぽいが青空となってきた。車窓からは先程乗っていた列車からも見えたハゲ山(男体山だと思います)が見える。神橋は工事中でホロで覆われていて全く見えない。左に曲がって川沿いに進む。新緑が綺麗である。時々見える男体山は砂防ダムだらけであり、とても美しい山なんて言えない。裏見ノ滝入口バス停付近で、かなりの荷物をしょった人達を見る。おそらく、避難小屋泊りなのであろう。先程の列車内にも大きな荷物を持った人達がいたので、日光では結構、避難小屋泊りが流行っているのだと思う。いろは坂への道に入る。上るに従って遠くの景色が見えてくる。明智平を過ぎ、トンネルをくぐり、9:11中禅寺温泉バス停に着く。

 カメラを出して(ヤシカ一眼レフボディ:FX-3 SUPER 2000, トキナーズームレンズ:28-70mmF3.5-4.5、東芝デジカメ:Allegretto PDR-2)支度をする。とりあえず、本日の目的である中禅寺に行くことにする(9:18発)。中禅寺湖まで行き、左に曲り、湖に沿った道を進む。湖の水は透明で非常に綺麗である。遠くの山々にはまだ雪が残っている。時々、白樺や新緑を前景に、湖と山々を撮影する。

 9:30第18番補陀洛山中禅寺の山門に着く。ツヤのない少し黒味がかった朱色に塗られた大きな門である。内部には木造が合わせて4体祭られている。入場料300円を払って中に入る。境内は思ったより狭い。観音堂と大黒天堂、そして、観音堂の後ろの高い場所にお堂があるほか、小さなお堂や、鐘楼がある。いずれも門と同じ色に塗られている。ともかく、境内が狭いので撮影が非常にしにくい。しかしながら、観光地だというのに参拝客はほんのまばら、私を含めて数名しかいないので、人が入る心配がなく撮影できる。シャクナゲが咲いており、それを前景に撮影する。また、ここからも、湖や山々が見えるので、勿論、撮影する。

 観音堂の内部にある有名な立木観音を見ようとして中に入ろうとすると、袴をはいた女性がやってきて、観音像の説明をする。ううん、入場料 300円の中にこのような説明代が入っているとは思わなかった。それならば無くてもいいから、 100円下げてほしいと思う。それにしても、本堂にいるのは私と彼女だけであり、私みたくゆっくりと見ようという者には全くの気詰まりである。他の像も見ようとすると、お出口は左側ですと言って私が出て行くのを待っている。しかしながら、それでも、観音像以外の2つの像もゆっくり観てから出る。しかしながら、出ると階段になっており、上に登るようになっている。ドンドン登ると、今度はそれは先程外から見た観音堂の後の建物である。ここにも仏像があるが、男性がおり、「こんにちわ」という。ううん、こういう場所では静かにしておいて欲しいのだが。ともかく、宗教に関係ある場所なのだから、各人の勝手にさせて、ゆっくり拝観させてほしいものだと思う。ホウホウの体でここを出ると、縁側は高い場所に建っているので、お寺全体や湖を見るのに最適な場所である。仏像類の撮影は禁止されているので撮らなかったので、ストレスがたまっているので沢山撮影すしながら、下に戻る。なお、境内には湧き水が多いらしく、「延命水」なんていうものもあったので、勿論飲む。

 9:58ここを出る。それにしても、中心地と離れているせいもあるが(勿論、観光客自体が非常に少ないということもあろうが)、参拝客が少ない寺である。私がいた30分位の間では10名もいなかったと思う。おかげさまで苦労せずに人を入れないで撮影することができたのだが。先程の道を戻る。それにしてもいい天気である。久しぶりにまあまあの天気での旅行という感じである。空もやや白っぽいが、雲1つない快晴である。

 10:05中禅寺温泉バス停に戻る。ちょうど湯元温泉行バスがちょうど来たところであったが、係員が立っている人がいる上、臨時バスとのことで乗せてくれない。定期バスは6分遅れでようやっと到着し、 10:21に発車する。先程の臨時バスとは異なり、座席の半分位しか乗っていない。

 バスは湖沿いの道を進む。途中のホテルの庭には多数のシャクナゲが咲いている。10:36竜頭の滝バス停着。道路を渡って1分程歩くと滝見台に着く。この滝は2本に分かれているが水は豊富である。しかしながら、まだ、春浅いのか、緑が少ない。

 10:43ここを発ち、滝沿いの道を登る。ゴウゴウと音をたてて流れる白い水が美しい。10:56自動車道路を渡ると、先程の滝に行く前の川に着く。川といってもちょっとした湖のように広く、また、あたりの景色は美しい。ここは下から登って来た人にはわかるが、上から来た人にはわかりづらいようで、人は非常に少ない。何枚も撮影する。以後、戦場ケ原に入る。

 落葉松林と笹原の中の道を進むと、11:12小田代ケ原との分岐点に着く。ここには木造の立派な橋があり、橋を渡れば、小田代ケ原方面に行くのであるが、そのままほんのちょっと進むと、今度は湯滝方面への分岐点に着く。ここにも小さな橋があるのだが、それも無視して進むと、11:18赤沼着。私は「赤沼」という赤い沼があるのかと思ってここまで来たのだが、昔はともかく現在は単なるバス停である。

 仕方無しに11:23ここを発ち、先程歩いた道を戻る。カッコウの鳴き声が聞こえる。11:27先程の湯滝方面への道標に着いたので、そこを右に曲がって橋を渡る(ここより、湯滝まで4kmとのこと)。ここからは湿原地帯となっているので、川沿いの木道となっている。しかしながら、ここは先程の滝よりももっと高い場所であるせいもあろうが、木々はともかく、下の草類の新緑はまだまだであり、枯草状態である。このため、景色は美しくないのでドンドン進む。

 木道があるため、木道以外を歩くのは勿論、湿原地帯にも入らないように注意書きがあるのであるが、湿原を通って川まで行き、釣りをしている人達が多数いる。この人達はマナーを知らない連中だと思う。釣り人というのは、まともな人達もいるのであろうが、こういうのを見ると、日本語も読めない人達なのだなあと思ってしまう。

 11:48白樺の美しい場所に着く。後ろの山を背景にして撮影する。11:49川を渡ると(青木橋)、そこが休憩所になっているので、昼食とする。

 12:10小田代ケ原との分岐に着いたので、左方面、すなわち、南に向かって進む。歩きにくい石だたみの道である。大きな石が敷いてあるので、非常に固く感じて歩きにくい。 12:27先程の大きな橋からの道に合わさる。勿論、右に曲がって、小田代ケ原方面に進む。 12:30鹿よけの柵があり、回転式ドアをくぐって中に入る。小田代ケ原を鹿から守るために、全体を柵で覆っているらしい。

 ここからは小田代ケ原である。ここは1周することもできるのだが、面倒くさいので、林道まで進み、戻ることにする。残念ながら、他と同様に、下の草はまだ枯れたままだが、白樺や新緑が美しい。背景の山を入れながら、それらを撮影する。昨年の新聞に、ここに池ができたことが書かれていたが、林道まで行った範囲ではそれはもう見あたらなかった。再び元の所まで戻り、今度は柵から出ずに、左に進む。こちらは先程より更に素晴らしい新緑と白樺である。勿論、ドンドン撮影する。12:58、分岐点に着き、林道から来た一周する道と合わさるが、そちらへは行かずにそのまま進み、柵から出る(ともかく、ここでは白い白樺の幹と新緑を満喫しました。戦場ケ原よりは遥かに素晴らしい場所だと思います)。

 カッコウとホトトギスの鳴き声を聴きながら、笹と落葉松の林の中を進み、13:09先程の戦場ケ原との分岐へ戻る。ここより湯滝方面への道を進む。しばらくすると、落葉松林から抜け、流れている水の幅が10m位ある川を左に見ながらの川沿いの道を進む。景色がよい気持ちの良い道である。13:24道標があり、湯滝へは近道と遠回りの道の2つを指し示している。遠回り(といっても湯滝までは1km)だと小滝を見られるらしいので、川にかかった橋を渡る。すると、その橋から見えるのが「小滝」である(13:25)。ナイアガラの滝をグッと小さくした感じの幅が広く落差が小さな滝である。そこを過ぎると、また、笹と落葉松の林の中の道となる。ゴーッと連続した音が聞こえるので、始めは自動車の音かと思っていたが、滝の水が落ちる音だと気がつく。木の間から巨大な白い水が流れている滝が見える。

 12:43湯滝着。末広がりの巨大な水の流れである。ともかく、すごい迫力である。滝見台に上がって十分に見る。水しぶきがかかってくる。前景に木の緑を入れながら、また、水が白く写るように、EEでの露出よりかなり露出オーバーになるようにして撮影する。

 14:04滝の脇の階段を上る。14:10滝上の湯の湖に着く。硫黄臭がする。湖の周りの道を進む。ここでも、湖の中に入って釣りをしている人が多い。勿論、これ以外にボートから釣り糸をたれている人もいる。時々、シャクナゲのピンク色の花が見える。しかしながら、対して面白い場所ではないのでドンドン進み、 14:25湖畔前バス停に着く。バスが来るまでにしばらく時間があるので、再び湖畔に行ってみると、白鳥が1匹おり、自分のくちばしで身繕いしている。早速、撮影する。

 14:36定刻通りにバスは着くが、何と誰も乗っていない。このバス停から乗ったのは私を含めて3名である。それでも、次のバス停から人が乗ったり下りたりするようになる。でも、座っているのは10名にも満たない。いろは坂を快調に下っていったが、途中より、渋滞がはじまる。それでも、停まることはほとんどない状態で進む。

 14:51定刻より4分程遅れたが、東武日光駅に着く。いろは坂でも渋滞していた上、市内に入ってからも渋滞して中々進めなかったので、もしかして、15:57発の浅草行快速に乗れないのではないかと心配したのだが、大丈夫であった。しかしながら、2両編成のためにもうすでにかなりの人が立っている状態であり、勿論、私も座れない。しかしながら、下今市駅にて鬼怒川方面から来る4両編成のに乗り替えればいいやとのことで、乗る。

 列車は定刻通りに発車する。下今市駅にて鬼怒川方面から来た列車に乗り替えるが、残念ながら、こちらも同様である。ザックを持ったものがほとんどのところを見ると、尾瀬に行った連中であろうか。

 私鉄にしては珍しく検札が来る。女性と男性の1組でやっている。JRでないせいか、結構、みんなまじめにキップ買っているようである。「座れないより遅くても座れる方がいいや」とのことで、新大平下駅にて始発の準急浅草行に乗り替えようと思っていたら、新栃木駅にてボックス席の2人が下りたので、ようやっと座れる。

 埼玉県に入ってから、停まる駅毎にドンドン下りて、春日部駅ではガラガラの状態となる。17:53北千住着。勿論、私を含めてほとんどの人が下りる。常磐線ホームに行き、上野行列車に乗る。どうやらこの列車は17:49発なのだが、遅れているようで、17:59に発車する。日暮里駅に18:07到着し、山手線にて、18:21に家に帰る。

 それにしても、本日は文句を言っては罰があたるのではないかと思うような良い天気でした。まあ、確かに、戦場ケ原がまだ春はほんの僅しかなかったことが残念ですが、小田代ケ原の白樺と新緑がそれを補ってあまりありますし、また、湯滝の大量に落ちる白い水は迫力でした。




第19番 天開山 大谷寺[栃木県 JR東北線・宇都宮駅より大谷資料館経由立岩行バス・大谷観音前バス停・徒歩]

1997年8月16日(土)
 夏の旅行で岩手県の水沢市に泊まり,本日は帰りがてらに東北新幹線で郡山駅,磐越西線で猪苗代駅まで行って磐梯山に登るつもりであったが,郡山駅まで来たら雨が降っていたので諦め,坂東33観音の第19番大谷寺に行くことにする。実は今年の夏より数年間かけて,坂東33観音巡礼を始めたいと思っていたので,このチャンスにその1つである大谷寺に行くことにしたのだ。一応,随分昔に,秩父34箇所霊場めぐりは2年間ほどかけてまわったので,今度は坂東というわけである。勿論,秩父の時と同様に鉄道・路線バスを主体とし,できるだけタクシーは使わないつもりである(秩父の場合,観音寺のみ,タクシーを小鹿野町役場より使いました。秩父は秩父地方だけなので割と集中して参拝できますが,坂東の場合,1都6県に渡っていますし,また,寺と寺の間が離れていますので,全部回るのには数年はかかると思っています)。

 9:59黒磯行普通列車(4両編成のロングシート車)は郡山駅を発車する。先頭車両は立っている人もいたが,私がいる4両目は座席の3/4程度が埋まっているだけである。黒磯駅より5つ程前の駅にて,車内検札を行う旨の車内放送があり,検札が始まる。結構,切符を購入する人がいて中々来ない。そのうちに,次の駅に着きそうになるので,急いで車掌室に戻る。やっと,私の所へくるが,サッと見ただけである。11:03黒磯駅着。連絡橋を渡って,宇都宮行普通列車に乗り替える。4両編成のボックス席がある3ドア式列車である。

 11:15私が乗った先頭車両はほぼ満席の状態で発車する。しかしながら,やはり2人組で座席に荷物を置いてワンボックス占領しているマナーを守らない人達がいる。しかしながら,西那須野駅にてついに荷物を退かされて座られる。雨はもう完全にやんでいる。バスの中や大谷寺でおにぎりを食べるのは嫌なので,車内で食べる。ううん,こんなことだったら,朝,水沢にてわざわざコンビニまで行かなかったのだが。それに,郡山駅内には,以前は無かったコンビニができており,おそらくそこでも購入できたし。宇都宮駅より5つ程前あたりの駅からかなりの人が立っている状態となり,12:08宇都宮駅着。

 ロッカーに荷物を預け,駅前のバス停に行くと, 12:30発大谷資料館経由立岩行があることがわかったので,それに乗ることにする。宇都宮駅では乗客は6名であったが,途中,15名程の団体が乗って来る。作新学院前というバス停があり,ああ,ここが江川の出た作新学園かと思う。乗客の,ああ,と言っているのが聞こえる。しばらくすると,石材店との看板が増えてくる。そして,大谷石の塀や壁なんかがたくさん見えてくる。空が暗くなり,雨が降って来る。

 12:54大谷観音前着。先程の団体と共に下りる。とりあえずはまだ小雨なので,傘をささずに歩く。看板に従って,70m程歩くと13:00大谷寺着。赤い門のある寺で,門の両脇には仁王等の像が入っている。金300円を払って中に入ると,背景の大谷石を背負った形で,正面に木造のお堂があり,右側には鉄筋コンクリートの建物がある。とりあえず,写真を撮り,内部に入ると,正面に大谷石の壁面に掘った千手観音がライトで照らされて浮き上がるような感じである。観音様は露天にあると思っていたので,意外な思いで,また,あまりに小さな感じである。また,火事にあったという話ではあるが,お顔は少し崩れている。

 コンクリートの屋根で覆われた別の面には釈迦三尊,薬師三尊,阿弥陀三尊が掘られている。こちらは新しいのか極めて綺麗である。ここを出た後,宝物館に入るが,入口にて,この付近で出て来たという人骨が写った写真を渡される。人はそのうちこうなるのだというつもりなのかもしれないが,私を含めてこんなものを渡されればギョッとすると思う。ゴミ箱を見つけて捨てる。この資料館の中に昭和初期に写された大谷寺の写真があるが,何と,先程の鉄筋コンクリートの部分は木造になっている。ということは,この寺の火事というのは昭和以降のことなのか,あるいは単に右側は朽ちてしまったので建て直したということなのだろうか。

 ここを出て庭を見るが,裏山にも登れるらしい。しかしながら,雨が降っているので勿論,登らない。おそらく,頂上からは方々に見える大谷石で上の方は木が生えている小さな山が多数見えるに違いない。だから,頂上からの景色が「関東の邪馬渓」と言われているのであろう。

 13:17ここを出る。すぐそばに大谷石でできた大きなトンネルがあり,車がかなりあったので,駐車場かと思ったが,念のために行ったら,そこが平和観音の立っている前の広場で13:20着。こちらは高さが26mとかいう巨大なものである。どうやら,私は平和観音と大谷観音をこっちゃにしていたのだと納得する。向かって右側に大谷石を堀った階段があり,それを登ると,体の2/3あたりの背中の所まで行ける。ともかく,先程の大谷観音と比較してこちらはものすごく大きい。雨がひどくなってきたので,傘をさす。

 先程のバス停に戻り, 13:58,やはり先程途中から乗った15名程の団体とともに宇都宮駅行に乗る。乗客は全部で20名程であったが,途中,団体の連中は二荒山神社の所で下りたので(参詣するみたいでした),結局,終点まで行ったのは私を含めて3名であった(14:25着)。

 会社へのお土産を購入後,ロッカーの荷物を取り出し, 15:02宇都宮発快速ラピット号に乗る。それより10分程早く上野駅に着く普通列車もあったが,停まる駅が少ない方が気持ちがいいからだ。ロングシートで,乗客はほぼ満席の状態で発車する。発車して2,3の駅を過ぎた後,車内検札が来る。2人1組で片側づつ担当する。やはり,結構,切符を購入している人がいる。私から3人程離れたおじさんは車掌が発券している間に車掌の後ろを通り過ぎて別の車両へ行ってしまう。もしかして,キセルだったのであろうか。白い髪のおばあさんが乗って来たので,古河駅から大宮駅まで席を譲り,16:41上野着。山手線に乗り替えて,16:58帰宅する。



第20番 独鈷山 西明寺[栃木県 真岡鉄道・益子駅より徒歩]

1998年4月11日(土)
 4/11(土),朝6:00に目がさめる。窓を開けて昨日の予報通りに晴れであることを確認する。朝食をとり,6:40に家を出て,駅にて「ホリデー・パス」を購入する。この企画キップは2040円で東京近郊を乗り方だいのものだが,本日私が行く益子までは勿論行けない(注:益子は大昔は国鉄真岡線の駅であったが,国鉄赤字線削減のおり,「真岡鉄道」という私鉄となったため)。しかしながら,この切符ではその私鉄とJRの乗り替え駅であるJR水戸線下館駅までも行けず,行けるのは東北線の小山駅までである。だから,そこからはキップを別に下館駅までのキップを購入しなければならないが,それでも東京から下館駅までの切符を購入するよりも,このホリデー・パスに小山ー下館間のキップを足した方が東京・下館:1620×2=3240円,ホリデーパス2040+小山・下館320×2=2680円と560円安いのだ。

 6:50発の山手線に乗り(やっと座れる状態),上野駅6:58着。隣のホームに停まっている宇都宮行普通列車に乗る。ロングシートだが,その1/3程度しか埋まっていない状態である。7:03発車し,停まるごとに人は増え,浦和駅で立つ人が出るようになるが,何故か久喜駅にて大量に下り,半分程度になる。空は期待していた青空ではなく,太陽は出ているが,白っぽい感じである。8:05古河駅に着く。会社の同僚にここから毎日通っている人がいるが,ここまででも疲れている私にはよく毎日通っているなあと思う(といっても,以前は私も家から会社まで2時間近くの通勤時間でしたが)。駅付近の線路づたいの桜並木が満開で見事である。8:18小山駅着。

 水戸線の列車は何と40分待ちの8:59発である。こらならば,もっと遅く家を出てくればよかったと思う。とりあえず改札を出る。駅前を歩いてみようかと思ったが,ビルばかりで面白そうもないのて,結局,下館までの切符を購入し,水戸線のホームで待つことにする。8:35折り返し勝田行4両編成の普通列車が入線してくる。先頭車両はロングシートだが,私の前の2両目はいわゆる近郊型だったので,勿論,ボックス席に座る。座席のほぼ9割が埋まって定刻通りに列車は発車する。車窓から見ると,まだ,結構,桜が咲いている。特に,学校の校庭や公園に沢山咲いている。下館駅直前の川の堤防には菜の花が黄色い帯となって咲いている。また,遠くには筑波山だろうか,2つも耳を持った山が霞んで見える。9:22下館駅着く。

 ホーム反対側を見ると,小山駅寄りに昔の都電みたいな雰囲気の列車が1両停まっており,ああ,これが真岡鉄道だとわかる。列車を下りて,ホームを小山方面歩き,途中の改札口にて益子までの切符を購入し(何と760円!!),停まっている1両編成の列車に乗る。これはワンマン列車で,出口付近はロングシート,中央部はボックス席というよくあるパターンである。私は勿論,ボックス席に座る。座席の2/3程度が埋まった状態で9:26発車する。珍しく,待ち時間がほとんどない状態である。久下田駅は線路づたいの十数本の桜が満開で見事な眺めである。ここでも多数乗ってきたが,真岡駅にてかなりの人が下り,ほぼ座席分位の乗客数となる。それにしても,この真岡駅は国鉄のなごりか,鼓線橋がある立派な駅である。しかしながら,駅員がいないのか,列車から出る時は他の駅と同様に先頭出口にて運転手に切符を出すか,金を払わねばならない。北真岡駅の先も線路づたい桜並木があり,これも満開でものすごい綺麗さである。10:10益子駅着。車内放送では,何と驚いたことに「駅員がいるので切符や精算は改札で行ってください」と言っている。ここで下りた人は全部で10名程である。

 益子駅は時計台まである木造の立派な建物である。まだ,木が新しいところをみると,できたばかりのようである。駅前の観光案内所にてパンフレットをもらうが,残念ながら,西明寺や地蔵院あたりまでが詳しくでているものではなく,益子の市街地のみが詳しく書かれているものである。

  10:15ここを発ち,線路と直角の道路を歩き始める。頻繁にダンプカーが走る嫌な道である。しばらく歩くと,コンビニエンスストアがあったので,そこでおにぎりを購入する。10:34赤羽饅頭店に着くが,その前に「関東ふれあいの道 西明寺2.5km」と書かれている道標があったので,その指示に従い,右に曲がって進む。ここはたまに自動車が通るが,ごく,たまになので,先程の道とは段違いにゆったりした気持ちで歩ける。それにしても暑い。これでは夏の太陽である。上着を脱いで,ポロシャツ姿となる。左側に田んぼを見ながら進む。ピンク色の椿の花が沢山さいた大きな木が2本ある。花はまだ沢山ついているが,もう完全に終わりに近くなっているので現在でこれならば,3月頃の盛りの頃はさぞかし見事だったと思う。

 所々にある桜は満開で,やや白っぽくはなっているが綺麗である。田んぼで蛙が鳴き声が聞こえる。何に使うのかわからないが,直径2m以上もある古い木の大きな樽が2本置いてある。11:00昔の参道らしい道を歩き始める。今までの道と比較して,急な上,道幅も狭い。その上,しばらく歩くと,土の道となる。

  11:15西明寺前着。入口には茅拭きの家がある。そして,その前には竹林があり,そこの説明書きにそこの竹は四角い竹だということなので,早速,触ってみると確かに角があり,四角い感じである。石仏が両側に置いてある(他の場所にも結構ありました)石段を登ると茅拭き屋根の大きく立派な山門があり,それをくぐると決して広いとはいえない境内に入る。

 本堂の左前側にはしだれ桜があり,満開となっている。また,山門の左側には三重の塔が,本堂の右前には茅拭き屋根の小さな閻魔堂が(中を見ると,家来を両側にひきつれた笑い顔の閻魔様がいました),本堂の右側にも茅拭きのお堂がある。中でも本堂は青銅拭きの屋根の一番立派なもので,中の欄間には彫刻が施してある。床も地面より1m程高くなっている高床式である。参詣者はボチボチなので,人を入れずにゆっくりと撮ることができる。本堂の回りを1周し,色々な角度で撮影後,昼食とする。すると,何と白装束の巡礼姿の10名程の団体がやってきて,本堂前でお経と御詠歌をあげる。おそらく車で来て,石段を上まで登ってきたのだと思うのだが,巡礼を志すのだったら,形だけではなくせめて私のように鉄道の駅から歩くという形にしてほしいものだと思う。

 食事をしながらどうすればよいかを考えた末,まともな地図がないのでどうもよくわからないが,道標が頻繁にある「関東ふれあいの道」を進むことにする。12:22ここを発つ。ここからは完全に山道で登り一方である。12:27権現平着。展望台があり上る。説明板によると,筑波山や加波山のほか,日光の男体山なんかが見えるらしいが,本日はもやっていて全く見えない。でも,これから考えると,やはり先程の列車内から見えた山は筑波山だったのだと思う。

 12:33ここを発ち,更に進む。雑木林の中の山道で,結構,登り下りがあるが,特に下りはきつい。どうやらここは市街を囲んでいる山の稜線らしいと思う。ともかく,雑木林の中をドンドン進むだけのあまり面白くない道である。12:58益子の森着。ここはかなり広い場所であるが,特に桜の木が沢山あり,盛りは過ぎてしまったが,それでも見事である。特に,白い花の中に,濃いピンク色の花との対照が素晴らしい。

 13:20ここを発ち,車がドンドン通る道路を歩き始める。さすが,焼き物の街であるので,お土産に陶磁器を売っている店が目立つ。そして,時には,窯の見学OKの作業場等もある。しかしながら,いずれも私には興味がないので,ドンドン進む。13:55観音寺着。間口の広い建物で,青銅拭きの屋根だが,それ以上でもそれ以下でもない。13:57日下田邸着。茅拭き屋根の大きな家である。県指定文化財と書いてあったので,庭を通って外から建物の内部を見ると,だだっ広い所に沢山の四角い木の蓋が置いてある。どうやら,染料の瓶の蓋ではないかと思ったら,右側の一角はお土産屋となっており,藍染めの布が置いてあったので正しいとわかる。私はその方面には興味がないので,中に入らずに戻る。

 14:13益子駅着。14:44発下館行列車に乗り(かなり立っている人がいたが,中学生が荷物を置いているのをどかさせて座る),15:28終点の下館駅に着く。途中の真岡駅にてかなり人が下りる。また,多数の桜が線路づたいに咲いている久下田駅では,10名程のカメラマンが「桜と列車」の風景を撮っているのを見る。

 15:33発小山行普通列車に乗り(4両編成でもう冷房が入っていました。乗客数は座席の3/5程度でした),15:55小山駅着。上野行普通が16:00発,快速ラピットが16:05発でどちらに乗ろうか考えるが,普通の方が空いているだろうと考えてそちらに乗る。やはり,空いていてワンボックスを占領する。古河駅にて朝も1つのみ見えたが,熱気球が10個位空に浮いているのを見る。こんな民家が多い所でやっていても大丈夫なのかと思う。古河駅にて追いついたラピット号が座れそうだったのでそちらに乗り替える。16:17古河駅を発車し(立っている人がいる状態でしたが,勿論,座りました。こちらはロングシートでした),16:59赤羽駅に着く。乗り下り自由の折角の切符を持っているので,池袋に行くことにして,赤羽駅で17:03発の埼京線の恵比寿行列車に乗り替えて,17:11池袋駅に着く。CD店に寄り18:05家に帰る。

 本日は白っぽい空とはいえ快晴で暑かったですが,桜の花が咲いていて,持参したカメラ(ヤシカ一眼レフカメラFX-3Super2000+トキナー35-70mm,コダックデジタルカメラDC20)で,36枚撮りフィルム2本,デジカメ24枚)で十分に撮ったので大満足の日でした。



前ページ Home(gozaru) 坂東・秩父・西国33観音巡礼目次 Home(coocan) 次ページ