アンナ・モッフォ,Anna Moffo,matsumo,matsumo2,matsumoto,matumoto
English Japanese
ソプラノ歌手のアンナ・モッフォは私の好きな歌手の一人です。好きな理由は美人であったためです(笑)。勿論,声や歌い方も私の気に入った理由ですが。
私がクラシック音楽に興味を持ったのは高校生になってからで,ある時, NHKラジオ第2放送から流れてきた,「シューベルト:魔王」を聴いて,その素晴らしさに感動したためです。これはLP等の放送ではなく,
NHKが邦人音楽家等の演奏を支援するために,彼らの演奏をスタジオにて録音して放送していたものでした。これより,歌,特にシューベルト歌曲に興味を持ち,レコードを集めるようになりました。しかしながら,私の家は裕福とはいえず,むしろ貧しい方だったので,当時1枚1800円から2000円程度であった30cmLPを何枚も購入できるという環境ではなく,月に1枚の17cm(これは1枚
500円でしたが)を購入するのがせいぜいでした(このほか、小学館から出版された「世界の音楽」という本、これは本以外にステレオ録音の20cmソノシート4枚が付録というものでしたが,これを全15巻、1カ月に1冊づつ購入しました。これは日本人による演奏でしたが,演奏も録音も良かったですし,また,本も私のクラシック音楽の知識に非常に役にたちました)。
この中で,フィッシャー・ディースカウやジェラール・スゼーの歌うシューベルト歌曲を何枚か購入しましたが,それが終わると,今度は非常に美しいジャケット(黒地に,高価な本2冊,火がついた赤いローソク,白い椿,手紙が配されています)のベルディ:歌劇「椿姫」ハイライト[フェルナンド・プレヴィターリ指揮ローマ歌劇場管弦楽団,アンナ・モッフォ(S),
リチャード・タッカー(T),ロバート・メリル(Br)] の17cmLPを購入し,彼女の歌のチャーミングな歌い方に魅せられてしまいました。特に好きだったのが,「乾杯の歌」で,何回聴いたかわからない程です。また,全曲盤は買えなかったので,これの訳詞の本や原作の小説「椿姫」[デュマ・フィス著]の文庫本も購入して,それこそ夢中になって読んだものでした。
そして,次に購入したのがプッチーニ:歌劇「蝶々夫人」[エーリッヒ・ラインスドルフ指揮ローマ歌劇場管弦楽団,アンナ・モッフォ(S),チェーザレ・ヴァレッティ(T),ロザリンド・エリアス(Ms),レナート・チェザーリ(Br)]で,第1幕の終わりの方の愛の二重唱の甘さに参ってしまいました。
また,高校の図書館にあったクラシック音楽のレコードの本や,自分で購入した歌手の本なんかも読んで,アンナ・モッフォが美人で,映画にも出演していることも知りました。
大学に入ってからはアルバイトをするようになり,30cmLPを購入できるようになり,また,その頃,1枚1000円という廉価盤が発売されるようになり,上記の2種の全曲盤も廉価盤にて購入しましたが,LP製造時のイコライジングが17cm盤と異なるのか,17cmLPの甘い声とは大分異なり,また,全曲を聴くせいか,前と異なった感じを持つようになりました。
そのような中で,彼女が主役を歌っている
プッチーニ:喜歌劇「つばめ」・・・・・・・・・(Magda役)
オッフェンバック:喜歌劇「美しきガラテア」・・(Galathee役)
が発売され,ジャケットには,彼女の美しい写真が使われ,勿論購入しました。でも,彼女のLPを購入したのはこのあたりが最後で,これ以降は彼女の声も重くなり,また,歳もとってきたので,私の興味の範囲ではなくなりました。
しかしながら,家庭にてビデオテープ,VHD,LD,DVD等により映像が気軽に見れる時代になって,再び,彼女の良さがわかるようになりました。すなわち,歌だけでなく,容姿も考慮にいれる時代になったということです。ただし,これは歌手にとってはかなり過酷なようで,舞台では遠目なのでよくわからない顔や容姿の欠点も,映像ではアップで撮影されることもあるためにすぐにわかってしまい,歳とった歌手がなぜこんな若い娘役を歌わねばならないのかということになってしまいます。
さて,私が参ってしまった最初の映像は,
カールマン:喜歌劇「チャルダーッシュの女王」・・・(Sylva役)
です。
この中では勿論彼女はチャールダッシュの女王たるシルヴァ役を演じており,劇場の舞台にてチャールダッシュを歌い踊るのですが,歌がうまいのは勿論,踊りの方も本職の踊り子はだしで,水着みたいな衣装をつけて踊ります。
これ以外に彼女の映像としては
ドニゼッティ:歌劇「ルチア」・・・・(Lucia役)
ベルディ:歌劇「椿姫」・・・・・・・(Violetta役)
ペルゴレージ:歌劇「奥様女中」・・・(Serpina役)
が正規品としてビデオテープで入手でき,更に海賊テープみたいな形でおそろしく画質が悪いのですが,
ベルリーニ:歌劇「夢遊病の女」・・・(Lisa役)
を見ることができます。また,リサイタルやテレビに出演した時の録画も30分間程度残っていますが,こちらはあまり面白くはありません。
また,彼女のイタリアでのデビューはイタリアでTV放送された「蝶々夫人」だそうで,当時はフィルムに16mmフィルムで撮り,それを放送した筈ですので,もし残っていればぜひビデオ化して欲しいものです。更に,「つばめ」や「美しきガラテア」もフィルムで撮ったものの音のみLP化したとの話も聞いた覚えがありますので,本当にそうならばこれもぜひビデオ化して欲しいものです(少なくとも,LPジャケットの写真を見たら、本当らしく聞こえます)。
さて,彼女の歌った中で一番素晴らしいものはといえば,映像の「ルチア」です。私はこれを観て初めてドニゼッッティの音楽の素晴らしさがわかりました(それまでは,スコットやカラスの演奏を何回も聴きましたが,いずれも私の心には響きませんでした)。次は,やはりこれも映像の「チャールダッシュの女王」でしょう。この音楽の楽しさは劇場で観るか,ビデオで観ないとわからないと思います。それに,この映像の彼女は彼女の残した映像の中では最高の美しさです。音だけのCDでは,声の美しさから「蝶々夫人」と「つばめ」がやはりベストだと思います。
<追記>
このページを公開してから,アンナ・モッフォのファンであり,彼女の関する沢山の資料をお持ちであるという浅井氏よりメールをいただき,
(1)「つばめ」と「美しきガラテア」は映画としては撮られず,録音のみであったこと。LPジャケットの写真はジャケット用に舞台風の扮装と装置で撮影されたものと推測されること。
(2)映像で”オッフェンバック:喜歌劇「美しきヘレナ」”が残っており,ビデオでの発売はないが,BS放送で放映されたことがあること(CDも発売されているそうです)。
(3)出演している映画
を教えていただきました。どうも,有り難うございました。なお,他の資料に「美しきヘレナ」は1974年ユニテル製作と書かれていましたので,これが正しいとすると,時代背景及び同社製作から「チャールダッシュの女王」と同様に35mmフィルムの映画だと思われます。
出演している映画で題名がわかったものは以下です。なお,この2つ以外に少なくとも2つの映画に出演しているそうです。
ローマのしのび逢い[原題:Una Storia d'Amore](1969)
監督:ミケーレ・ルーボ
出演:アンナ・モッフォ,ジャンニ・マッキア,ジャン・クラウディオ
内容:中年マダム役のモッフォはプレイボーイと浮気するが,彼は自分の情事を撮影してそれをネタにお金をかせいでいたという話だそうです。この中で,モッフォは自分の裸を見せて,オペラ歌手のヌードとのことで非常な話題になったそうです。
冒険者[原題: The Adventurers](1970)
監督:リュウイス・ギルバード
出演:ベキム・フェーミユ,キャンディス・バーゲン,アーネスト・ボーグナイン
内容:革命を起こして同志を大統領にした男が,欧州にてプレイボーイとなるが,政府が更にひどくなったために故国に戻るという話のようですが,モッフォは歌手役で出演しているそうです。
<2003.11.30追記>
VAIから DVDで発売された「ベルリーニ:夢遊病の女」の映像ですが, VHSよりは画質は良くなり,何とか我慢できる範囲になったと思います。新たに買われる場合は,VHSよりはDVDの方が良いと思います。
<Photos>
Lucia (Donizetti: Lucia di Lammermoor) | Violetta (Verdi: La Traviata) | Sylva (Kalman: Die Csardasfurstin) |
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Magda (Puccini: La Rondine) | unknown | Galathee (Offenbach: Die Schone Helena) |
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unknown | Violetta | unknown |
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unknown | unknown | unknown |
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unknown | unknown | unknown |
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unknown | unknown | Serpina (Pergolesi: La Serva Padrona) |
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Violetta | Carmen (Bizet: carmen) | Violetta |
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unknown | unknown | unknown |
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