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坂東33観音巡礼(5)

最終改訂:1998.12.27(初回:1998. 6. 7)

第21番 八溝山 日輪寺[茨城県 JR水群線・常陸大子駅より蛇穴行バス・蛇穴バス停・徒歩]

1998年 7月18日(土)
 7/18(土),坂東33観音巡礼第14回目として,茨城県にある「第21番 八溝山日輪寺」に行ってきました。その時の様子です。

 この巡礼も近場は全て行ってしまったため,残り10寺というのに中々進まず,5月の中旬に「第17番」に行った後は土曜日の天気が良くないことが多いために止まってしまっている状態です。しかしながら,本日は3連休の初日の上,天気も非常に良いし,また,この八溝山は江戸から遠く,また,山の中にあるため昔は「八溝知らずの偽坂東」と言われていた位に行きにくい所なのですが(なお,これは大昔のことで,現在は山の中に林道が整備されており,私みたく列車とバスと徒歩で行こうとしている者にとっては,排ガスに悩まされながら,道路を歩かねばならないという別な意味での行きにくさになってしまったそうです),東京からは交通機関に乗っているだけで4時間ほどかかるので,とりあえず,日照時間が長い時に行っておこうと思ったわけです。また,これをすませば,残りは群馬県にある2寺以外は,それほど大変そうではないというのもあります。

 朝,5:40に目が覚めると,外は非常に明るい。窓を開けて外を見ると,何と青空の出ている晴天である。ここ1週間程,曇りあるいは雨で,その上,5月中旬の気温との肌寒い天気であったが,これは思いがけない幸運である。昨日の天気予報では朝は曇りで,昼は晴れで暑くなるとのことであったが,天気の移動はそれより少し早まったようである。昨日の夕方は夕焼けであったが,それほど綺麗なものではなかったので,あまり期待していなかったのであるが,これだけ天気がよいと張りきらざるをえない。本来は夏真っただ中であるし,これだけ青空ならば,強烈な太陽の元,暑くなりそうだと思う。

 6:23家を出る。駅のみどりの窓口はいつも私が通る改札口とは反対方面にある。歩いているとホームに上野方面行が来たのが見えたので,次の列車に乗ろうと速足で歩く。6時台は7時台に比べて列車本数が少ないため,それを乗り逃がすと,予定の列車に乗れない可能性があるからだ。

 しかしながら,みどりの窓口に着くと,先客が一人おり,何か知らないが,何種類かのキップを注文しており,駅員が端末をノロノロと操作している。次の列車が来はしないかとイライラしながら待つ。ようやっと終わり,「スーパーホリディ・パス」を注文する。

 このキップは1枚4080円だが,関東一円,上越線は土合駅,上毛高原駅,東北線は黒磯駅,信越線は小諸駅,東海道線は熱海駅,そして,水郡線は常陸大子駅まで行ける。そして,本日はこの常陸大子駅まで,水戸駅経由で行くわけである。本当は毎年の夏休みに出る「青春18キップ」を使いたかったのであるが(これだと快速・普通列車だったら日本国内全部に乗れる上に,5日分で11500円なので,1日分で2300円となり,スーパーホリディ・パスの約半額ですみますので),こちらは利用期間が7/20〜8/31のため使えないというわけである(なお,昨年は7/20〜9/10の利用期間だったと思いますので,少しでも増収させるために10日間短くしたようです)。今年は7/19は日曜日だし,7/18は土曜日だから,結構,本日から夏休みの学校もあるのではないかと思うので,JRも柔軟に対応してくれればありがたいのであるが(私の場合は,5週間で5日分使うというのはちょっときついので,多分,今年は青春18キップは購入しないと思います。お盆の休みは信濃大町に泊まって,栂池高原や八方尾根あたりを散策しようと思っており,その時は,周遊券の代わりにできた「周遊キップ」を使うつもりですし )。

 やっとキップを入手し,改札口に行こうとすると,上野方面の山手線がホームに入って来る音が聞こえるので,急いで改札にてキップを見せ,ホームに行く。6:30発に乗る。さすがに車内はまだガラガラである。6:39上野駅着。階段を上がり,10番線の常磐線に行き,勝田行普通列車に乗る。この列車は後半分は土浦駅止まりなので,先頭方面の車両に乗る。しかしながら,ふざけたことに,土浦行はボックス席がある近郊型であるが,勝田行はロングシート車である。ううん,土浦まで行く乗客はこの列車でよいが,水戸までは遠いので,普通列車ではなく,特急列車で行けということかと思う。私が乗った最後部車両は12名の乗客しか乗っていない。

 6:46定刻通りに発車する。しかしながら,日暮里駅にてドサドサと客が乗って来て座席はほぼ埋まる。各駅にて乗ったり下りたりしながら徐々に乗客数は増えてきて,我孫子駅ではかなりの人が立っている状態となる。多くの高校生が乗っているところを見ると,どうやら本日まで学校があるらしい。本日から休みだと思っていた私が間違っていたことを悟る。その上,高校生達は次々に乗って来て,ついにはすし詰め状態になる。

 土浦駅にてようやっと大部分の高校生は下りて,ようやっと,満席程度の乗客数となる。土浦駅を過ぎると,車窓から見える緑は急に濃くなる。もっとも,今までは高校生達のためにほとんど景色が見えないためもあるが。遠くに,特徴的な2つの峰を持った筑波山が見える。石岡駅にて残っていた高校生達がようやっと下り,車内はガラガラとなる。これで騒さいしゃべり声も聞こえなくなり,聞こえるのは列車の走行音だけである。しかしながら,あれほどの青空だったのが,水戸駅に近づくにつれて雲が増えてきて,赤塚駅では全天雲に覆われた状態になる。ううん,千葉県から西は雲が抜けたが,茨城県はまだ抜けていないのかと思う。これから,水郡線に乗り,更にバスに乗るのだが,それまでに雲が抜けてくれたらと思う。快楽園が見え,8:49,ようやっと水戸駅に着き,下りる。ここで残っていたほとんどの人が下りる。

 実は本日は予定より1本早い列車に乗ったので,水戸駅では列車の待ち時間が36分もある。とりあえず,改札口を出て,昼食になりそうなものを売っている所を探す。目当てはいつもの通りにおにぎりである。その理由は腐らないものでなければならないし,また,腐るかもしれないというのは精神衛生上,よくないからだ。構内に店が何軒かあるので探し,結局,スーパー形式でおにぎりや弁当類を売っている店を見つけてそこで購入する。

 再び,改札をくぐり,水郡線ホームに行くと,9:25発の郡山行快速列車はもう停まっている。この列車は4両編成で,前2両が郡山まで,後2両が私がめざす常陸大子までである。早速,車内に入ると,何と,この列車はボックス席+ロングシートの構成で,ボックス席は2列+1列となっている。当然,私は1列の方に座るが,もし,前に誰かが座ったら,何か,奇妙な気持ちになるなあと思う。

 9:25列車は定刻通りに発車する。座席の 2/3は埋まっている。有り難いことに結局私の前の座席は空いたままである。窓から見る空も青空となっている。乗客は地元の人より,旅行者が多いようだ。やはり,地元の人達は車しか利用しないのだと思う。列車は最初こそ駅を4つほど飛ばしたが,後は律義に各駅に停まる。これでは快速の意味があまりないと思う。無人駅が多いせいか,車掌が頻繁に行き来する。車窓より,大きな茅拭きの家が見える。この線に乗ったのはおそらく4回目である。最初は車内旅行で袋田温泉まで,そして,2回目と3回目は郡山までの全線である。列車は次第に田んぼや畑から山に入って行く。水が透明な大きな川(久慈川)沿いに列車は走る。釣りをしている人達が見える。10:33,定刻より1分遅れで常陸大子駅に着く。

 急いで改札を出て, 10:35発の蛇穴行のバスに乗ろうとするが,まだ,バスは来ていない。ふり返って常陸大子駅を見ると,オレンジ色の瓦の木造の立派な建物である。その上,その隣にはコンビニまである。結局,10:38黒沢・蛇穴行バスは発車する。乗客は私を含めて15名程である。ザックを背負っている人が何人かいるので,私と同様に日輪寺まで行く者がいると思う。30分程行った黒沢支所前バス停にて,40名程の小学生の大軍が乗ってくる。車内は急に騒さくなる。ともかく,40人がみんなしゃべっている感じで,耳に圧力を感じてしまう。しかしながら,それでも,徐々に彼らは減っていき,騒ささも減っていく。バスが走っている道路はかなり妙な道で,2車線の道もあれば,これがバス道路かと思うような対向車がすれ違えない程の狭い道もある。どうやら,予算がある時に,細い道路を2車線に拡張しているのだと思う。

 11:29蛇穴バス停着。下りたのは小学生1人と始発から乗っていた4名である。彼らも小さなザックを背負っているところを見ると,やはり,私と同様に日輪寺に行くらしい。とりあえず,帰りの常陸大子行のバスの発車時刻をHP-100LXにメモする。そして,ザックより,カメラを出していつでも写せる状態にする。それらを行っている内に,彼らは出発してしまう。しかしながら,別に一緒というわけではなく,3人とも個々に来ているようである。バス停のすぐそばには湧き水があり,飲めるようになっている。舗装道路を進む。空は晴れており,太陽の光が肌に熱い。歩いていると,湧き水がある場所が後2箇所ほど見つかる。いずれも飲めるようになっている。300mほど進んだ所の右側に,大きな鳥居がある(11:31)。 日輪寺への道標に従い,その鳥居をくぐり,ここより始まった林道を進む。鳥居のすぐそばには,茶店があり,女性が「いってらっしゃい。帰りにはぜひ寄って行ってください」と声をかけてくる。

 この林道は,杉林の中の舗装道路で,非常な上りの急坂である。そして,時々,車が通るが,道が固いことをのぞけば,それでも気持ちがよい道である。空にはトンボが飛び,セミが鳴いている。また,時々,鳥の声まで聞こえる。しかしながら,体が鈍っているため(一応,会社では朝と昼は6階まで階段で上ぼっているのですが,夏は暑いので止めてしまっていますので),この急坂では非常に苦しい。時々,止まって息を整えながら歩くが,結局,40分たった12:12に休止とする。新聞紙を敷いて,ザックを下ろして座り,お菓子を少し食べ,水筒の水を飲む。

 12:25ここを発ち,更に進む。しかしながら,急坂が続くので,次第に歩く速度は下がっていく。それでも,ともかく歩き続ける。

 12:33日輪寺に行く遊歩道との分岐点着。当然,右への遊歩道に行く。やっと,今までのアスファルトの道からやっと土の道となる。歩き始めるとすぐに下りとなる。下りで足が軽く,その上,土の道なので足の当たりが軽いために,ドンドン下る。そして,嫌というほど下ると沢に出て,小さな橋を渡る。その上流方面は囲われていて,ワサビ田となっている。今度は下った分を取り返すための登りである。ともかくドンドン登っていく。12:50竜明水への分岐点に着く。ここを右に行って,12:52「第21番 八溝山 日輪寺」着く。

 ここは狭い庭に,赤い屋根,赤い柱,白い壁のコンクリート製の本堂がある寺である。向かって右には大きな茶店まである。こんな場所で商売になるのかと心配してしまう。本堂の中は畳の座敷になっており,奥に仏像が祭ってある。本堂の隣には,木造の古いお堂があるが,全く使われていないようだ。また,そのお堂の前には大きな白馬の像が2体置いてある。これらの写真をとりあえず撮り,昼食とする。

 13:25ここを発ち,来た道を少し戻り,今度は竜毛水への道を進む。ここからは完全な山道となり,笹や雑草のために道が消えてしまっている所もある。その上,今までの杉林の中の道とは異なり,ぶなの木が多いために明るく,また,緑が美しい。13:40「竜毛水」着。湧き水だと思っていたが,沢の最初の部分のような感じの場所である。更に進むと,「白毛水まで300m」との標識があるが,そちらへは進まず,まっすぐ進むと,今度は「鉄水流」と書かれている場所に着く。ここはどうやら,地下から湧いている水のようである。そして更に進むと,13:45「金性水」に着く。ここは完全な湧き水のようであり,また,「金」と書かれていて縁起がよいので,置いてあるコップにて飲んでみると,冷たくておいしい!! 思わず2杯も飲んでしまう。ここにハッキリと,今まで来た道を戻ると八溝山山頂へ着く旨が書かれており,こりゃあ,どこかで曲がらねばならなかったか,道標を見逃したなと思うが,どうせ,このまま進めば,先程の林道の延長線に出て,そこから行ける筈だということで,そのまま進む。

 13:50,先程歩いていた林道の延長線に出る。ここよりアスファルト道を山頂方面に進む。14:07神社の鳥居の前着。ここより階段を上がって八溝嶺神社の前に出る。木造の中々立派な神社である。そして,その後の小高い所を5mほど登り,14:10八溝山山頂に着く。

 ここは1022mしかないが,何と茨城県で一番高い山だそうである。そんな場所に私は歩いてきたが,車で簡単に登れるのには驚く。東京だって,最高点の雲取山へは,ヘリコプターを使えば別だが,普通は足で登るしかないのだ。それなのに,茨城県では自動車で行けるとはと思う。。しかしながら,山頂は周りの木が高すぎて,全く展望がない。このため,神社に向かって左側に天守閣風のコンクリートの建物があり,「展望台」となっているが,入口には番人がおり,入場料100円と書かれていたことと,曇ってきて展望は全く期待できない状態となっていることから入らない。

 ここにいてもどうしょうもないので, 14:15ここを発つ。今度は先程来た林道をそのまま下るだけなので気が楽である。階段を下ると,先程の日輪寺にも2体あった白馬像があったので,これはこの地方の風習かもしれないと思う。林道をどんどん下る。ともかく,登るところはほとんどなく,下り一方なので楽である。先程通った金性水への道との分岐を過ぎ,14:44これもまた先程通った日輪寺との分岐に着く。更にドンドン下り,朝,「いってらっしゃい」と声をかけられた茶店を過ぎ,15:37林道の終点,すなわち,一般道に出る。ここまでは,杉林の中の道で,セミや鳥が鳴いているが,ただ,それだけなので,写真も撮らずに進めたので,能率がよかった。しかしながら,バスの発車まではまだ,時間があるので,一般道に出てしばらく行った所にある公園みたいなところで休む。

 15:55蛇穴バス停に行くと,常磐大子行バスはすでに来ているのですぐに乗る。しかしながら,誰も乗っておず,乗客は私一人である。朝のバスの3名はどうしたのかと思う。日輪寺だけ行って15:05発のバスに乗ったのか,あるいは,山頂まで行き,17時過ぎのバスで帰るのかと思う。

 定刻の 16:15にバスは乗客は私一人という状態で発車するが,バス停を2つ程過ぎた所で,やっと1人の老婆が乗る。しかしながら,その後は誰も乗らない。結局,彼女は常陸大子駅の近くの商店街まで乗ったが,こんな調子で,この路線は大丈夫なのかと心配してしまう。これでは小学生や中学生の通学にしか使われていないようであり,その上,朝もそうだったが,乗っているのは老人ばかりという状態から,今後はバスの運営は営利を目的とする株式会社ではなく,国や地方自治体の福祉予算からその運営費を出さねばならなくなるのではないかと思ってしまう。16:55常陸大子駅に着く。運転手に「どうも」といって下りる。

 ここで何と50分の待ちとなる。駅の待合室にて,早速,HP-100LXを出し,この文章を書き始める。この待合室の椅子には小さな畳風の座布団が置いてあり,清潔な感じで非常によい。ここから東京までいくらかと値段表を見ると,何と3260円となっている。今回私が使ったスーパーホリディ・パスは4080円であるから,普通にキップを買うより2000円以上安くなっている。17:43水戸行2両編成のワンマン列車は入線する。車両は朝と同じ形式であるので,勿論,2人用のワンボックスに座る。乗客は席の半分程度である。結局,乗り下りはあるが乗客数はそれほど変わらない状態で,19:00水戸駅に着く。早速,常磐線ホームへ行く。

 19:08上野行普通列車は入線する。朝とは異なり,近郊型のボックス席もある車両も連結している。しかしながら,私が座った車両はロングシート車である。定刻の19:10に発車するが,かなり立っている人がいる状態である。しかしながら混んでいたのは最初だけで,数駅を過ぎると座席が半分も埋まっていない状態となる。

 それにしても,この列車の乗客には携帯電話がかかってくると思う。大きな声を出してともかく騒さい。その上,自分からかけているのもいる。また,全線禁煙区間であるのに煙草を吸っている人もいる。常磐線の乗客ってマナーを知らない,あるいは無視している人が多いのだと思ってしまう。少なくとも,山手線ではこういうことは滅多に無い。こういうことを無くすために,少なくとも車内では電話が入らないように妨害電波を出すようにして欲しいと思う。

 どこかの駅から,一部髪の毛は金色に染めているが,オカッパよりやや長い髪型で,紫色の口紅を付けた高校生位の少年が乗ってきた。こういう格好は本当は少女なんだと思うのだが,服装は色あせた緑色のTシャツ,これも色あせた膝までの長さの黒のショート・パンツ,そして,皮と深緑色の布でできた軽登山靴みたいな感じの靴をはいており,むき出しの足はその毛を剃ったようにつるつるしている。バックは持っておらず,その代わりに小さな布製のザックを膝の上に乗せている。私は,ああ,これは最近の流行歌手の真似をした男の子なんだろうと判断したのだが,読んでいる文庫本サイズの本は少女漫画,そして,よく見ると,胸の部分がやや膨れている。ううん,これはやはり女の子なのかなあと思う。でも,少女だったら,こんなラフな格好をするかとも思う。だって,服装はどう見ても,女の子のものとは思えないし。そうしているうちに終点が近くなる。ニューハーフという考えもあるが,結局,ボーイッシュな女の子と判断する。

 21:21定刻より1分遅れて上野駅に着く。そして,21:40家に着く。

 本日の八溝山行は,持参した地図は図書館にてコピーした縮尺率の非常に大きな自動車地図とJRの小冊子の中に入っていた八溝山の手書き地図という心もとない状態でしたが,一応,目的の日輪寺と八溝山に登れて大満足です。しかしながら,風景が良いところがほとんど無かったので,写真は1本の半分も撮れませんでした。



第22番 妙福山 佐竹寺[茨城県 JR水郡線・常陸太田駅より徒歩]

1998年9月12日(土)

 9/12(土),坂東33観音巡礼第15回目として,第22番妙福山佐竹寺に行ってきました。その時の様子です。

 朝,6:10に目がさめる。窓を開けて外を見ると,全天が雲で覆われている。昨日の天気予報だと,本日は「晴」との話であったが,やはり,天気予報は外れたのであろうか。しかしながら,本日から3日間は家の前の公園で夜,盆踊り大会が開かれ,私の家にもろにスピーカーの大音響と太鼓の低音が響き渡り,肉体的・精神的な苦痛が激しいので,予定通りに行くことにする。それにしても,9/9(水),9/10(木)のあの何日振りかの青空はどこに行ってしまったのかと思う。

 6:25家を出て,駅の緑の窓口にて4080円の「スーパー・ホリデーパス」を購入する。これを使えば,水戸駅までの往復でも300円程度の得をするので,今日行く予定のその先の駅までだったら,普通の切符を購入するより遥かに得だからだ。

 6:35発の山手線は私を含めてかなり立っている人がいる状態である。日暮里駅6:41着。常磐線ホームより6:49勝田行普通列車に乗る。ロングシートの先頭車両であったが,ガラガラで乗客は私を含めてたった17名である。空は相変わらず厚い雲で覆われていて,雨が降ってもおかしくない感じがする程である。本当はもう少し遅い列車でもよいのであるが,水戸駅から常陸太田駅に行く水郡線が水戸駅発9:05の次が11:13なので2時間も後になり,これではあまりに遅いので,この列車になってしまったというわけである。

 我孫子駅にて特急に追い抜かれるが,乗客も立っている人がいる状態となる。高校生が乗っているところを見ると,本日は学校はやっているようだ。牛久駅にて高校生達はみんな下り,やっと,立っている人がいない状態になる。しかしながら,空は相変わらず曇ったままである。8:48ようやっと水戸駅に着く。

 水郡線ホームに行くと常陸太田行列車はまだ来ていない。9:57水戸停まりの3両編成の下り返し列車がくるが,乗客が下りても車内清掃のため乗れない。清掃の間に後ろの車両を外して,常陸太田行は2両編成となる。9:01ようやっとドアボタンを押して中に入れるようになる。9:05先頭車両には私を含めて13人程しか乗っていない列車は発車する。なお,この列車はワンマン列車である。窓から見せる田んぼは黄色い穂が出ている。

 上菅谷駅9:22着。ここで10分待ちとなる。ここから終点の常陸太田駅までは,私がまだ乗ったことのない線である。少し雲が切れてきて,ほんの僅かだが,青空が見えるようになってきた。このまま続いてお昼までには半天位は青空になればいいのだがと思う。停まっている間に,郡山発水戸行の列車が通り,更に,後発の水戸発常陸大子行快速列車に抜かれ,9:38ようやっと発車する。9:52常陸太田駅着。念のためにここから東京までの運賃をみてみると2520円であり,往復だけでスーパー・ホリデーパスだと1000弱円安くなっている。

 駅前の通りを左に進み,「佐竹寺」との標識がある2つ目の信号の所で右に曲がって進み(途中より太陽が出て来て急に暑くなりました),10:26第22番妙福山佐竹寺に着く。道路に面した所に仁王像が2体ある大きな木造の山門があり,そこから入ると,ほんの30m位の所に茅拭き屋根の木造の大きなお堂がある。非常に狭い境内である。本堂前では白い巡礼姿の4人がお経を上げている最中である。この寺は山門側も本堂に向かって左側も道路に面しており,始終車の音が聞こえるので,お堂は古いけれども重厚な感じはしない。後,道路がすぐそばにあるせいか,白い巡礼姿が多い。先程の巡礼さん達が終わると,今度は黒い衣をまとったお坊さんを伴った本格的な白装束6人組みである。この人達のお経はさすがに本格的である。ともかく,1組が去ると1組が来るので,私が目的としている人が写らない状態で撮るのが中々困難で,待ち時間ばかり多くなる。その上,今度はバス2台に乗った巡礼達が来た。仕方がなく,持参したHP-100LXにて文章を書くことにする。空はまた完全に曇ってきた。結局,彼らがようやっと行って静かになったので,思う存分撮る。

 11:25ここを発ち,先程の道を戻る。11:31「白馬寺入口」と書かれた標識があるので,左へ曲がり進む。舗装してあるが,非常に狭い通りである。しばらく進むと道標があり「歴史の道」と書かれているのでそれに従って左に曲がり,そして,今度は右に曲がり歩いて行くと,ついに土の道となる。両側に木が茂り薄暗い道をドンドン進んで行くと,11:43急にじゃりが敷いてある非常に広い道に出る。この道を渡ると更に道は続くみたいなのだが,急に道が悪くなったので,結局,この広い道を進むこととする。途中,道の工事現場に出くわしたが,そのまま進むとついに舗装道路となり,そして,11:57大通りに出る。そばにバス停があり「峠」と書かれているので,地図を出して調べると,目的の西山荘には右に曲がればよいことがわかったので,右に曲がって進み,しばらく行った所で,道路を右に下りると,12:07西山荘前着。結局の所,なぜか白鳥寺には行けなかったが,とりあえず,西山荘には着いたのでよしとする。

 駐車場の前の食堂の建物の中を通り抜けると,和洋折衷みたいな庭があり,花が結構咲いている。また,菖蒲園みたいな感じの所があるが,ここには菖蒲はなく,背の低い草の花が咲いている。この庭を通って,薄暗い場所に行くと,そこが西山荘の本当の入口である。そこで500円を払って入場する。中は木や竹で非常に暗い。全体的に非常にこじんまりした感じで,池や滝,山,そして,茅拭き屋根の小さな建物が5つほどある。非常に質素な感じである。これは勿論,水戸光国の時の建物ではないが,それでも中々のものである。しかしながら,先程,述べたようにあたりは木が多いせいで薄暗い上,苔が沢山しげっていることから,湿気が多く,住むのは大変だと思う。園内を一周して,最後にこれも簡素な柴の門を通って有料地帯から出る。

 先程の庭園を通り,13:10ここを発つ。大通りを歩いて,13:45常陸太田駅に戻る。既に6名程が列車が来るのを待っている。

 14:20,下り返し14:27発上菅谷行となる列車が到着する。乗客が下りるのを待って乗る。これも先程と同様に2両編成のワンマンカーである。私が乗った1両目には合わせて15名程が乗り,定刻通りに発車する。先程までの曇り状態とは異なり,急に強い太陽が出てきたのでまぶしい。黄色い穂の田んぼの上の空を2羽の白い鳥とそれに従う小さな鳥の群れが飛んでいるのが見える。14:42上菅谷駅着。ここで,別ホームに停まっている水戸行普通列車に乗り替える。さすがにこちらはほぼ座席が埋まる位の乗客が乗っている。反対側より列車が来て,14:48発車し,15:02水戸駅に着く。

 快楽園に行ってもよいのだが,梅の季節でないと面白くはないような気がするので三の丸にある弘道館だけ行くこととし,早速出発する。空は半分青空となっており,太陽がかんかん照りとなっている。駅前の大歩道橋を渡り,線路に直角の道を進み,陸橋の脇にある階段を上ると,15:14三の丸に着く。そして,すぐそばに弘道館があり,180円を払って入場する。庭と大きな木造1階建ての建物があり,中に入る。中には畳敷きの部屋が多数あり,その一部には水戸藩にゆかりのあるものが展示してある。しかしながら,中は思ったより暗い。外は太陽がサンサンと輝いているのにこの暗さである。これでは,昔の人は余程目がよかったのだと思う。私ではこの暗さでは本は読めないと思う。部屋にはほとんど飾りがないが,それでも。これだけ多くの部屋数があることには感心してしまう。障子を開けて庭を見ると,赤い花が咲いている大きな木があったので撮影する。

 11:36ここを発ち,先程とは異なった道を歩いて,15:39水戸駅に着く。列車案内板を見ると,15:43発上野行普通列車があるので早速改札を通ってホームに行くと,列車は既に停まっていたので乗る。朝のロングシート車ではなく,ボックス席がある近郊型列車であったが,全て埋まっていたので,結局,シート席に座る。列車は定刻に発車し,途中より立っている人がかなりいる状態になって日暮里駅17:47着。この時間では盆踊り大会の騒さい音をできるだけ聞きたくないという目的が果たせないし,関東一円は使えるスーパー・ホリディパスを持っているので,渋谷に行くこととし,山手線にて渋谷駅に行き,レコード店を見て,20:30に帰宅する。

 本日は天気は目的の場所では曇りという状態でしたが,一応,佐竹寺での写真も撮れましたし,西山荘も弘道館もまあまあの所でしたので(ただし,弘道館の入場料500円はちょっと高いのではないかと思いましたが),まあ,満足したというところです。



第23番 佐白山 観世音寺[茨城県 JR水戸線・笠間駅より徒歩]

1998年5月4日(月)
 第24番雨引山楽法寺に行った後,岩瀬駅に戻り,岩瀬駅13:07発友部行普通列車にて,13:25笠間駅着。駅前の閑散とした通りを直進し,笠間稲荷の前を右に曲がる。このあたりは笠間つつじ祭りを目当てに来た自動車が延々と連なって動けない状態になっているが,その脇をスイスイと歩いて進み,13:48観世音寺入口着(この直前で,つつじ祭りということで,太鼓の演奏や無料のお茶接待なんかが行われていました)。左に曲がって,丸太で土止めされた階段を登り13:50本堂前着。本堂の前は小さめの庭で,本堂までの直前や左にはツツジの花が多数咲いている。

 本堂は小さな青銅拭きの屋根の見栄えのしない建物で,裏のつつじ山へのハイキングコースが通っているので,人通りが絶えない。仕方がなく,ジッと我慢して人の切れ目を狙ってシャッターを押す。書き忘れたが,本日のカメラはヤシカの一眼レフボデイFX-3Super2000に先日中古で購入したばかりで初めて使用するトキナー28-70mmF3.5-4.5ズームレンズと,コダックのデジタルカメラDC20である。このトキナーのレンズは今まで使っていたレンズの中のレンズに何らかの油が付いてしまい,自分で掃除をしたが,失敗してしまったので買い直したものなのだ。本堂はガッカリするようなものではないので,単に記録として撮るだけであるが,通る半分位の人がお参りをしていくので,中々,人がとぎれない。それでも,ジッと我慢して人がいなくなる瞬間に撮る。先程より空は青空となって,太陽の光があたっており,緑とオレンジあるいは赤のツツジとのコントラストが美しい。

 本堂の左側の道を進むと,ツツジ山に行くのであるが,お寺のそばのツツジは結構綺麗なものがあるが,ツツジ山のツツジは完全に盛りを過ぎており,行っても禄な写真は撮れないみたいなので止め,あたりの良さそうなツツジを選んで撮影する。そして,前景がツツジで背景に本堂の屋根と前の一部といったものも撮る。

 14:15ここを発ち,14:22笠間稲荷着。入口より両側に仲店が並んでいる。しかしながら,浅草の仲店とは異なり,両側のみで,中央部はきちんと分けられた道となっており,店の前を通るのが嫌な人は広い中央部を通ればよくなっているのが快い。仲店を通ると大きな総門であるが,ここは赤い鳥居,総門,本殿等そのほとんどが新しい建物で,正面右端にある大きな門だけが,昔の総門らしく古い建物である。これ以外は総門の両脇の隋身像のみが古いものである。正面左には藤の花が咲いているが雨で色落ちしている上に花の房が短いので見栄えがしない。

 14:35ここを発ち,14:48笠間駅に着く。時刻表を見ると, 15:27発の常磐線経由の上野行快速があったのでそれで帰ることとし,土浦までのキップを買ってホームに停まっている列車に早速乗りこむ。乗った時はガラガラであったが,発車直前にはかなりの人が立つようになる。列車は定刻に発車し,友部駅にて検札のための車掌が乗って来る。私が740円のキップを見せると,「どこまで行かれるのですか」と聞いてくるので,「土浦,その後は・・・」といって立ち上がって網棚にのせたザックからホリデーパスを見せようとすると,「あ,意味がわかりました」といって静止する。

 この車掌はひどく陽気な人で,キップを中途までしか買っていない人がものすごく多いのに,大きな声で冗談を言いながら,ポータブル券売機でキップを刷って渡していく。それにしても,笠間駅でキップを売っているのになぜこんなに車掌から購入する人ばかりなのか,こんなにごまかそうとする人が多いのかと呆れる。列車は順調に進み,定刻より1分遅れの17:18に上野駅の朝と同じ14番線ホームに着く。隣に札幌行寝台列車「北斗星」が停まっており,その食堂車のテーブルに小さなランプが付いており,それを見た女性が「わあ,綺麗」というのが聞こえる。これより2番線ホームの山手線に乗り替え,家に17:38に着く。



第24番 雨引山 楽法寺[茨城県 JR水戸線・岩瀬駅より徒歩]

1998年5月4日(月)
 5/4(月),坂東33観音巡礼第12回目として,JR水戸線笠間駅近くの第23番佐白山観世音寺,岩瀬駅近くの第24番雨引山楽法寺に行ってきました。本当は水戸に泊まって,阿武隈山域にある第21番八溝山日輪時や常陸太田駅近くの第22番妙福山佐竹寺等の茨城県の寺に行くつもりだったのですが,2週間程前に腰を痛めてしまい中々痛みがとれなかったのと,今年の連休は特に天気が悪そうだったので,行く気がしなくなってしまったので,ここ数年間に初めて連休中に泊まりこみの旅行をせず,映画なんかを観に行っていたのですが,休みもあと2日となり,家にいるのに我慢できなくなり,坂東33観音の内の残っていて割に近い所に行くことにしたというわけです。

 昨日は22時に寝たためか,朝5時に目が覚める。しかしながら,まだ,かなり暗く雲が厚い感じなので6時まで寝る事にする。6:00に起き,食事をするが,空はどんよりしていて今にも雨が降りそうな気配である。行くか止めるか迷うが,とりあえず,7時前の天気予報を見てどうするか決めることにする。TVをつけて天気予報を確認すると,前線を伴った低気圧が太平洋上にあり,厚い雲がかかっているのは東京近辺だけであり,埼玉県や茨城県等は「曇り時々晴れ」との予報であることから,茨城県の第23・24番札所あたりだったらそれほど天気は悪くはなさそうだし,また,着くのも10時過ぎになるであろうから今よりはよい天気となるだろうと予想して行くことにする。

 家を7:01に出て,駅にて例によって「ホリデーパス」を購入する(私の前のオバサン達は私が先日行った益子の陶器市に行くようで,「益子まで。益子ってJRの駅ですよね」と言ったら,駅員も「そうです。陶器市に行かれるのですか」なんて言って,マルスを色々操作してわからず,下館で乗り替えなんて言われてやっと「あ,益子は第三セクターの線になりました」なんて言っていました。ううん,不勉強ですね)。山手線にて上野駅に行き,到着の3番線ホームより鼓線橋を延々と歩き,下のホームの14番線にやっとたどりつき,7:35発宇都宮行普通列車に乗る。

 列車はロングシート車両で,座席の 1/5程度の乗客を乗せて定時に発車する。徐々に空席は埋まり,大宮駅では立つ人が出て来る。雲はしだいに薄くなったようで次第に明るくなり,小山駅近くになると時々太陽が出て来るようになる。8:51小山駅着。ここで一旦改札を出てキップを購入し(ホリデーパスの範囲外に行くことになるので),15番線の水戸線勝田行普通列車に乗る。乗客は立っている人がいる程混んでいたが,空いているボックス席に座れる。列車は9:01に2分遅れで発車する。益子に行く人が多いのか下館駅にて大量に下り,一部空席ができる状態となる。しかしながら,天気は先程よりやや悪くなっている。

 9:38岩瀬駅着。駅を出てすぐ左に曲がり,つきあった所を左に曲がると,踏み切りとなる。それを渡り,更に進む。狭い上に,自動車がビュンビュン走る嫌な道である。両側は田んぼで,もう田植えをしている。いいかげん嫌になってくると2車線の国道といっしょになり更に進む。しかしながら,今度は歩道を歩けるようになったのでやや安心する。ねぎ坊主と菜の花が咲いている場所があり,そのコントラストが面白いので撮影する。

 10:24楽法寺へ通じる道まで来たので,左に曲がる。今まではほぼ平らな道であったが,今度はやや登り坂となる。しばらく進むと,道は大きく曲がるが,徒歩の者は近道として直進してくださいとの表示があったので,そのまままっすぐに進む。坂の度合が急に強くなる。どうやら,こちらが昔の参道で,自動車用の参道を別に作ったようだ。道はアスファルトから土と石段になる。これは完全に旧参道であると思う。時々,自動車道を横切り,進むと,10:39小さな簡素な門に着く。そして,更に進み,急な石段を登ると,10:42赤い総門に着く。門の前には何と露店が立っている。そうか,ここは一大観光地なのである。向かって右側には大駐車場があり,そこから続々と人が登ってくる。

 総門より更に石段を登ると,石を敷きつめた平らな場所に着く。左右に建物があり,どうやらそこは土産屋である。そして,正面には観音堂がある筈だが,何と,そちらは回りをシートで覆われており,工事の真っ最中である!! ううん,これでは何のためにわざわざ来たのかわからないと思う。観音堂の両隣にも小さなお堂があり,更に左には二重の塔まである。そして,更に左には,回廊がある建物もあり,全部合わせると10個以上の建物がある(小さな物を入れると,15〜20はあると思います)。

 しかしながら,人が多くて人を入れずに撮影することは非常に困難である。その上,観音堂は工事中なので,うまく撮影することは難しい。ここより裏山に登れるので,少し登ってみる。盛りを過ぎたツツジの花が咲いている。そして,そのやや高い場所より二重の塔の一部と観音堂の屋根を撮る構図ならば人が入らず,また,工事の様子もあまり気にならず,その上,緑の加波山を背景に撮れることを発見する。先程までと異なり,天気も良くなって太陽が出て来て一部青空まで見えるようになったので万万歳である。また,下の方の構図では,前景をツツジとして,観音堂の横から撮れば,これも工事の青いシートがほとんど見えずに撮れるので低い位置から人がツツジに隠れるようにして撮る。

 向かって左の方にずうっと進むと,回廊がある中々情緒がある建物があったので,そちらも撮影する。さすがに,ここまで来る人はそれほど多くないので,撮りやすい。ここより,少し下りると,何と鳥を飼っている大きな檻まである。11:25ここを発ち,来た道を忠実に戻り,12:32岩瀬駅に戻る。


第25番 筑波山 大御堂[茨城県 JR常磐線土浦駅より筑波駅行バス・筑波駅バス停,筑波神社行バス・筑波神社バス停下車・徒歩]

1998年11月14日(土)
 11月14日(土),坂東33観音巡礼第17回目として,茨城県の「第25番 筑波山大御堂」に行ってきました。その時の様子です。

 朝,6時少し前に目が覚めると,外はまだまっ暗である。しかしながら,昨日の天気予報だと本日は晴れだそうだから,起きる。家を6:30に出る。さすがにもう外は明るくなっており,空を見ると白っぽいが雲はほとんど見えない。どうやら昨日の予報は当たったのだと思う。家からは遠い方の改札口そばのみどりの窓口にて「ホリデーキップ」を購入して,6:42発の山手線に乗る。本日は常磐線にて土浦まで行き,その後はバスと徒歩にて第26番 南明山 清瀧寺」まで行き,あわよくば,「第25番 筑波山 大御堂」に行きたいと思っている。土浦駅までの切符を購入するより,ホリデーキップの方が片道につき100円位は安いのは計算済である。車内は立っている人がいる状態で座れなかったが,西日暮里駅にて座れる。

 上野駅に6:52に着き,10番線ホームに入線してきたところである。乗客が出,車内清掃が終わった6:59にようやっと乗る事ができる。座席のほぼ1/3が埋まった状態で定刻の7:02に高萩行普通列車は発車する。上野から乗った乗客はほとんど下りず,かえって途中,途中で乗って来るので座席がどんどん埋まってくる。しかしながら,高校生であろうか,空いている座席にバラバラに座ればよいものを,1人は座席に残りの2人は床に座って話している。最近の高校生達はどこにでもベタッと座るという悪癖を持っているが,座らないで立って話す体力がないのであろうかと思ってしまう。

 8:10定刻に土浦駅に着く。私は今まで霞が浦を見たことがなので,とりあえず東口より出るとコンビニエンスストアがあったので昼食を購入する。そして,東に進むと堤防につき当たったので,今度は堤防に上がって,下流方向に進む。堤防の周りにはススキの穂と黄色の背高泡立ち草が多数ある。また,川にはボートが何そうも出ていて,釣糸を垂れている。また,これ以外に浚渫船らしいのもいる。10分程進むと,あたりが開け,霞が浦に着く。ここでも沖に浚渫船らしいのがいる。川や湖の底が浅くなっているので工事をしているのであろうかと思う。しかしながら,バスの発車時間まであまりないので,あたりを撮影後,直ちに同じ道を引き返す。

 私は9:00発の「ゆうもあ村行」バスに乗り,二本松バス停で下りるつもりであったのだが,土浦駅西口のバス停の5番乗り場に行くと,そのバスはおらず,代わりに「臨時」と書かれたバスが停まっており,前を見ると,「筑波神社」と書かれているので,これはもしかして第2土曜日と休日に出るという「ゆうもあ村」行バスが現在は中止になったのかもしれないと考え,予定を変えて,本日は「第25番 筑波山 大御堂」に行き,ついでに筑波山に登ることにする。しかしながら,車内はすでに満席で立っている人がかなりいる状態である。

 8:58臨時筑波神社行は発車する。勿論,私はたったままである。途中,採石のためだろうが,山肌の緑が無残に削り取られているところが見える。また,そして,右側の車窓から頂上に2つの耳を持つという特徴ある筑波山が見えてくる。このバスは臨時なので,途中のバス停には停まらず,筑波駅前だけ停まり,結局ずうっと立ったままで,筑波駅バス停よりかなり上がった筑波神社前バス停に9:50に着く。ここで, 980円を払って下りる。

 帰りの時刻表を見ていると,時刻表を配っている女性がいるのでもらう。渡される時に,お帰りは「こちらでどうぞ」と言われたので,「ああ,そうか,宣伝を兼ねてこれを渡しているのだなあ」と納得する。渡された紙を見ると,ここの時刻表以外に筑波駅の時刻表も載っている詳しいものなので,何か買わねば悪い気がしたので,本日は水筒は持参していなかったので,自動販売機にて缶のお茶を購入する。

 9:52ここを出て,ほんの少し歩いて,9:53,本日の目的である「第25番 筑波山大御堂」に着く。ここは境内は広くないが,瓦屋根の木造の本堂があり,こじんまりとはしているが,その前には小さな庭があり,非常に風情がある。また,本堂の周りには五色の幕がかけられている。早速カメラを撮り出して撮影する。本日の空は今年の私の旅行にしては,珍しくも真っ青である。これならば,いい写真が撮れると意気込む。

 なお,本日のカメラは「リコー一眼レフボディXR-1S +リコー45mmレンズ」という初めての組み合わせである。このリコーのレンズは2年以上前に薄型レンズということで購入したのだが,その後,すぐにペンタックスの40mmレンズ,これはリコーのものより更に薄型レンズをもらったために,使ったことがないのだ。しかしながら,このレンズは2つの欠点があった。すなわち,私のカメラは普通ファインダーからレンズの絞値見えるのだが,このレンズは薄型のためか絞値の代わりに距離が見えること,2つ目はレンズの取り外しが固いことである。ペンタックスのレンズとリコーのボディでは快適なのにリコーのレンズとでは固すぎるというのは全くおかしい(注:勿論,両者ともKマウントです)。なお,勿論,これ以外に,24mmの広角レンズ(コシナ)とコダックのデジタルカメラDC20も持参しており,それらを使っても撮影する。

 お堂の前の木(桜?)の葉は既に落ちてしまっている。しかしながら,このお堂と庭の優しい感じを色々な構図で撮影する。お堂に向かって左の端の方に黄色の小さなミカンみたいな実を多数付けた木があったので,そのそばの黄葉している木を含めて撮影する。

 10:20ここを出て,向かって右側の道を進む。すると,10:22筑波山神社の境内に入る。ここは斜面に建てられた神社であり,少し下りて,まずは非常に大きく立派な山門を通る。そして,石段を登って本殿に着く。この神社は隆盛を極めおり,境内にはこれ以外にも幾つも建物があり,それぞれが素晴らしく,全く見事としか言いようがない程である。また,本殿の側では菊花展が開かれており,その丹誠込めた花も素晴らしい。これで,もっと人がいなければもっとよい構図で写真が撮れるのだが,人を入れないようにするには限られた構図でしか撮れないのが残念である。

 10:59ここを出て,石段を上ってケーブル駅へ行く。ケーブル駅前のもみじは綺麗に紅葉しており,青空をバックに透かし気味に撮影する。筑波山へは本当は自分の足で登るつもりであったのであるが,本日はここに来るつもりはなく,ましてや,足ごしらえも普通の格好だし,また,気持ちもお寺の写真を撮影という心がまえでは登る気は起きず,また,怪我でもしたら嫌なので,軟弱に上りはケーブルカー,下りは足で下山することにする。山頂までの切符は片道570円である。

 11:05ケーブルカーが下りて来て,乗客が下り始めてのとほぼ同時に改札が始まる。ホームの向こう側に綺麗な紅葉ががあったので,改札を通り撮影するが,撮影し終わるとほぼ同時に発車のベルが鳴ったので,急いで乗る。勿論,満員である。しかしながら,定員の106名というのはよく守られているようで,通勤電車みたく超満員というわけではないので,中に入ると余裕がある。しなしながら,立っているし,中に入ってしまったので後の方の景色はあまり見えそうもない。

 ケーブルカーは 11:10に発車する。窓から外を見ているが,先日の比叡山でのケーブルカーと同様に,杉林の中の上るために,やはり景色はあまり見えない。勿論,後部からもあまり見えない。途中,3ケ所程,登山道が見え,多数の登っている人が見える。この急坂をこれだけの人が登っているのに驚く。私が以前の大昔に登った時は足で登っている人はほとんどいなかったが,現在は随分変わったものだと感慨を深くする。ともかく,以前は落ち葉を踏みしめながら登ったことを思い出す。11:17ケーブルカーは山頂駅に着く。それにしても,これで 570円ならば安いと思う。ここまで足で登ったら,それこそ大変である。

 ここは男体山と女体山の中間点の稜線であり,東西に男体山と女体山があるので,南北が開けていて視界がきく。北側には下界は霞んでいるが,加波山や私が名前を知らない山が見える。また,南側も下界は霞んでおり,また,山裾には開発の後が痛々しいゴルフ場も見える。また,2階建ての円筒形のビルの屋上の展望台に行くと,更によく見える。霞んでいる部分をカットして,木を前景に,山々を背景に撮影する。

 とりあえず,男体山の頂上まで行くこととし,11:26登り始め,やや,石が多い道を登って,11:35男体山山頂に着く。しかしながら,ここからの展望は先程とほとんど変わらない。でも,前景の木が異なっているので,それらと遠景の山々とをうまく対比させながら撮影する。頂上には小さな神社があり,そこより少し離れた場所にて昼食とし,土浦駅のそばのコンビニエンス・ストアで購入したおにぎりを食べる。ここを,11:50に発ち,途中途中で写真を撮りながら下りる。

 11:59ケーブルカー山頂駅着。ここより登山道を下る。しょっぱなからきつい階段の下りである。しかしながら,まわりはブナや他の広葉樹なので景色を見ながら下る。時々,黄葉している木があるので,遠くの霞んでいる山々を背景に撮影する。ともかくきつい下りであり,石につまずかないように,また,滑らないように気をつけながら下る。この険しい道を登ってくる多数の人がいるのには感心する。

 しかしながら,じきに杉林の中の道となり,展望がなくなる。しかしながら,相変わらず道は険しく嫌な道である。ケーブルカーの線路が2本見える中間点に12:34に着く。ここより多少は傾斜がゆるくなる。ともかく,ドンドン下って,12:54ケーブルカー駅に着く。ここで先程気がつかなかった紅葉を見つけたので,撮影する。これより,筑波神社の境内を通り,先程の筑波山大御堂に13:10戻る。ここで,お堂の左側離れた所に直径2mはあろうかと思うような大木があるのに気がつく。お堂の前のベンチでゆっくり休んでから,ここより1分の筑波神社前バス停に13:30着く。

 それにしても,登山道の場合,「弁慶の石」とか「蛙石」とかがあった筈だが,これは女体山の登山道にあるのであろうか

 並んで待っていると,時刻表よりやや遅れた 13:40に筑波駅行バスは着く。そして15名程の乗客を乗せて13:41に出発して,13:51に筑波駅バス停に着く。ここは旧筑波鉄道の筑波駅があったところで,ホームは残っているが,線路は既に取り外されている。しかしながら,駅舎は立て替えられたのか非常に綺麗である。私は大昔に筑波山に来た時に乗ったことがある。

 土浦駅行バスは14:01に乗せ始め,定刻の14:20に16名の客を乗せて発車する。途中で満席となり,立つ人が数名出るようになる。しばらくして,老人が乗って来たので席を譲るが,20分程経ってから私が立っていた前の座席の人が下りたのでまた座る。市街に入り,大学生らしい人達がドンドン乗って来て,満員状態となり,そのままの状態で15:10土浦駅に着く。

 構内に入ると,ちょうど15:09発の上野行き普通列車は出たばかりだったので,次の15:25発の土浦駅始発に乗ることとし,ホームに行くと,ちょうど列車は入線したところである。この列車は京浜東北線と同じ車両で,いわゆる軽量型と言われる車両で,ロングシートも従来のものと比較して固く,不良車両の1つである。前の特急列車が遅れて来たので,この普通列車も2分遅れの15:27に発車する。座席は 2/5程度が埋まっている。車内放送にて,本列車にはトイレがついていないことが言われる。

 駅に着くごとに乗客数は増えてきて立っている人がいるようになる。 16:33日暮里駅に着くが,高田馬場の中古レコード屋と渋谷の輸入レコード屋に寄りたかったので,山手線にて行き,残念ながら収穫は全く無かったが,結果的に折角の「ホリデーキップ」をフルに使って,18:57家に帰る。

 本日は私の旅行にしては久しぶりの青空でしたし,また,本来の目的とは異なり,別な寺に行ってしまいましたが,元々,来週あたりには行くつもりであったお寺ですし,また,筑波山にも行けましたので大満足の日でした。



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