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Japanese
ソノシートは元々,音も聞ける本(雑誌)と言うコンセプトで開発されたものだそうで,初期のソノシート本は,本にソノシートを綴じ込んだ形になっていました。すなわち,よく見るソノシート本に綴じられたビニール袋に直径17cmのソノシートが入っている形ではなく,円形ではないソノシートがそのまま直接,本に綴じられていました。このため,レコードプレーヤーのターンテーブルにソノシート本をおけるように,本の中央部には穴が開けられていました。そして,ソノシート本中のソノシート部分を上にしてターンテーブルに置き,ターンテーブルを回転し,アームの先の針を置くと言う形でした。ですから,ソノシートも平らではなく,少し曲がった状態で,針を置くと言う状況だったそうです。
2005. 1. 8(土),神保町の新本屋と中古レコード店が入っている「夢空間」にて,「朝日ソノラマ別冊「家庭名曲集2」を1000円で購入しました(1961.
4. 5発行,発売当時の定価:260円)。これは上記そのもので,右側はバインダーで綴じられており,中には文章,絵,写真等のページのほか,円形ではない片面ソノシートが4枚,直接綴じられていました。また,これ以外に,左側は開かないようにするのストッパー,右側には「帯」付きと言う,おそらく購入時そのものの状態でした。
このソノシートは私が何枚か持っているような円形のものではなく,半円と直方体を合わせた形になっており,右側がバインダーで止められています。しかしながら,バインダー部はきつめで,普通に本を読むのには問題ありませんが,レコードプレーヤーのターンテーブルの上に置くために,ソノシートを上にし,他のページをその下に置くようにしようとすると,表紙のバインダー部近くの部分が切れてしまいました。その上,やはり,ソノシートは平らにはなりませんでした。結局,バインダー部をはさみで取り外してしまいました。これで,とりあえずはまともにソノシートの再生をできると思います。なお,ソノシートは白色の半透明の非常に薄いものです。
また,ソノシートのレーベルですが,「ASAHI SONORAMA 」,「ASAHI SONOPRESSE」,そして,1枚目,2枚目,3枚目,4枚目の意味とお思われる「1」,「2」,「3」,「4」の数字がプレスされて浮き出しているほか,レーベル面より外側に「B25」と言う数字が刻み込まれておりますが,なぜか,この「B25」と言う数字は4枚共,同じです。と言うわけで,レーベルには曲目は一切書かれておりません。
収録曲(全てモノラル録音)
番号 | 曲 目 |
1 | J.シュトラウス2: 皇帝円舞曲 石丸寛指揮朝日ソノラマのために編成したオーケストラ |
2 | シューベルト: 軍隊行進曲 シューベルト: 鱒 石丸寛指揮朝日ソノラマのために編成したオーケストラ(ピアノ入り) |
3 | モーツアルト: 「セレナーデ第13番」より「第1楽章」 ベートーベン: 「弦楽四重奏曲第16番」より「第3楽章」 阿部富士雄(vn),植木三郎(vn),小橋行雄(va),黒沼俊夫(vc) |
4 | ショパン: 幻想即興曲 ショパン: 小犬のワルツ 石丸寛指揮朝日ソノラマのために編成したオーケストラ(ピアノ入り) |
<朝日ソノラマ別冊「家庭名曲集2」>
朝日ソノラマ別冊「家庭名曲集2」 左側: 開かない為のストッパー 右側: 帯, 更に右側: バインダー |
ソノシート本中央部の開けられた穴 | 右側のバインダー(薄いプラスティック製) |
- | - | - |
中のソノシート (円形ではなく,半円+長方形) |
ソノシートの右側はバインダーで付いている | レーベルは浮き出しているだけ 「ASAHI SONORAMA 」 「ASAHI SONOPRESSE」,1〜4,B25 |
今回,私が入手したものは完全に初期のソノシートの形態だと思います。ともかく驚いたことは,ソノシートが円形で無かったことです。バインダーに綴じられたままでレコードプレーヤーにかけなければならないことは,平面性が悪いほか,ソノシート本の文章・写真等を見ながら音を聴く訳にはいかないことで,この形式が廃れ,直径17cmの円形のソノシートがビニール袋に入れられてソノシート本に綴じられるようになった理由がよくわかります。
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